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2023/12/17

外国株投資の円高問題の解決策


先日外貨預金についてXでポストしたところ非常に大きな反響があり、数多くの賛否両論の反応を頂きました。

反応の内訳を見ると、信用度の高そうなアカウントに限れば選択肢の一つとして頭の片隅に置いておくという、どちらかというと賛のスタンスが多かったようですが、全体の単純数としては今、外貨預金は悪手ではないか、という否の意見が多かったです。
否定的な理由は大きく分けると①手数料の問題、②税金の問題、③為替差損の問題、の3つでした。

このうち①はSBI証券内のドルを住信SBIに出す場合は為替手数料も出金手数料もゼロなので特に問題になりません。②は小市民の私たちにとってはルールに沿って粛々とするしかないので諦めるしかありません。
そこで、今回は特に③について深堀りしていきたいと思います。

さて円高傾向の今、外貨預金は為替差損になり悪手ではないか、という意見ですが預金に限らず外貨建投資をする場合、円高になると円ベースで計算した資産は目減りします(円安は逆)。

そのためオルカンやS&P500インデックス投資等の外国株投資も含め、ここを気にする人は非常に多いです。確かに最終的に使うのが円ならば気にするのは当然と言えるでしょう。

しかしこれについて「お金儲けの神様」こと故・邱永漢先生(以下Q先生)が生前、
「株はその国の通貨で見て上がっているかどうかで判断してください」
と喝破されていました。
※勿論、その国のインフレ率以上は増やさないといけないとは思います

この話は今でもQ先生のサイトの読者からのQ&Aの何処かにあると思いますが、あまりにもブログが大量なのでどこに書いてあるかはどうしても見つけられませんでした。GPTさんに聞いても「Q先生の考え方からそう言う可能性はあると思うけど何処に書かれているかは分かりません」と言われてしまいました。
しかし私はそのQ先生の回答が忘れられず、今でもそのように考えて投資をしています。

ただ、実は私もなぜQ先生がこう言ったのか、その真意は知りません。Q先生はその考えに至ったロジックまで説明してくれないこともよくありましたので、理由は自分で考えざるをえないからです。

そこでQ先生のブログをひたすら読み続けて脳内でモデル化した北原GPTで申し訳ありませんが、その理由は「為替の損益まで頭を悩ませて銘柄を選ぶとシンプルに業績とビジネスの将来性を見る選択眼が曇るから」だと思っています。

例えば株はAmazonやNVIDIAのように、成長株は何百倍、何千倍にもなることがあります。それに比べると為替損益などは取るに足らないものなわけで、そんな(どうでもよい)為替損益を気にかけて、タイミングがどうたら言っている間にそのような株を買う機会を逸してしまえば大損害を被ってしまいます。

これをQ先生の口調を真似して書けば「為替なんてそんな小さな事よりしっかりその仕事がこれから陽の当たる仕事になるかどうかを見てください。そんなことを気にしているからダメなんです」といったところでしょうか。

なんか虎の威を借る狐みたいでQ先生ファンからお叱りが来そうですが、もしQ先生の中国企業訪問団に参加されたことがある人で、この辺の話を聞いたことがある方がいましたらぜひコメントください。

話は戻って、まあ前述の通りQ先生はいちいち解説してはくれませんから、この理由が正しいかどうかまでは分かりません。だから私も円高傾向の時に外国資産への投資をためらう人の気持ちは分からないでもない。

しかし私はこれまでも投資について散々勉強し、考え続け、時には損したりしてきて、最終的にバフェットやQ先生の言った通りの考えになった、という経験を沢山してきました。そして実際に財を成すことが出来ました。結局は私がやったことは賢者の真似をしただけだったので今では最初っから聞いておけば良かったと思っています。

そうならばまずは賢者のいう通りにやって、賢者がなぜそう言うのかはその後に勉強すれば良いのではないでしょうか。勉強は何年もかかるのでその間の時間が勿体ないからです。インデックス投資なんて、まさにそのやり方が向いている投資です。

自分の主義と違うからと言って、経験も実績もある先駆者がいう事に拒絶反応を示すより、私だったらなぜ賢者がそう言っているのか考えます。自分のどこと見ている所が違うのかと考えます。
私は15年前、それに気づいてこの記事でコメント頂いた方に褒められたことがありますが、それから12年後、本当にその方の言う通りになりました。

この江戸の隠居さんという方は、その後何回かコメントを寄せてくれた後すっかり姿が見えなくなってしまったのですが、書いてある内容から相当の資産家であると予想できます。そのような人が、あれほどまでに予言を断定的に言って、しかもそれが当たるということは、考え方というものが資産形成のKPIの最上位だということだったのではないでしょうか。

もっとも、誰が賢者かは絶対に見誤らないでくださいね。

ということで外貨建の投資をする場合、為替は気にせずに投資される事をお勧めします。そして円は円で一定の割合で持っておけば良いのです。

それにおそらくですが、超長期では円は弱くなっていくと予想しています。為替は結局は国力に比例するものですので、あなたの髪が白くなる頃には今のレートで交換しても為替損益で損どころか益に働くんじゃないでしょうか。

2019/07/13

複利効果で1億円!は貴方を即死へと誘う甘いフレーズ

毎年10%増やし続ければ複利効果で20年で1億円達成!・・・って耳にタコができるほど聞いたフレーズですね。

しかし考えてみたことありますか。20年間10%増やし続けるのを数式で書くと、

元本×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1・・・・・・×1,1 = 1億円

ということになりますが、これ掛け算なんですよ。

掛け算ということはですね、途中で一度でも0を掛けるとあとはいくら頑張っても一生ゼロなんです。

元本×1.1×1.1×1.1×0・・・・・・×1,1 = 0円 


このように投資というのは常に「1ミス即死」の世界なんです。
投資も人生も死んだら終わり。死んだらリベンジ不可。


そりゃあ100万とか、いわば人生を変えるようなインパクトが無い規模でやってるならいいですよ。

でももうすぐ定年だとか、そうでなくても、かれこれ20年も働いて中年に差し掛かったころ貯まった全財産1000万を元本に投資をする場合は大問題なわけです。

そして投資で人生を変えるにはその規模でやらなければなりません。
なのでやるなら片時も「1ミス即死」の世界に自分が居ることを忘れてはなりません。

だから私は信用取引だけは絶対にやりません。
本当はやりたくてやりたくてたまりませんが、やりません。
これは全部を1秒で失う危険が常に付きまとうからです。

いくら普段のボラティリティからみて十分安全な維持率をキープしてる・・・とか言っててもフラッシュクラッシュ等で一瞬ですべてを失うことだってあります。

また前の暴落から10年もぬるま湯のような相場が続くと、すっかり怖い事は忘れてしまって気が弛み、うっかり大きなポジションを取ってしまって致命傷を受けることもあります。

だから昨日またダウが最高値を更新しましたが、これを見て乗り遅れた、取りこぼした、機会損失だ、とか言って焦る必要なんて全くないんです。肝心なのは「1ミス即死」を避けることだけ。

投資は1円でも増えればそれでよい、焦る必要なんて全くない、私はそう思ってます。

そして「焦り」という感情を何十年も一度もミスせずにコントロールすることは本当に難しい。
それが絶対的に必要な投資という行為は本当に難しいと思っています。


2017/09/17

株は猿か犬のように買え

株を買ったとき、自分は誰から買ったのか意識することありますか?私はあんまりありません。

普段のお買いものでは売り手買い手は通常は1対1です。しかし株では何かを買う時に、売り手側には複数の思惑が入り乱れているはずです。

仮に今日ある銘柄を1000株買ったら、相対したのは500株はプロのファンド、300株は短期トレーダー、200株は現金が急に必要になったインデックス投資家かもしれないのです。
こんなので勝とうとしたら、普通のお買いものより難しいに決まってます。だって全員勝とうとしてるんだもの。


さらに為替はもっと難しい。

株はほぼ全員が儲けようと思って取引してるだけマシで、旅行者や貿易決済で為替取引する人は儲けようなんて考えないで取引しているでしょう。

こういう儲ける気がない人達の行動は、心が汚れた腹黒い人にはまず予想できません。
犬のように純真な心による取引の前には腹を真っ黒にしている山師や秀才は、大抵はやられます。特に大きく張った時ほどやられます。

これに対抗するには、もはや自分も心を綺麗にするしかないのではないか、と私は思っています。

結局、株なんてプラスサムの価値創造分程度しか最初から利益を期待せずに、優良企業をアホールドするのが一番手間に対する効果が高いんじゃないでしょうか。


追記: 普段は思惑が入り乱れていますが、これが揃うときがあって、それは暴落時です。売り手のほぼ全員が「つらい、とにかく今のつらさから解放されたい」と思っている時です。こうなると少し簡単になりますので、私は暴落が大好きです




2017/08/13

建値を忘れる一つの方法

「建値を忘れよ」とは昔の相場格言です。
自分が買った値段なんてミスター・マーケットは全く考慮せずに値段を付けてくるのですから、そんな事を気にしている暇があれば、さっさと売るか買うかでも考えた方がよっぽどマシということです。

この格言は現代のプロスペクト理論の主要な部分と同じだと思いますが、そんな理論を知る由もない昔の人が、とっくにそのキモをたった6文字でシンプルに表現し終わってるのは面白いと思いました。

しかしそれを聞いても、人間はそうそう実行できるものではありません。
これの対策としてQ先生が以前に何度も推奨していた、これまたシンプル極まりない方法が使えると思います。

それは「株が2倍になったら半分売って、残りはタダ株にして忘れしまいなさい」というものです。

そんなご無体な、と思いますが、確かに元をとってしまえば残りが仮に0になったとしても損はありませんので、保有する精神的コストは劇的に下がります。
ウォーレン・バフェットも株は1に損しないこと、2に1を守る事と言っていましたし、タダ株にすればこれも守れます。

ですが私のポートフォリオには簡単に2倍になるような銘柄はあまりなく、現実に2倍になったのはアリババくらいなので、さすがに今のポートフォリオを半分売って現金にするようなことは考えていません。

しかしながら、そもそも今のポジション量はリーマンショック以降に利確した範囲内レベルに抑えているので、ポートフォリオ全体がQ先生のいうタダ株と言えなくもない。


するとです、最近は本当に建て値を忘れてしまうんです。


つい先日買ったSOとNGGも、ガチでもう幾らで買ったのか今日思い出せませんでしたw
それで今日この記事を書いてみました。

タダ株にすると株を保有していることさえも忘れてしまえるというQ先生の教えは、どうやら本当のようです。

今は相場が好調ですから、たっぷり利の乗っている人はこの殿様モードに入れるチャンスともいえますので、いちどそんな視点でポートフォリオを整理してみるのもいいかもしれません。

2017/05/03

欲のアクセルは年齢に応じて踏む

株に限らず人生において「欲」との付き合い方は中々奥深いものです。

欲について考える時、私は公案という中国のお坊さんが修行に使う「婆子焼庵」という話が好きです。(詳細は記事の最後をご覧ください)

公案に解答は与えられてないので私なりの解釈ですが「欲は人間の本質であり毒にも薬にもなるもので、人はこれを否定せずにうまく付き合っていくべきもの」と思っています。

例えば欲は向上心の燃料になります。何かを成し遂げるには強い動機が必要ですが、その源泉は欲だと思います。このような場合は欲が薬となりますす。

昨今では20代から何も買わない・どこにも行かないという無欲な話を聞きます。一見聖人のような良い話にも聞こえますが、もしそうなら何も達成しないまま貧相な老人になりそうです。

一方で欲が毒となるケースでは贅沢競争があります。
例えば10億円のクルーザーを買っても、後に知人が30億円のクルーザーを買ってしまったらむしろ虚しさしか残らないでしょう。

そういうのはどこまで行っても相対的なものでキリがありませんので、そんなレースにハマって年がら年中、目を血走らせてセカセカと金儲けするのはまっぴらです。

という訳で、若いうちは貪欲になって上を目指し何かを築いて、中年以降になったら無欲になって視線を下げて余裕を楽しむのがいいかなと思っています。



さてここで話の範囲を一気に限定して、欲と株の関係について考えてみます。



積立て投資や損切りルールなど、ほとんどすべての投資戦略は、いかに感情に振り回されないか、という点がフォーカスされています。つまり欲の制御です。

しかしどんなルールを作ろうとも、最終的にルール運用を停止する権限を人間が持っていてはダメでしょう。ほとんどの人は損したら「今回はいつもと違う」とその運用を停止してしまうからです。
つまり大抵は自分自身の欲を飼いならす修行の方がルール作りよりも優先されます。守れないルールはゴミなのです。

そもそも投資家は大抵はいつも損した気分になっています。買って下がったら損したと騒ぐし、売った後さらに上がったら損した気分になっているのが投資家です。

あの100万円を数年で100億円以上にしたBNF氏も「相場に入っていないときに上がると損した気分になってしまう。だから相場はやめられない。ほとんど病気みたいなもの」というような話をしていました

このように資産を増加させる効率を極限まで高めようとするのは、さっきの贅沢競争を彷彿させ、欲が毒になってしまっている状態かも、と思うのです。

そういう意味では暴落時に怖くなって全部売ってしまうのも、機会損失を恐れて今のような時に腹一杯までポジションを取ってしまうのも、結局は同じ穴のムジナのように思うので私は今のところは一定量は無リスク資産にして持っています。

投資はそんな儲かんなくても、損しなけりゃいいじゃない、ぐらいの余裕を持てる欲の出し具合がちょうどいい感じです。

欲のアクセルは自分の年齢に合った分量だけ踏むのが大事で、私も踏むときは今でも踏みますが、その判断のハードルは20歳の時よりはだいぶ上がっています。

 

===「婆子焼庵」公案  ===

公案とは中国のお坊さんが悟りを開くための研究課題で、たくさん種類がありますが、その中の一つの「婆子焼庵」という公案があります。

この公案を簡単に書くとこうです。

昔、ある信仰深い老婆が一人の僧のために庵を建て、若い娘を雇って身の回りの世話をさせ、修行をさせていました。

二十年も経ったある日「うちのお坊さんもだいぶ悟った頃だろう、一度試してみないといかん」と思い、娘にあることを耳打ちします。

娘は言われた通り、その日のお給仕が済むと後ろからお坊さんにしなだれかかり、
「ねぇ、こんなときはどうするの?」
と耳元で甘くささやきました。

しかしさすがは修行を積んだお坊さんです。
「冬の岩に立つ枯れ木ように、私の心はまったく熱くならない」
と、きっぱりと娘の誘惑を拒絶しました。

庵から戻った娘はすぐに顛末を婆さんに伝えました。すると婆さんはこのお坊さんを賞賛をすると思いきや「私はこんな俗物を二十年も養っていたのか!」と激怒し、即座に僧を叩き出した上「汚らわしい」と言って庵に火を放って焼いてしまいました。

これが婆子焼庵のお話です。
そしてこのお坊さんは一体どうすれば良かったのか?というのが公案です。


2017/04/23

相場で大損して死にたくなったら

誰でもお金を損すると落ち込みますが、株の場合は額が半端ないこともあり、中には死ぬ人もいます。

私調べで恐縮ですが1000万くらい損すると首をつる人が出始め、5000万~1億くらいがピークになり、3億円以上になると逆に痛くも痒くもなくなるそうです。

3億円でユートピアになるのは「もう働いても絶対ムリだもん!返せないモン!」と開き直れるからだそうです。

まあ普通に考えたら死ぬくらいならバックレればいいんですけど、日本人はとにかく周りに迷惑をかける事にこの上ない心痛を感じるらしく、自分が死ぬ方を選ぶ人もいます。外国だと「借金=踏み倒すもの」というのがコモンセンスの国もあるようですが。

そこで今日は自分が万一そんな目に遭った場合に備え、バックレの心構えを記しておこうと思います。
もうすぐ5月で鬱になりやすい時期ですし、ブラック企業で仕事が嫌で死にたくなってる人も参考にして頂けたら幸いです。



まず知識としてぜひ頭に入れておいて頂きたいことがあります。それは人は「死んだら負け」ということです。

例えば交通事故であなたが死んだとしますと、普通たった3000万程度の賠償金で手打ちになってしまいます。

以前に「交通事故で人をひき殺すくらいなら、自分がひかれて死んだ方がいい」と言う人がいました。自分の命の価値がたったの3000万で清算なんて私だったら到底納得いかないし、どう考えても死んだ方が損だと思いますが、現実はそれで手打ちです。



また、例えば、仕事が嫌で首を吊ったとしましょう。はっきり言って、あなたが死んでも何事も無かったかの如く社会は動いていくでしょう。一般人の価値なんてそんなもんです。

これは裏返して言えば、仮にあなたが何も社会に貢献せずに生きて、社会のお荷物になったとしても、社会に与える迷惑もたかが知れているということです。

なので死ぬくらいなら気兼ねなく社会にお世話になりましょう!



あ、そう言えばブラック企業とかで自殺するような人に向かって「そんなにイヤなら辞めればいいじゃん」と軽く言う人がいますが、それは違います。追い込まれた人は判断力がなくなってしまって「ハイ」としか言えなくなったまま、死を選んでいるんです。

そしてこれが大事な点なのですが、そういう極限状態で本当に恐いのは実は「何も怖くなくなること」にあります。この状態ではまるで近所のコンビニに行くくらいのノリで「ちょっと電車に飛び込んでみようか?」ということが出来てしまうんです。

だから、事前に「死んだら負け」という知識をインプットしておいて理性でブレーキをかけないと、ふっとした弾みで死んでしまいます。

この感覚をうまく表現するのは難しいですが、例えば車を運転していて、スピード感が無くなることはありませんか?
そんなに飛ばしているつもりはないのに、速度計を見ると120kmも出ていたとか。そしてそのスピードに対する恐怖心も無い時。

しかしその時、確かに車は物凄いスピードが出ているし、ちょっと壁にぶつかればそのままお陀仏なんです。

なのでそういう時は感性でなく、計器を信じて理性で行動を制しないといけません。


それに、とにかく日本人はみんなと同じことをするのが安心で、逆に誰もやったことが無いことをするこを極端に恐れますが、バックレなんてやった奴は沢山います。
こういう事を予め知っておけば、いざと言うときにやりやすいでしょう。


そして辛くなった時、すべてから逃げ出して気楽に過ごす日々を想像してみましょう。雨上がりの日の花と草の匂いとか、子供のころから何も変わっていないのに気づきます。

そして社畜どもが退散したあとのガラガラの定食屋に入って頂くランチのうまいことw。

どうですか、一丁あなたも体験しませんか?

2017/03/23

変化する勇気


ウォーレンバフェットがアップルと航空株を買い増したと聞いて、過去の自分の発言をあっさり反故にできるのはやっぱりすごいなと思いました。

人には認知的不協和という感情があります。自分に不都合な真実に触れてしまった場合、人は気分が悪くなります。

たとえば投資で数ある理論のうちの一つである「インデックス投資は長期では個別株投資よりも圧倒的に有利である」という説しか知らない、または固く信じている人がいたとします。

その人が長期の個別株投資でインデックスを上回っているバフェットの実績を見たり、日本株の30年チャートを見たりしたら気分が悪くなったあげく、それは偶然だと一蹴するでしょう。こういうのも認知的不協和の例です。

認知的不協和は、これまで認知してる対象にのめりこんで来たほど強くなるでしょうし、長年言ってきて、ましてやそれで成功体験まで積んでしまっては後に自分の意見を変えるのは至難の業でしょう。

それを御年86歳でさくっとやってのけるバフェットの柔軟性は見習いたい点です。


2017/03/14

確証バイアス

投資において気を付けないといけない心のバイアスはいくつかありますが、その一つに人は常に自分に都合のいい情報ばかり集めては一人で安心してしまう「確証バイアス」があります。
特にインターネットは自分の考えを肯定する情報が常に見つかりますので、ある意味最悪な環境です。

私も投資は外国株中心のため、それ関係のニュースとかブログばかり見たくなります。
逆に銀行預金とか日本株の話なんかはスルーしがちですが、そんな時は我に返って、そういう話を意識して見るようにしています。

もっとも見たところで共感することは少ないのですが、私なんかが共感するしないに関係なく、そういう人の言う通りのことが過去に起きていたことは事実です。

例えば、投資家界隈や政府は日本人は貯蓄から投資へとか啓蒙してますし、私も基本そう思いますけど、リーマンショック時のwinnerは、ほぼ全額を円預金してた日本の高齢者でした。

また昨今は外国株が流行っていますが、アベノミクス以降、世界中で最もパフォーマンスが高かったのは日本株でした。(このような事実から目をそらしたくなる感情を認知的不協和といいますが、それはまた別の記事にしたいと思います。)



あと、人にはこういうバイアスがある、と考えてたら一つ思いつきました。

相場が上がりだすと世間には楽観的な情報が溢れかえり投資家はそんな情報シャワーを潜在的に受け続けます。

そうした投資家の脳内でひとたび「騰がるかも!?」とスイッチが入ってしまうと、その時それを確かめる情報は無数に見つかることになります。

するとそのアイデアは確信に変わって実行され、おまけに自身までその類の情報発信者に回ってしまいます。
結果、相場はポジティブフィードバックして拡散しやすくなります。

このような相場の悲観・楽観の偏りを示すブルベア指数も既にあって、「このくらいなら天井」「ここらまでくると底値」とかいう水準もあるそうですが、この指標、天井のタイミングは怪しそうですけど、底値はソコソコ当たりそうだと思ってます。

天井圏は売って儲かった人は調子に乗ってまたすぐ参戦してくるので意外に長持ちしそうですが、底値圏で損した人は満身創痍で弾がない上にご傷心で、そこで打ち止めになるからです。

ここまでキャッシュを温存できたら儲けるのは簡単ですが、そもそもここまで温存できる人は投資なんかしない人なので、ここでも買わないのは投資のジレンマです。

つまり普通の投資家は変なところで手を出して大損するし、一般人はそもそも株なんかに近づかないので、結局どちらにしても儲からないことになりやしないでしょうか。

こんなことも日本の「株は儲からない」という通説の根拠のひとつな気がしてきました。


2016/03/03

マルチプル・コントラクション


株の何が面白いって、建前だらけの世間に対し人間の本音が生々しく露わになることです。

株の世界では昨日まで先頭に立って神輿を担いでいても、神輿に変調を察知すると頭のいい人から今度は逆に神輿の上に駆け上がっていきます。

すると、いつまでも神輿を担ぐ側にいたグズな投資家はその重みで潰されて死ぬわけです。

この神輿を担ぐというのがブル相場末期のバブルともいうべき状態で、ここでは市場平均PERがどんどん高くまで買い進められる祭りがおこります。このような状況をマルチプル・エクスパンションといいます。

しかしひとたび相場が冷静になるとその急にその流れが逆転し、今度は逆に平均PERはしぼんでいきます(マルチプル・コントラクション)。

この2つの間で業績はほとんど変わりません。市場参加者の先行きに対する期待が変わるだけです。

要するに高PERの株を担ぐなら、祭りをエンジョイしながらも、いつ神輿の上に飛び乗るか?ということを片時も忘れてはいけません。

また、株の世界の祭り(いわゆるバブル)は神輿以外にも様々なイベントがあり楽しいのですが、これは最後まで残っていた人にはお仕置きの掃除当番が待っているのです。

祭りは好きだが掃除はゴメンだという人は、祭りが終わる気配が出る前に帰らないといけません。気配が出たときは既に出口は殺到していて出られないからです。

ところが、早く帰りすぎると今度は自分が帰った後にメインイベントが始まったりして悔しい思いをするのですが、これは残った人からすると至福の脳汁ドバドバフィーバータイムでもあります。

こういう駆け引きも祭りを一層楽しくする一要因ですね。

まあ、どうしてもメインイベントが見たければ、お掃除当番上等でずっといるしかないですね(笑)