2016/03/03

マルチプル・コントラクション


株の何が面白いって、建前だらけの世間に対し人間の本音が生々しく露わになることです。

株の世界では昨日まで先頭に立って神輿を担いでいても、神輿に変調を察知すると頭のいい人から今度は逆に神輿の上に駆け上がっていきます。

すると、いつまでも神輿を担ぐ側にいたグズな投資家はその重みで潰されて死ぬわけです。

この神輿を担ぐというのがブル相場末期のバブルともいうべき状態で、ここでは市場平均PERがどんどん高くまで買い進められる祭りがおこります。このような状況をマルチプル・エクスパンションといいます。

しかしひとたび相場が冷静になるとその急にその流れが逆転し、今度は逆に平均PERはしぼんでいきます(マルチプル・コントラクション)。

この2つの間で業績はほとんど変わりません。市場参加者の先行きに対する期待が変わるだけです。

要するに高PERの株を担ぐなら、祭りをエンジョイしながらも、いつ神輿の上に飛び乗るか?ということを片時も忘れてはいけません。

また、株の世界の祭り(いわゆるバブル)は神輿以外にも様々なイベントがあり楽しいのですが、これは最後まで残っていた人にはお仕置きの掃除当番が待っているのです。

祭りは好きだが掃除はゴメンだという人は、祭りが終わる気配が出る前に帰らないといけません。気配が出たときは既に出口は殺到していて出られないからです。

ところが、早く帰りすぎると今度は自分が帰った後にメインイベントが始まったりして悔しい思いをするのですが、これは残った人からすると至福の脳汁ドバドバフィーバータイムでもあります。

こういう駆け引きも祭りを一層楽しくする一要因ですね。

まあ、どうしてもメインイベントが見たければ、お掃除当番上等でずっといるしかないですね(笑)