日本で金融資産1億円以上の、いわゆる富裕層の割合は1~2%だそうです。
そして日本の金融資産の保有割合は高齢者層に偏っているので、その富裕層のうち若年層の割合は相当低いでしょう。すると30代・40代で富裕層なのは、ざっくり言って数百人に1人くらいじゃないでしょうか。
さらに相続などを除く、自分だけの力で富裕層になった人はもっともっと少ないはず。
それにしても数百倍とはなかなか狭き門。
ぱちんこ屋に行って1回転で大当たりを引く「お座りスタート」くらいの確率でしょうか。いやなかなか厳しい。ていうか普通は無理でしょう。
株クラスタにいると億り人なんて普通にゴロゴロいそうな気がしてきますが、冷静に考えると世間でそうそうお目にかかれるものではありません。しかし私は倍率でビビることなんてないと思うんです。
たとえば受験。今は定員割れで苦しんでる大学も多いようですが、私の世代ではまだ人が結構多く、有名大学の人気のある学部は15倍くらいの倍率でした。
数字だけ見るとこれは狭き門ですけど、ここでこう考えるんです。
15人のうち、半分の7人は記念受験でロクに勉強もしてない奴だからいないのと同じ。
残り8人のうち4人くらいは、試験会場の緊張感と事前に見た倍率にビビり、どうせ「ぐにゃぁああ」となってるに決まってる。結果、自分に負けて実力を発揮できずに自滅。
さあ残り4人になりました。こいつらは本当の敵です。
しかし勝負は時の運なんです。このうち2人は今日はツイてない。
今日はたまたま苦手な問題ばかり出題されて不合格。残念!
こう考えると、あら不思議、15倍が実質2倍になったじゃないですか。これならなんとかなりそうでしょ?
こう考え、私は普通に落ちました。
結婚もまったく同じです。
女優の吉永小百合さんが結婚した時、世の男性は地団駄踏んで悔しがったそうです。
さすがに私の世代の話じゃないのでリアルタイムでは知りませんけど、結婚相手がジャガイモのような顔の43歳、15歳年上のバツイチリーマンだったからだそうです。
あんなのが吉永小百合と結婚できるんなら、俺でもできたかも、という感じでしょうね。
あまりにも美人すぎて、数々の戦士たちが自滅していった光景が目に浮かびます。
就職も同じ。
人気企業になると数百倍の倍率がありますが、受験と同じスキームで実質10倍くらいまで下がります。
ただ10倍だとまだ結構キツイので、何かもう1段階カマさないと突破できません。ポイントは面接側の立場に立って考えることです。あいつらどうせリーマンなんですよ。
リーマンはボスに説明するときに分かりやすい理由が必要です。決して「自分は彼がいいと思う」なんていう主観的な意見は言えないんです。
すると、何か相手がボスに説明しやすいネタを用意してやればいいんです。そのネタを嫌われないように面接官にインストールできたらかなり有望でしょう。あとは相性ですね。
まあ私は就職は「理念の一致」が一番だと思うので、倍率数百倍の人気企業に入るのがいいとは思ってませんが。
このように一見高倍率の勝負に参加するときは、私は他人と同じ土俵に上がるのが一番嫌です。違う軸で攻めていけば競争者はいない訳ですから、あとはその軸の価値をいかに相手に伝えるか、が最もフォーカスすべき課題かと思います。
投資で富裕層になる時も、考え方は同じでしょう。
今はまだ指数買って放っておけばお金が儲かりますが、そのうち日本の主婦が米株のインデックス投資とか言い出したら私は即、投資から足を洗います。
だから私は金融庁の投資家教育とか、余計なこと言わんといて!と内心思っています。
FIREを達成した管理人による思考の備忘録。著書『投資で「3億円FIRE」したぼくがすすめるたった2つのこと』
2017/11/27
2017/11/14
自分に向いてる投資本は人それぞれ
昨日の話の続きですが、じゃあ危険だけど投資にチャレンジしてみよう、と思ったとします。
すると問題になるのは教科書選びです。
クルマの運転の教本の内容はまあ正しいですが、巷で売ってる投資本は嘘だらけなのです。いや正確に言うと自分にとって正しい投資本以外は嘘本、という所でしょうか。
世間を見ていると成功している投資家というのは不思議とその人に合ったスタイルでないと勝てないようなのです。
売りが得意な人は買いではどうも負けますし、チャート命のスイング投資家に長期投資をやれと言っても余計なお世話なので、そういう人達にバフェットとかインデックス投資の本を薦めても無意味というものです。
これは投資手法の優劣というよりは、当人の性格が多分に影響するのではないかと思っています。
すると全くの初心者が自分にあった投資本を探そうとしても、そもそも自分がどういう投資スタイルが合っているか分からないので、全く五里霧中ということになります。
それでも投資道に突き進むなら、ほとんど全てのスタイルを試してみる必要があります。
こんな状態から入る訳ですから、自分に向いたスタイルを見つけ、さらに安定して利益まで出せるまでになった投資家は、相当なドMの変態と言えるんじゃないでしょうか。
私の場合はモチベーションでなんとかこの困難を乗り越えましたけど、かなり犠牲も払った気もします。
今でもふと「これで良かったのか?フツーに酒飲んで、同僚とグチっていた方が楽しかったのかもな」と思うことがあります。
まとめると、初心者だから教科書が欲しいのに、正しい教科書を選ぶのには相当な知識が必要というのが投資における最大の関門です。
これから投資を始める方は、自分に合っている投資本は人によって違うので、まずは広く浅く気楽にトライしてみるのをお薦めします。そういう意味ではビットコインの短期投資とかでも全然OKだと思います。
ただし、試しにやる時はごく少額でやってみる事だけはどうか守ってください。
すると問題になるのは教科書選びです。
クルマの運転の教本の内容はまあ正しいですが、巷で売ってる投資本は嘘だらけなのです。いや正確に言うと自分にとって正しい投資本以外は嘘本、という所でしょうか。
世間を見ていると成功している投資家というのは不思議とその人に合ったスタイルでないと勝てないようなのです。
売りが得意な人は買いではどうも負けますし、チャート命のスイング投資家に長期投資をやれと言っても余計なお世話なので、そういう人達にバフェットとかインデックス投資の本を薦めても無意味というものです。
これは投資手法の優劣というよりは、当人の性格が多分に影響するのではないかと思っています。
すると全くの初心者が自分にあった投資本を探そうとしても、そもそも自分がどういう投資スタイルが合っているか分からないので、全く五里霧中ということになります。
それでも投資道に突き進むなら、ほとんど全てのスタイルを試してみる必要があります。
こんな状態から入る訳ですから、自分に向いたスタイルを見つけ、さらに安定して利益まで出せるまでになった投資家は、相当なドMの変態と言えるんじゃないでしょうか。
私の場合はモチベーションでなんとかこの困難を乗り越えましたけど、かなり犠牲も払った気もします。
今でもふと「これで良かったのか?フツーに酒飲んで、同僚とグチっていた方が楽しかったのかもな」と思うことがあります。
まとめると、初心者だから教科書が欲しいのに、正しい教科書を選ぶのには相当な知識が必要というのが投資における最大の関門です。
これから投資を始める方は、自分に合っている投資本は人によって違うので、まずは広く浅く気楽にトライしてみるのをお薦めします。そういう意味ではビットコインの短期投資とかでも全然OKだと思います。
ただし、試しにやる時はごく少額でやってみる事だけはどうか守ってください。
2017/11/13
投資は危険物
投資はある意味、危険物です。クルマのようなものだと思います。
クルマはうまく使えば早く目的地に着きますが、予備知識なしに運転すれば事故ります。
そのためクルマの運転には免許が必要ですが、自己資金の運用には必要ありません。
それで予備知識なしで投資して致命的なダメージを被るチャレンジャーが続出するので、身近でそういうのを見た人は「投資=危険」という固い信念が出来上がります。
結果的に世の中はクルマという便利なモノがあるのに、頑として自分では運転しない人だらけのような事になるわけです。
でも、それだけならタクシーやバスを利用すれば文明によるベネフィットにはあやかれます。
しかし日本においては投資におけるタクシーやバスにあたる「投資信託」は、ユーザーが受け取るベネフィットとほぼ同等の手数料を要求してくるので、ユーザー側にあまりメリットが無いのです。
そのため一旦は投資に興味を持った人でも大体この辺までの経験すると「やっぱり投資はやめよう」となってしまうのではないでしょうか。
インデックス投資家はそこを乗り越えて、手数料<ベネフィットとなるバスを見つけた人でしょうか。
個別株投資家はもっとマニアックで、改造車を作って自分でレースに出て喜んでいるようなクルマオタクですかね。
文明の利器を頑なに拒んで歩くもよし、ぶらりバスの旅を楽しんでもよし、改造車で事故ってもよし、です。
2017/11/12
二階建て
株の世界で2階建てと言えば、ある株を担保にしてさらに信用取引で同株を買う事です。これは元の株の値動きの何倍もの損益になるので、一般には危険とされます。
同様に世の中には様々な2階建てがあります。例えばある会社に勤めながら自社の持ち株会に入った場合、会社の業績が悪くなればボーナスも下がって資産も減る訳で2倍損します。
株式投資をしながら、それをネタにしたブログやHPでネット収入を得るのも2階建てでしょう。株が下がったら大損しますしアクセスなんて簡単に1/10位になって、収入なんて吹っ飛びます。
なので安全を重視するなら、そういう逆境が来ても耐えられる確実なキャッシュフローが期待できる収入源が必要です。労働収入・配当収入・不動産収入はまあまあの収入源だと思います。
でもそういう風に考えるのは少しジジくさい。
例えば道を歩けばクルマにひかれるかもしれないと言って、生まれてから死ぬまで家に閉じこもっている人はいないでしょう。
リスクなんて減らすことは出来てもゼロには出来ないんです。それならうまく付き合うしかありません。
だから2階でも3階建てでもなんでもやって、稼げるときにバッと稼いで流れが悪くなったら冬眠したらいいんじゃないでしょうか。
同様に世の中には様々な2階建てがあります。例えばある会社に勤めながら自社の持ち株会に入った場合、会社の業績が悪くなればボーナスも下がって資産も減る訳で2倍損します。
株式投資をしながら、それをネタにしたブログやHPでネット収入を得るのも2階建てでしょう。株が下がったら大損しますしアクセスなんて簡単に1/10位になって、収入なんて吹っ飛びます。
なので安全を重視するなら、そういう逆境が来ても耐えられる確実なキャッシュフローが期待できる収入源が必要です。労働収入・配当収入・不動産収入はまあまあの収入源だと思います。
でもそういう風に考えるのは少しジジくさい。
例えば道を歩けばクルマにひかれるかもしれないと言って、生まれてから死ぬまで家に閉じこもっている人はいないでしょう。
リスクなんて減らすことは出来てもゼロには出来ないんです。それならうまく付き合うしかありません。
だから2階でも3階建てでもなんでもやって、稼げるときにバッと稼いで流れが悪くなったら冬眠したらいいんじゃないでしょうか。
2017/11/11
54年後の事を考えたが無駄かもしれない
2016年のある日、僕は憂うつな気分になった。キッチンの電球が切れたのだ。
キッチンの電球交換には脚立が必要なんだ。こんな面倒なことはない。
そこで将来に渡りこの手間をなるべく減らすべく、少々値が張るがLED電球を買う事にした。
早速、僕はPCを開いてアマゾンにアクセス。まあ近所の量販店よりは安い。だが僕はすぐにはポチらない。
そう、今はヨドバシドットコムの方が安いのだ。
送料無料時代にアマゾンに洗脳され、そのワイドモートに取り込まれた輩はそのままプライム会員になってるだろうが、そんなまんまとアマゾンの思う壺に嵌るようじゃ投資家失格だ。
僕は残念ながらそんなアホじゃない。アマゾンで大体の相場をチェックした後、迷う事なくヨドバシをチェック、ポチった。
翌日、商品が早速届いた。ヤマトの問題があってからアマゾンの翌日無料配送はプライムのみになったが、ヨドバシは今でも基本サービスだ。
多くの国民がこの事実をしったらどうなるだろう?
そもそもアマゾンは物販では利益を出していなかったはずだ。にも関わらず株価が高いのは、この巨大なトランザクションにチョイとマネタイズしてやれば、すぐにでも莫大な利益となることを市場が知っているからか?(2023/05/28追記:Amazonの利益はAWSです)
しかし、課金した瞬間に客がヨドバシに大移動したらどうなるか。出るはずだった利益は絵に描いた餅になりはしないか?
そんな事がふと頭をよぎったが、どちらにせよ僕のようなグレートな投資家がアマゾンの株主になる事は生涯ないだろうから、無駄なことは考えないことにしよう(2023/5/28追記:3年後に一時買いました)。
さて届いた電球を手に取る。僕は商品の取説は読む方だ。この商品の寿命は4万時間だそうだ。
4万時間…。一日中キッチンの照明をつけることなど無かろう。せいぜい使って一日2時間か。
するとこの電球の寿命は2万日以上。つまり54年だ。54年後か…どう考えても僕の余命より長い。
「この電球が切れるときにはもう俺はこの世にいないんだな」と思うと、僕の寥々な心はたちまち暗澹たるものとなった。
僕は何かを成し遂げただろうか?そんな事を考えながら電球をはめ込み、ガタつきをチェックした後、僕は脚立をしまった。
…
それからたったの一年後、その電球はきれた。原因は基板不良。パナソニックで全数交換だそうだ。
4万時間どころかエジソンの電球より持たねーじゃねーか!!
くだらん事考えて損したわ。
そして俺はまだ生きている。俺は電球に勝ったんだ!
キッチンの電球交換には脚立が必要なんだ。こんな面倒なことはない。
そこで将来に渡りこの手間をなるべく減らすべく、少々値が張るがLED電球を買う事にした。
早速、僕はPCを開いてアマゾンにアクセス。まあ近所の量販店よりは安い。だが僕はすぐにはポチらない。
そう、今はヨドバシドットコムの方が安いのだ。
送料無料時代にアマゾンに洗脳され、そのワイドモートに取り込まれた輩はそのままプライム会員になってるだろうが、そんなまんまとアマゾンの思う壺に嵌るようじゃ投資家失格だ。
僕は残念ながらそんなアホじゃない。アマゾンで大体の相場をチェックした後、迷う事なくヨドバシをチェック、ポチった。
翌日、商品が早速届いた。ヤマトの問題があってからアマゾンの翌日無料配送はプライムのみになったが、ヨドバシは今でも基本サービスだ。
多くの国民がこの事実をしったらどうなるだろう?
そもそもアマゾンは物販では利益を出していなかったはずだ。にも関わらず株価が高いのは、この巨大なトランザクションにチョイとマネタイズしてやれば、すぐにでも莫大な利益となることを市場が知っているからか?(2023/05/28追記:Amazonの利益はAWSです)
しかし、課金した瞬間に客がヨドバシに大移動したらどうなるか。出るはずだった利益は絵に描いた餅になりはしないか?
そんな事がふと頭をよぎったが、どちらにせよ僕のようなグレートな投資家がアマゾンの株主になる事は生涯ないだろうから、無駄なことは考えないことにしよう(2023/5/28追記:3年後に一時買いました)。
さて届いた電球を手に取る。僕は商品の取説は読む方だ。この商品の寿命は4万時間だそうだ。
4万時間…。一日中キッチンの照明をつけることなど無かろう。せいぜい使って一日2時間か。
するとこの電球の寿命は2万日以上。つまり54年だ。54年後か…どう考えても僕の余命より長い。
「この電球が切れるときにはもう俺はこの世にいないんだな」と思うと、僕の寥々な心はたちまち暗澹たるものとなった。
僕は何かを成し遂げただろうか?そんな事を考えながら電球をはめ込み、ガタつきをチェックした後、僕は脚立をしまった。
…
それからたったの一年後、その電球はきれた。原因は基板不良。パナソニックで全数交換だそうだ。
4万時間どころかエジソンの電球より持たねーじゃねーか!!
くだらん事考えて損したわ。
そして俺はまだ生きている。俺は電球に勝ったんだ!
2017/11/09
クソ株界の超新星・GEは買いか?見送りか?
米株個人投資家の間でホットな銘柄・GE。自分も保有するこの株が、直近ダダ下がりしてクソ株化してしまった。今では減配とかダウ平均から除外とかいう話まで出ている始末。
GEの不調は9月ごろから何となく感じていたが、仕事にうつつを抜かしているうちに損切り機会を逸してしまった。それでどうしたもんかと悩んでいたところに、タイムリーにもZAIオンラインにて米国株投資家の間で有名人?の広瀬氏による詳細記事の寄稿を発見。ありがたい。
さっそく確認すると意外にもポジティブな内容。GEの復活は意外と早いだろうというものだった。
広瀬氏ほどの人が言うことなら取りあえず数字に関しては丸呑みしても大丈夫だろうし、見解もまあ客観的だと思うので普段なら安心してホールドを決め込むか、買い増しに出動する場面だが…実は今回はちょっと引いた。
私は記事中の「凡ミス」というワードに只ならぬ違和感を感じザワザワしてしまったのだ。
私の基本スタイルは急落した株を拾うことだが、同じ急落でも垂涎ものもあれば、臭すぎて距離を置きたくなる場合もある。
私にとって良い急落とは、ズバリ外部要因のとばっちりを受けて下がってる場合だ。
例えば不景気で不可抗力的に業績悪化して下がってる場合がそう。
また、会社には何の落ち度もないが大株主の都合による需給要因で下がってる場合などは最高。アリババを購入した時がそうだった。
一方、臭い場合とは内部要因で下がってる場合で、事業が陳腐化してきてるのに有効な対策が打ててないとか、経営効率がなんか下がってきたとか、そう言う系だ。
今回のGEはもちろん臭い方。特に広瀬氏の記事中の「凡ミス」というワードが私にとってクサすぎる。
というのは時価総額が50億円程度のマザーズ銘柄ならともかく、数兆円クラスの巨大企業で本来は凡ミスなどは起こらないものなのだ。
そこそこ大きな企業で働いた経験のあるビジネスパーソンなら分かるかと思うが、巨大な組織で1事業部門の長となる人物は基本的にはデキる奴だ。そりゃ社内ではいろいろディスられてはいるだろうが基本的にはあまりミスしない、打率の高い人物。
さらにその部門長を支える優秀なスタッフもおり、万一ボスがミスりそうになっても被害が出る前に的確な情報提供と提案を行なってカバーする。
組織が機能してる会社とはそういうもので、そもそも「凡ミス」というのは起こらない。そうでなければ会社なんて10年も持たない。
良い会社でも未来のことは誰にも分からないので事業で失敗することはあるけど、必死に考えた末の失敗は「凡ミス」とは性質が違うものだろう。
それに引き換え今回のGEはどうか。これは失敗に対するフェイルセーフ機能が弱まってるのではないか。こういう場合は東芝の如く次から次へと悪いニュースが出てきやすい。
もっとも「凡ミス」とは広瀬氏の個人的な見解であるので、当事者からしたら実際は事情が違うかもしれない。
ただこれだけ外部環境が良い中で経営指標が悪くなっている訳だし、やっぱり「凡ミス」という見解はそう見当外れでもないだろう。
GEの不調は9月ごろから何となく感じていたが、仕事にうつつを抜かしているうちに損切り機会を逸してしまった。それでどうしたもんかと悩んでいたところに、タイムリーにもZAIオンラインにて米国株投資家の間で有名人?の広瀬氏による詳細記事の寄稿を発見。ありがたい。
さっそく確認すると意外にもポジティブな内容。GEの復活は意外と早いだろうというものだった。
広瀬氏ほどの人が言うことなら取りあえず数字に関しては丸呑みしても大丈夫だろうし、見解もまあ客観的だと思うので普段なら安心してホールドを決め込むか、買い増しに出動する場面だが…実は今回はちょっと引いた。
私は記事中の「凡ミス」というワードに只ならぬ違和感を感じザワザワしてしまったのだ。
私の基本スタイルは急落した株を拾うことだが、同じ急落でも垂涎ものもあれば、臭すぎて距離を置きたくなる場合もある。
私にとって良い急落とは、ズバリ外部要因のとばっちりを受けて下がってる場合だ。
例えば不景気で不可抗力的に業績悪化して下がってる場合がそう。
また、会社には何の落ち度もないが大株主の都合による需給要因で下がってる場合などは最高。アリババを購入した時がそうだった。
一方、臭い場合とは内部要因で下がってる場合で、事業が陳腐化してきてるのに有効な対策が打ててないとか、経営効率がなんか下がってきたとか、そう言う系だ。
今回のGEはもちろん臭い方。特に広瀬氏の記事中の「凡ミス」というワードが私にとってクサすぎる。
というのは時価総額が50億円程度のマザーズ銘柄ならともかく、数兆円クラスの巨大企業で本来は凡ミスなどは起こらないものなのだ。
そこそこ大きな企業で働いた経験のあるビジネスパーソンなら分かるかと思うが、巨大な組織で1事業部門の長となる人物は基本的にはデキる奴だ。そりゃ社内ではいろいろディスられてはいるだろうが基本的にはあまりミスしない、打率の高い人物。
さらにその部門長を支える優秀なスタッフもおり、万一ボスがミスりそうになっても被害が出る前に的確な情報提供と提案を行なってカバーする。
組織が機能してる会社とはそういうもので、そもそも「凡ミス」というのは起こらない。そうでなければ会社なんて10年も持たない。
良い会社でも未来のことは誰にも分からないので事業で失敗することはあるけど、必死に考えた末の失敗は「凡ミス」とは性質が違うものだろう。
それに引き換え今回のGEはどうか。これは失敗に対するフェイルセーフ機能が弱まってるのではないか。こういう場合は東芝の如く次から次へと悪いニュースが出てきやすい。
もっとも「凡ミス」とは広瀬氏の個人的な見解であるので、当事者からしたら実際は事情が違うかもしれない。
ただこれだけ外部環境が良い中で経営指標が悪くなっている訳だし、やっぱり「凡ミス」という見解はそう見当外れでもないだろう。