2023/06/14

ぼくが投資で3億ためてFIREした話 〜2002年 転職~

 


〜〜〜 2002年 転職 〜〜〜

ぼくは田園風景の中をひた走る電車の中に居た。車窓に流れる景色を眺めながら、ぼくの心中は大きな違和感に襲われていた。まだ何も始まっていないにもかかわらず「俺は何か大きな間違いを犯したんじゃないだろうか?」という不安にかられていた。

その日、東京の会社から関西の会社に転職が決まっていたぼくは、新しい会社の健康診断を受け、ついでに引っ越す予定の社宅の見学に行った帰りだった。

転職先の会社は前の会社よりは規模が大きく業績も良かった。にもかかわらず見てきた社宅はボロボロで、とてもそんな好業績の会社の社宅に見えなかったのである。ただ、違和感の正体はそれではなく、何かもっと闇深い、得体の知れないものだった。

 

ところでこの会社に転職することにしたのは前の会社の業績が怪しくなったからだ。前の会社は小さいながらもオフィスは一等地だったし、チームが上げた実績に応じて年1度報奨金を配るパーティーがあったりと、少し派手目な会社だった。場合によってはチームに1億円の報奨金が配られることもあった。

しかし、業績が芳しくなくなるとそういった派手なイベントはなりをひそめ、それどころか社員の3分の2を解雇するという全く逆の事態に陥っていた。ぼくはその3分の2には入らなかったのだが、ここにいても先はない、と感じ転職することにしたのである。

 

新しい会社はそういう派手さは無いものの、ベースとなる基本給が高いのと、残業代やその他の手当についても非常に手厚い会社だった。ぼくは派手な一発逆転のワンチャンスは大好きだが、前の会社でその惨状を見てきたため、結局は堅実な会社の方が良いと考えて転職することにしたのだった。

それはわかって転職したのだが、まがりなりにもあれだけ業績の良い会社の社宅なのだから、社員に気持ちよく働いてもらうために少しくらいリフォームしても良いのではないか、と思うレベルのボロボロさだった。

しかしまあ、業績が良いからといってすぐに散財せず、質素謙虚に事業を進める社風だからこそ今の業績があるのかもしれない。帰路の新幹線の車中でそんなことを思いながら、ぼくは関東の自宅に戻っていった。

【次回へ続く】

最初から読む


面白かったら是非↓からいいね!コメント等なんでもくれたら嬉しいです!