2007/09/05

思考のたな卸し

本格的に株投資やろう!と一念発起したのが約3年前。本、ブログ、セミナー・・・ありとあらゆる情報を求め取捨選択し、膨大なそれらの情報を咀嚼して、現時点でこれが答えか?と思っている事を書きます。

なぜ書くのかと言うと書くと頭が整理されるんですよ(´ー`)。
それに、最近頭がいっぱいになって、ここらでいっぺん頭の中のものを書き出して、空っぽにしないと新しいことが考えられなくなってしまったのだ。

それではつらつらと書き綴りたいと思います。長文注意。。。

【結論】
ずばり、株は以下の2点に集約される。
  1. 何を買うか?
  2. いくらで買うか?

「1、何を買うか?」は以下の条件による。
  • 成長している市場で(パイの広がっている市場で)
  • 堀の深い、継続性のあるビジネスで(シェアを高めている) 
  • 効率の良い経営を行う企業(社長に価値を高めるリテラシーがある)
(さらに以下に該当すればなおGood)
  • 成長している国の(国自体のパイが広がっている)
  • 高い配当性向の企業

そして「2、いくらで買うか?」は以下の手順で目処をつける。
  1. その企業の持つ資産を調べ
  2. 将来稼ぐであろうキャッシュフローを自分で予想し
  3. それらの現在価値を合計し
  4. 1株当たりのフェアバリューを求め
  5. 少なくともフェアバリュー、できればそれ以下で買う

【通常時にすること】
この条件を満たすものを通常時に探しても、はっきりいって「無い」。

それもそのはず、市場にはたくさんのプロがいて、彼らはいつでも割安な、ミスプライスされた株を探しています。そんな美味しい価格を自分ごときが発見するまで放って置いてはくれません。自分で発見できた気になったら、それはほぼ間違いなく「ワケあり株」です。手を出すとカモにされます。注意!

【嵐を待て!】
唯一、通常時に割安な株があるとすれば、それは「自分の目で見た、感じた情報」により割安と考えられる場合のみです。公式リリースされた情報は市場に即座に織り込まれます。突然出る買い材料を先回りすることも、また悪材料を避けることも不可能と考えていいです。

従って通常時にやること言えば、働いて得たキャッシュと持ち株が生む配当をプールすること、これはという企業を見つけてウォッチリストに入れておき、いくらなら買いたいか、の当たりをつけておくことくらいです。
それ以外は持ち株の業績とオペレーションが極端におかしくなってないかをたまに見るくらいでいいです。

それではどういう時ならこの条件を満たすかというと、主に2つある。
1つはずばり「パニック相場」。
その時の相場を見て「これは信用で買ってる奴全員逝ったな」と思えたら、おそらくその時です。

そしてパニック相場が来たら、まず冷静になります。深呼吸を1、2回くらいしても東証は15時まで閉まりません(ライブドアショックでは閉まったけど)。
落ち着いたらパニック相場の要因を調べ、ファンダメンタルを大きく毀損する要因でないことを確認します。

そしてウォッチ銘柄の価格をチェックして、狙った価格まで降りていたら迷わず全額突撃し、そうでなければ1/4ほど試し買いをします。その後下がったら1/4づつ買い下がっていきます。ちなみにこれ、読むとなんてことないですが実際やるとかなり怖いです。しかし、ここが投資家と投機家の分かれ目です。

2つめは、マクロ経済的に最悪な時で、企業業績の減益などが続出してる時。
このくらいのセンチメント最悪な時にならないと、いい株は安くなってくれないものです。

景気が悪くなる時のパターンはまず先行指標が怪しくなって株価が下がりだして市場の雰囲気が悪くなり、実際に減益などが続出するころに大底を迎えることが多いです。

なので、先行指標が怪しくなった時はまだ買うには早くて、実際に減益などが続出するころまで待つ必要があります。

【いつ売るか?】
売りは、他にもっと魅力的な投資対象が現れた時のみ、売ってその売却代金を投資原資にします。

騰がったら売る、というのはイケてない売り方です。なぜなら騰がった株を売ると手元にはまだ騰がってない株が残ります。これを繰り返して行くと手元にはボロ株ばかりが残り、最後にはボロ株コレクターになってしまいます(おまけにその時、売った株は大抵もっと騰がってます)。

従って通常時は暴落時に買った株と、それが生み出す配当を現金で持つことが多いです。

不況等で持ち株が全部下ったらどうする!という問いに対する答えは「気にしない」。着実に売上げと利益を伸ばす企業の株価は、それほど時間をかけなくても元の居場所に戻り、さらには将来性まで織り込んでいきます。そう信じます。

そもそも、好況のうちに売っておいて、不況になったら買い戻そう、なんて戦略は無理です。景気が悪くなるときは気が付いたら悪くなってるものなのです。相場では自分だけうまく逃げよう、なんてまず無理です。なぜならそんなことが出来るならみんなそうするに決まってますから。

従って不況の時にやることといえば、全部下がった持ち株の中からイマイチになったと思うものを売って買いたいと思っていた株と入れ替えることくらいです。

つまり、買った後はインデックスやマクロ経済については気にせず、その企業の数字だけを注視していればよいです。マクロ経済は買うときにだけ見てればいいです。

【まとめ】
・・・というのが散々考えた結論ですが、ここでふとバフェットのシンプルな言葉を思い出した・・・

「優秀な企業を、株価の方から訴えてくるくらいの割安の時に買いなさい」

(;゚ Д゚) … 結局これと同じではないか!

最初この言葉を知ったとき、「そんなの当たり前じゃん」と少し憤りを感じていました。
しかし散々考えまくった今、この言葉の裏の(真の)意味がよーく理解できるようになりました。
この言葉の真の意味とは・・・

「めったに投資チャンスというものは訪れません。だからこそ、訪れた時は思い切って投資するべきです。」

「それ以外の時は我慢できなければいけません」
(↑実はこれが一番難しい・・・)


こういうことだったのか・・・!

そういえばバフェットは「一生のうち投資するのは20回までにするべきだ」と言っています。
バフェットの場合は自分よりもっとガマンして、数年に1回しか投資しないわけですね。
「株の儲けの90%はガマン料」とはQ先生もいつも言ってるけど、これも今となっては腑に落ちて理解できます・・・。

「自分で考える」ことは確かに大事だけど、結局、結論はバフェットの言う通りになってしまいました。
なら少し疑問に感じてもバフェットの言うことを鵜呑みにするのも、こと投資に関しては悪くない戦略のようです。
やはり100万円を4兆円に増やした人間の言うことは伊達じゃない。


P.S.「1、何を買うか?」で配当性向を挙げましたが、成長企業の配当は企業価値の取り崩しであるから、ファイナンス理論的にはあまりよくないという考え方もあります。しかしあえて配当性向を求めるのは以下の理由からです。
  • 配当をプールしてパニック時に買い増す資金にするため
  • 高配当株は経験上、パニック時に明らかに下落ストッパーとして機能する。下落率が小さければウォッチ銘柄と入れ替えたい時、取得株数を増やすことができる。