2008/08/14

史上最強の投資信託、一口どうですか?

ロバート・キヨサキをはじめ、ネット見てると投信(アクティブファンド)がお嫌いな方は結構いらっしゃるようです。
嫌いな理由はいくつかあるようですが、まとめると大体以下のような感じだと思います。

まず第1にエビ養殖や、牛の共同購入みたいな怪しい投信は論外として、まともなアクティブファンドの平均値を調べるとインデックス(日経平均など)に負けているという事実。

インデックスに負けるだけならともかく、とある研究によると特定の日に猿に新聞の株式欄を見せ、いくつか指差した銘柄で組んだポートフォリオのその後を調べると、同期間の全ファンドの平均リターンに勝ってしまったそうです。

これは”金融工学のプロ”のファンドマネージャーでも平均するとインデックス程度のリターンを上げるのがやっとなのに年収○千万も貰っているため、その高給がコストとしてリターンを押し下げ、結果的にインデックスはおろか猿にまで負けるという笑えない事態になったらしいです。


第2に、ファンドのビジネスモデルは手数料ビジネスであって、ファンド側は上がろうが下がろうが関係無い、という点があります。
正確に言えば、上がって人気が出れば資金が集まり手数料も増えるからメリットはあるけど、成績を向上させようというインセンティブとしてはイマイチ弱い。


第3に、そもそもファイナンス理論を極めると、最もリスクあたりのリターンが大きいのはインデックス投資という結論になる、という点。


これらを総合すると、”真っ当な投資”をするなら最も低コストのインデックスETFを買ってひたすら長期間持てばよい、という結論になります。

しかし”真っ当でない高リターン”を望みつつ、でも自分で個別株を選ぶのは怖いという場合は、アクティブファンドを選ぶのは良い選択だと思います。下手にライブドアみたいな個別株に手を出して一発退場ということは避けられる。

また、例えば今自分が60歳だったら、”真っ当なリターンで長期”なんてしてる間に死んでしまうので、この場合もやはり”真っ当でない高リターン”でアクティブファンドに賭ける気持ちも分かります。

ですが現実は無情で、前述の通り平均的にはアクティブファンドはインデックスに負けているので、その望みは叶わない結果になることが多いです(払った手数料は夢料?)。


というわけで、アクティブファンド派の方々はショボ━━(´・ω・`)━━ンなのですが、かといって完璧に理論武装したファンドお嫌い派を論破するほどのアクティブファンドが有るかと言うと、、、

あるんだなこれが( ̄ー ̄)ニヤリッ

そのファンドとはズバリ、BERKSHIRE HATH HLD A(NYSE: BRK-A)。
これは米国の個別保険株ですが、実態は数兆円の資産を運用する投資会社です。

チーフファンドマネージャーは言わずと知れた「オマハの賢者」ウォーレンバフェット。
そしてこの投資会社の過去成績は数十年に渡ってインデックスを遥かに上回る年平均20%以上。

それでいて一般のアクティブファンドのように高給アナリストを何十人も雇って銘柄選択するのでなく、天才バフェット一人が毎日有価証券報告書をひたすら読みこむことがメイン。しかもバフェットの給料はたったの年収1000万円程度だといいます。このためファンドの運営コストは低い。

その上、自社株が割安と見るやいなや即自社株買いで株価維持。どこの投信で基準価額が下がったからと言って買い支えしてくれるでしょうか?神すぎ。

さらに、バフェット自身の私財のほぼ全部は彼自身が運用するファンド「BRK-A株」です。つまりファンドがコケて一番損するのはバフェット自身ということになります。投信で自身が私財のほぼ全部を(入れてもいいとしたら)自分のファンドに入れられるファンドマネージャーが何人いるでしょうか。

以上をまとめると、BRK-A株に限っては一般的なファンドダメ説はことごとく当てはまらないことが分かります。

第1の理由=パフォーマンスが悪い
→驚異的に高い

第2の理由=基準価額の上昇インセンティブがない
→バフェット自身が私財のほとんどをBRK株で持っていることから、この指摘には当たらない。

第3の理由=ファイナンス理論的にインデックスが一番のはず
→この長期的な運用成績の前には、理論が間違っていることを認めざるを得ない(そもそも金融工学を極めた人間が全員相場で大もうけして無い時点でファイナンス理論妄信の危険性は明白)

となり、否定する理由は見当たらない。
リスクとしてはバフェットの死亡がありますが、もともとバイアンドホールドなので今死んでも今後10年くらいは大丈夫でしょう。

で、なんでこんな話を今頃急に始めたのかというと、、、
つい1年前は割高すぎだったのが、サブプライムで高値からかなり下落して、今とってもいい値ごろに!

BRKA


これは10年に1回のチャンスかもしれません。どうです、一口いかがっすか?


P.S.
そんないいならお前が買えって?そりゃそうだ。
買いたいんですけど、現在1株115000ドル=1250万円。
そんな現金ないよーん♪ヽ(´ー`)ノ
(2023.6追記:今はBRK-B株で低額からバークシャーを買うことができます)

2008/04/10

100億持っててもその投資する?

この前書いた記事リスクとリターンのお話の通り、常にリスクとリターンは表裏一体ということを考えると、貧乏人がいつまでたっても貧乏人で、金持ちがますます金持ちになる仕組みが見えてくる。

すなわち貧乏人はタネ銭がないので一攫千金(ハイリターン)をたくらむ結果、ものの見事に玉砕(ハイリスク)し、オケラに。

そしてたま~にハイリターン派から、たまたま上手く行った人が出現し(宝くじだって当たる人いますし)、そういう人の本に影響を受けた貧乏人がまた一攫千金をたくらんで・・・以下無限ループ。
そして貧乏人は相変わらず地獄の釜の底を這いずり回ることに。。。

一方、お金持ちはというと、もうお金余っているので、別に焦ってないし、まあ適当に増えてくれればいいか、という投資なので(ローリターン)本当に利益が実現して(ローリスク)ますます資産が増える。そしてそれが複利のパワーによって化け物のような金額になって行く。

こうして、両者の格差はますます広がるのです。

この悪循環を崩す有効な手立てはないものか!・・・と考えると、私はこれを避けるには、たとえお金がなくても、お金持ちと同じ思考ができるような訓練をするのが有効だと思う。

すなわち、私は何かに投資しようとした時、「もし資産が100億あっても、自分はその投資をするだろうか」と自問してみることにしています。

そう自問すると、私の場合はもし100億持ってたらシストレとかティック抜きとかは多分やんないと思います。

せいぜい債券の分散投資か、相当リスクをとってもガチガチのキャッシュフローの見込める株(2023/12/16追記 インデックス投資も含む)を買ってほったらかし、がいいところだと思います。

もっともBNFみたいに資産150億になってもデイトレしてる人もいるし、デイトレが趣味!と公言して会社サボって家でデイトレ三昧の東証1部上場企業の社長様も実在するらしいのでまあ人それぞれですが、そういう人は「実際に100億あっても、その投資をしている」のだから、それはそれでよし。

というわけで、訓練としては「もし資産が100億あっても、自分はその投資をするだろうか」という自問は効果あると、勝手に思っています。

そう自問して「その投資しないよね」と思ったら、それは多分、自分が本来するべき投資ではないのでしょう。