2007/11/29

DCFって使えねぇよな!


企業価値算出においてエンタープライズDCF(以下DCF)は標準的な手法です。

そう世間で認められている一方で、「DCFはまったく使えない机上の空論」という意見もよく耳にします。
そしてそう言われる理由もまったくもって筋が通っていたりします。

その意見の根拠をかいつまんで書くとこうです。

DCFを勉強していくとすぐに大きな問題に気付きます。それはDCFでは企業価値=非事業用価値+事業価値としていますが、これを実際に計算していくと、大抵の企業は企業価値の6~9割位は事業価値に依存していることが分ります。

その事業価値はどう求めるかと言うと、将来フリーキャッシュフロー(以下将来CF)とそれを現在価値に割り引く際の割引率により決定します。将来CFとはまさに将来のその企業の業績そのものですから、正確な数字など誰にもわかりません。社長だって分るはずが無いものを外から見ているだけの私達が分るはずもありません。

また、割引率にしたって、数万人の株主のそれぞれが、その企業にどれだけのリターンを求めているかなど、正確に知ることなど到底不可能。そこで便宜上、ざっくりと求める手法があるわけですが、あくまでざっくりです。

ところが問題なのがこれをほんの1%変えるだけで、結果となる企業価値は激しく上下するのです。つまり、結果に強烈なインパクトを持つパラメータを正確に求めることができないのです・・・。

結果、それを使って出した理論株価はごくイイカゲンな値となり、こんなのまったく信用出来ねぇ~・・・ということになり「DCFで出した理論株価なんて絵に描いた餅」と言われるわけです。

この見事なDCFの完全否定意見、まったく突っ込みどころはありません。
が、ちょっとまった!

僕はそれには半分同意しますが、もう半分は同意しません。

なぜならDCF自体は理論的にはどう考えても正しい

��CFを使えなくしているのは、主に将来の不確定要素です。その証拠に将来CFの確定している債券などは、毎日キッチリ理論どおりの価格になっています(ていうか、債券価格で金利が決まる)。

とすると、もし将来CFがわりと予想範囲に収まりそうな安定企業の場合はかなり使える方法ではあると言えます。

具体的には電力会社等のキャッシュフローが安定してるインフラ系だとか、10年以上、業績予想をキチンと守ってきたような信用のある会社の場合は、その予想業績を使用してDCFを使うのはかなり有効のはず。実際、このような会社をバリュエーションすると、通常時は理論株価からほぼ20%程度の範囲に株価は位置しています。これは確かにDCFの理論が正しいことを証明していると思います。

そんな会社が市場全体の暴落などで、万一その範囲外に至ってまで安くなっていた場面では、DCFを知ってればかなり安心して買えます。

また、一般的にはDCFが使えない成長企業の場合は、こんな利用方法はどうでしょうか。

企業の一般的な成長過程は創業ステージ→成長ステージ→安定ステージですが、自分が目をつけた成長企業が今後どの程度の利益で安定化するか?を予想します。これは個人の単なる予想ですから、思い込みでかまわないと思います。いわゆる「アート」の領域です。

そして、その企業がその利益水準で安定ステージに入った場合、いくらの株価が妥当なのかを計算します。これは「技術・理論」です。

もし、今市場で付けられている株価が自分の描いた将来の業績での理論株価以上ならば、それは「自分の予想した未来」になってもまだ割高だということが言えるので、投資をやめればいいわけです。

逆に今市場で付けられている株価が自分の計算した理論株価以下なら、現在の利益水準では多少割高でも「自分の予想した未来」が当たれば大幅に株価は上昇する余地がある訳で「自分にとっては割安」なので買うという判断ができます。割安かどうかの判断にPER等が役に立たないのはこのような理由もあります。

もうひとつオマケとして、「自分の予想した未来」と現実が違ってきたら、即「損切り」のジャッジがためらい無く出来るというメリットもあります。

もしDCFを知らなかったら、もしかしたら今の株価が「自分の予想した未来」以上の業績まで織り込んでいるかもしれませんが、それに気付かず買ってしまうかも知れません。

つまり、自分の予想は当たってたのに損した・・・という事態が発生してしまいます。
これはDCFを知っていれば避けることが可能です。

以上のように、将来業績の予想という「アート」とDCFという「技術」の両方をバランスよく使うと投資はますます面白くなってきます。

でもその時にはきっと私と同じく株中毒になってると思うけど(;´へ`)・・・

このような理由で、私は頭ごなしにDCFを否定せずに、使えるところだけ有効につかったらいいんじゃないかと思います。


2007/11/25

ダイエット月間




ちょっと早いけど最終週末なので集計。


今月はた~っぷりダイエットしました!資産がですが・・・ガクリ

空売り&ノーポジ組みの皆さん、おめでとうございました(;´Д`)


株の値下がりも痛いけど、一番痛いのが実は円/HKDレート下落による評価損。HKDはドルペッグ制なので腐れ米ドルの下落がもろ直撃。かんべんして~・・・(>_<)

先月売った中国株の代金をそのままHKDで持ってたのでこれだけで数十万の評価損。


ベンチマークは日経▲10%、NYダウ▲7%、香港ハンセン指数▲13%、残高は▲5.4%でした。
はやく下げ止まって欲しいものですが、半年くらいはダメそうな雰囲気だな・・・。


さて、今月は何やったか思い出すと、また日本株300万円も買ってしまいました。このご時世に日本株喜んで買う阿呆(笑)。


だって安いんだもん。


とは言ってもさすがに日本株はおなか一杯になってきたので、この辺でぼちぼち買いは収束。冬眠モード発動。


中国株はやっと下がって来たので、ずっと買いたかった中国人寿とインフラ系を毎日見てるけど、下がったと言ってもまだまだ買いたい値段ははるか下。あと2~3ヶ月くらい今のような状態が続かないと買えないなぁ。。。それはそれで困るし、ん~ジレンマ。




ところで、街はもうクリスマスクリスマスツリー


ツリーの周りはカップルでいっぱいですが、最近よく見かけるのがショートパンツの女の子。こんなの↓


ショーパン


これ、寒くないのかな!?



2年くらい前に知り合いの看護士さんがはいてて、カワイイなーと思ってたら、最近もしかして流行ってる?



だとすると、あの子は相当トレンドを予見する才能があったと見た。



上がりそうな株聞いときゃよかった・・・(´・ω・`)


2007/11/23

チャートだけで株投資に成功する方法

のっけから安っぽい情報商材みたいなタイトルですいません。。。
こんなウリ文句の情報商材に3万円払うより、今日のこの記事のほうが価値があるかもしれません。しかもタダだし!(゚∀゚)。


さて、その方法の前に理由から書いてみます。


ファンダメンタル重視派は株価は長期では企業価値に収斂するので、チャートよりもまずは価値に着目することが肝要である、という考えの方が多いと思います。
一方、テクニカル派は、全ての材料は価格(チャート)に織り込まれているので、チャートを真面目に分析することが成功の近道であると訴えます。


僕はどちらかというとファンダ重視派ですが(為替はテクニカル派・・・(;^_^A)、チャートだけでも投資に成功できるのでは?と最近思います。


なぜなら、ファンダ重視派がいうように「株価は長期では企業価値に収斂する」なら、月足もしくは年足チャートくらいの長期になると、そのチャートは企業価値を表しているはずなので、それなら長期チャートが継続的に上がり続けているような銘柄を買えばいいことになります。


つまり、長期間に渡って継続的に上昇し続けるチャートとは、その会社が継続的に企業価値を増大している優秀さを表している訳で、チャートだけ見てやる投資も、実は理論的にも裏付けがあるのではと思います。
その結果、投資はチャートだけ見ててもOKと思うのです。


ちなみに「長期間に渡って継続的に上昇し続けるチャート」とは具体的にはこんな感じ↓です。
http://finance.yahoo.com/q/bc?s=BRK-A&t=my&l=off&z=m&q=c&c=%5EDJI 


ただし、注意点が2つほどあります。


1つは、くどいようですが、必ず長期チャートを見るということです。日足以下の短期チャートは誰かが大人買いしただけで作れてしまいます。
これではその企業の価値を反映しているとは言えませんので、ただのギャンブルになってしまいます。
偉大なる投機家ギャンもトレンドをつかむのに日足見るな、月足、年足見ろと言っています。ギャンは投機の神様なのに、経験則から自然と投資のキモも心得てたんですかねー。


2つ目は、いくらチャートだけでOKとは言っても、その会社の事業が時代に合わなくなっていないかは見る必要があります。社会は常に変化しているのであって、例えば今からレコードプレイヤーの会社に投資する人はいないでしょう。そんな会社のチャートがいくら過去30年にわたって上昇してても、買うには値しません。


そんなわけで、昔は分足~日足のチャートばかり見ていた私ですが、最近はもっぱら月足以上のチャートを重視しています。



おまけ。ギャン理論のページ見つけました↓

http://www.forex-traders.net/gann.html 




2007/11/20

日本マネー動く?



先日こんなニュースが出ていました。

半期の経常黒字、年度半期ベースで最高更新
 財務省が12日発表した2007年度上半期(4~9月)の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す経常収支の黒字は、前年同期比34・1%増の12兆4241億円で、年度の半期ベースで最高を更新した。




 このうち、日本の企業や個人が過去に行った海外投資の配当や金利収入などを示す所得収支は、海外債券の利子収入などが増え、22・5%増の8兆2085億円の黒字となり、半期ベースで最高だった。
 一方、海外とのモノの取引を示す貿易黒字は、自動車輸出などの増加で40・9%増の6兆3213億円の黒字と大幅に増えたが、5期連続で所得の黒字を下回った。日本が工業製品などの輸出よりも、海外への投資で稼ぐ傾向が鮮明になった。

いつの間にか、日本マネーが外に動き始めてたのか・・・。経済がグローバル化していく流れは止まらない。

今はまさに時代の変わり目で、10数年後にみんなが時代の変化を認めざるを得なくなった時、この変化に先に気付いてた人とそうでない人とでは、埋めきれない差が付いているかもしれません。

まさにアメリカ型格差社会。

ちょっと怖いですね。


2007/11/17

セミナーコンテンツ作成中です

最近冒頭でお知らせしていますが、何とこの私ごときが、この度セミナーでお話させて頂くことになりました!

パチパチパチ・・・

で、何やんの?とお思いになるのはごもっとも。

そこで内容を少々詳しく紹介しておこうと思います。
セミナーで話す内容は投資での常識、いわば投資の「運転免許」のような話にしようと思っています。

例えば、次の質問によどみなく答えられますか?
「満期まで後2年、表面利率1.75%、額面100万円、市場金利4.0%。この国債の現在の価格はいくらか」もし、大体分ってるけど「これでいいのかな・・・」と少しでも思ったら、このセミナーはうってつけです。

実はこの質問を解くのに必要な知識は僕だけが知っていることでは無く、一部の投資家とプロの人はみんな知ってます。私達は市場においてそうした人達ともわたりあっていかなくてはいけませんが、そんな時、相手が何を考えて投資行動をとっているのか?を少しでも理解していた方が有利ですよね。

また、この知識は投資においては最も重要な概念であり、不動産、債券、株式、企業買収にいたるまで、ほとんど全ての投資へ応用できるのもポイントです。

逆に、それだけみんなが知ってることですから、もしも自分だけこの知識を知らずに、又はぁやふゃなまま投資をしているとしたら、それはクルマで言えば無免許運転と同じような状態で危険です。
免許が無くてもクルマは動かせます(=売買はできます)が、そのうち必ず事故ります。

そしてクルマと投資の「事故」の違いは、投資では自分の事故は他人の利益になることです。
自分の事故で他人を笑顔にするのは悔しいですよね。

そんな市場の肥やしになるのだけはゴメンだ!と思われる方はこの機会に是非いらしてください。

以上のような極めてオーソドックスな知識をお伝えした上で、その知識をもって私が実際に自分のお金のほとんど全部を市場に突っ込んで、感じたことも含めてお話しようと思っています。
↑これがCPAとかMBAの人の話を聞くのとちょっと違う所ですね。

それでは皆様にお会いできるのを楽しみにしています!


2007/11/10

消去法

株式市場にはいろんな人がいて、誰もが日々、他人を出し抜くことに精を出しています。そのため、みんな少しでも自分が他人より有利な投資戦略で戦おうと常に考えています。
すると、投資戦略にはいろいろありますが、人がある投資戦略を選ぶ理由は自分はその戦略なら他人を出し抜ける!と考えているからなので、自然とその戦略はそれを得意とする玄人同士の主戦場となってきます。

従って、自分の優位性を何も考えずに、適当な投資戦略で投資するのは、ライオン同士が戦っている檻の中に1匹だけ羊が紛れ込むようなものですから、そりゃあ、あっという間に食われてしまいます。

そうならない為にも、自分の優位性を考えて少しでも有利、少なくとも不利でない(=フェアな)投資戦略を投資前に良く考える事は大事だと思います。

そこで代表的な投資戦略である投資スパンについて、デイトレ、スイング、中期、長期で、一体どんな人が有利な立場にいて、普通の個人はどの投資スパンで戦うのがベストなのか!?を自分なりに考えてみました。

まずはデイトレ。これは昔はディーラーがメインプレイヤーでしたが、2~3年前からネット証券のリアルタイム株価更新ツールが出てきて個人でもやる人が増えました。しかもコレでうまく凌いだ人が本とか出版したので、結構もうかるイメージはあります。

しかし、色々な情報を集めるとプロが使うツールと個人が使っているツールではかなり違いがあるらしいのです。
まず、プロが使う東証直結の端末は個人の使うリアルタイム株価更新ツールより「板乗り」が1~2秒ほど早いらしいです。

自分も半年くらいデイトレしたけど、とにかくスピードが要求されるデイトレで1秒は大きい。特に損切り時はこれは重大なハンデとなります。
さらに、個人のツールでは見れない上から下まで全注文の板が見れるというオマケまであるそうです。

一方個人が有利な点を探すと、ディーラーは取引が厳しくチェックされていて、自由度は個人の方が高い時もあるそうですが、取引額が大きくなったらどうせ個人でもマークされるだろうし、あんまり変わんないかも?と思います。

ということでトータルで考えると、僕はデイトレはイマイチ個人に優しくないなぁと思いました。

※ちなみにそんな逆境をものともせず勝ち続けるひろ師匠 は純粋にスゴイと思います。

では次。スイング。

一泊二日~数日で取引を完結する「スイング」。これはどうかというと、これはデイトレのような分りやすい不利さは特に思いつきませんでした。が、ヘッジファンド、外人とか、BNFとか(笑)の資金の多いプレイヤーがやや有利かと思われます。なぜなら、ある程度自分達の売買で相場を握れる立場にあるので、降りどころは把握しやすい。
一方、個人だから有利という点も・・・同じく特に思いつかないので、自分みたいなゴミ投資家にとっては「微妙に不利」な戦略?なのでこれも僕的にはパス。

※ちなみにそんな逆境から財をなしたスイングトレーダー・ひろっぴ師匠 とBNFはやっぱり凄いと思います。

じゃあ、中期(ポジショントレード)はどうか。

1年程度の投資スパンで業界や会社を分析し、よさそうな所に投資するという、まさに投資の王道のようなこの戦略。メインプレイヤーは投信などのいわゆる投資のプロになると思います。この領域で個人で戦う合理的な理由は果たしてあるのか?

これも僕はパス。だって勝てる気がしないもん!

ココには、僕より優秀な頭脳を持つ人間が明らかに多数存在。その上そいつらが集団になって、僕より時間を掛け、特定のセクターだけを深く数年間も研究し続け、時にはその立場を利用して経営者と直接対談の機会も持ち、そして出したコンセンサスに勝てるかというと・・・無理無理┐ (´・ω・`) ┌。

じゃあこいつらが運用する投信買えばいいんじゃね?と思うも、実際の運用利益に対し、彼らがもらう給料等の経費や会社の儲け分比率が異常に高いのが投信の罠。彼らは優秀でよく働くけど、報酬もしっかり貰います。
その前に彼らは運用で損しても、投信はフィービジネスですから彼らは絶対損しません。手数料2%と一口に言っても、1億運用したら、毎年200万円が手数料ですよ・・・ちょっとな。

というわけで、コレもイマイチ気がすすまない・・・

最後に残った長期投資。

バフェットやQ先生をはじめ、偉大な投資家も多く居るコレはどうか。

ここにはいわゆる1年区切りでの結果を求められるような「プロ」はあまりいません。1年で結果出さなきゃいけないのに、2~3年後のことなんて考えても仕方ないし、そして何よりも、

「そんな先のこと誰にもわかんねぇよヽ(´ー`)ノ」

というのが大きな理由だと思います。彼らは基本的に「技術的に」自分たちが有利な戦略でしか戦いませんから、不確定要素の高いこの戦略は好まないです。

一方この戦略において個人が有利な点はあるのだろうか?

先のことが分らないのは個人にとっても同じなので特に有利ということは無い。
しいて言えば、1年単位での利益確保を強制されないので落ち着いて投資できることと、このくらい長い時間になると、その間に企業自身が創造する価値の増大分(=プラスサム)の恩恵にあやかれることくらいですが、別にこれは個人に限ったことではない。

かといって、この戦略には不利な点があるかと言うと、それも思いつかない。
結局この戦略はプロも個人も有利不利ない(=フェア)と思います。
ということは他の戦略には不利な点が見られるだけにコレが一番マシなのだろうか?

しかしこの戦略で儲けるためには、数年後の社会はどうなっているのか?という、誰にも分らない未来を想像し、当てることが必要。これは理論・学問・技術のどれでもなく、もはや「アート」の世界と言える。
結局、投資とは未来というキャンバスに絵を描くアートなんでしょうか。

もちろん、個人でも不利を承知でいろいろな戦略を取るのは「有り」だと思います。あえて逆境の中に飛び込んで勝つのはドラマとしても面白い。けど、投資でそれをやるのは資金が増えれば増えるほど代償が大きいと感じるので、僕はそういう欲求は他で安く満たして、投資では止めておこうかな・・・と思いました。







2007/11/03

市場参加者のコンセンサス

株価は時価総額を発行株式数で割ったものですが、その時価総額を担保しているのは何かというと、その企業の株主価値です。

そのため、株主価値算定のやり方を覚えると、その企業のおおよその「理論株価」を求められます。

株主価値の算定方法を正確に書けば

「当該企業が保有する非事業用資産-有利子負債+当該企業の将来キャッシュフローの現在価値の総和」

ですが、意味わかんねぇよ!ヽ(`Д´)ノという声が聞こえてきそうなので普通の言葉で言い直すと

「今もってるお金-借金+将来稼ぐお金の現在価値」

です。ちなみに現在価値の求め方はコチラ

式だけだとイメージわかないので、具体的な例を挙げて1つやってみます。
以下のような財務状況のA社があったとします。

現金 100万円
負債 50万円
純利益 20万円

A社は成熟企業だとして、この業績が当面続くと考えた投資家にとってのA社の株主価値はどうなるか計算してみます。すると、

今もってるお金=現金-負債=50万円

将来稼ぐお金の現在価値=
1年後 20万円→18.6万円
2年後 20万円→17.4万円

20年後 20万円→5.1万円
(20年後以降は現在価値が小さくなり、影響が小さいので略)
1年目から20年目までの小計=211万円

となり、合計するとA社の株主価値は50+211=「261万円」ということになります。

A社の発行株式数がもし1株だったらA社の妥当な株価は261万円ということになり、もし市場価格が261万円より高ければ売ればいいし、安ければ買うのが合理的な投資行動といえます。

こうやって、スケールを縮めて考えると、意外に単純明瞭。概念の理解目的で書いてるので大分簡略化してますが、考え方はこれで合ってるはずです。

さて、株主価値を算定する目的はこうして理論株価を求めて、自分の投資判断の一助にするのが普通の使い方ですが、別の使い方も出来ます。

それは、特定の銘柄についての上記の計算式をエクセルに入れておき、市場が付けている時価総額に合うように利益をいじってみます。
すると今現在、市場参加者がこの会社の利益が将来どうなると思っているか?が分かります。市場参加者のコンセンサス利益水準ですね。

これが分かると、どんないい事があるのかというと、出たニュースがポジティブなのかネガティブなのか自分で判断できるようになるんですよ(´ー`)。

私が株を始めてから10年以上、つい最近まで誤解していたことがありました。
それはあるニュース、例えば「20%増収増益」というニュースが出た時、ある時は素直に暴騰し、またある時は「織り込み済み」とかで片付けられて株価は無反応、ひどい時は「材料出尽くし」ということで下がることがあるなど、株価がどうなるかなんて全然分からない、と思っていました。

これは上記の理屈を知っていて、株価がどれだけ成長性を織り込んでいるかを把握していれば、どうなるかは予想できるのですが、当時の私はそれを知らなかったので、ものすごく謎でした。

こういう謎をもって、よく「株は難しい」といわれますが、仕組みを理解してくると、株は難しいのではなく、奥が深いんだな、と思います。

また、この仕組みを知ったことが、FXメインだった私が株メインに変わった1つの理由でもありました。株の値動きはFXよりは納得できる部分が多いのです(あくまで一部分だけですが)

為替は出来高の9割が投機資金で実需は1割程度らしいですが、株はおそらくファンダメンタルを基にした投資資金のほうが多いのがその理由だと思います。
為替も株も同じ形式のチャートで表されますが、値動きはまったく別物と感じます。


P.S.
ちなみに、アホみたいに買われてる銘柄、最近だったらミクシィとか任天堂とかについて、市場参加者のコンセンサス利益水準を計算すると「ありえねぇー!」って数字が出てきて面白いですにこにこ。みんなの脳みそってバラ色なんだろなーって感じで微笑ましい(笑)。(ていうか、そんなこと考えないで買ってる人も多そうですけど。)