そのスクリーニングですが、昔の私はもっぱらPERやROEなどをキーにして割安成長株を探していました。しかしそれはだいぶ前にやめました。
探せばそういう条件に合致した企業はいつでもそれなりに出てきます。
でもそれが「自分だけが見つけた割安成長株」な訳ないんです。
その株がそういう条件であることは周知の事実で、その上で今の値段が安いと思う人と高いと思う人が市場でちょうど釣り合って付いてるのが今の株価なんです。
要するに全ては織込み済みなのであって「誰も気づいてない優良株」を発掘しようなどとは、ゆめゆめ思わないことです。
しなしながら、その逆の「みんなが知っていて私が知らない優良株」のあぶり出しとしてはスクリーニングは良いツールです。
私はGoogle Stock Screenerでよく安定配当株を探しますが、これを見つけるための手順は次のようなものです。
まず、Market capで分布図の下半分は切ります。
スクリーニングのキーにはPERやROEなど直近の業績で変化するものが多いのですが、こういうので絞ってしまうと決算のたびに出てくる銘柄がコロコロ変わってしまって長期投資用の銘柄は探せません。
次に、配当利回りを3%~6%で絞ります。この数字には結構、意味が込められています。
最低の3%というのは成長性を犠牲にしない範囲でギリギリ最高の配当利回りです。
普通、株において成長性を捨てなければ配当利回りは2%~3%がスイートスポットです。つまり配当利回り3%というのは高配当は欲しいけど、成長性も取りたい場合のギリギリの値なんです。
一方、天井の6%というのは、ここまでなら何らかのリスクを織り込んでいる、とはギリギリ「言えない」限界です。
探せば配当利回り10%とかいう株はいくらでも見つかりますが、そういう株には破綻リスクや株価を釣り上げて増資をしようとしていたりなど、何らかのリスクが織り込まれていると考えて間違いないでしょう。
また、配当利回り6%を超える株は、もやは成長は見込めないため株価は万年横ばいで、せいぜい景気循環で波が出来る程度です。
するとこういう株は長期的にはインデックスにも劣る可能性が高く、もはや株のメリットは薄いのです。実質的に購入の対抗馬は債券ということになります。
ですから、ここはバッサリ6%で切ってしまいます。
このようにして絞った後で、時価総額の降順でソートします。すると少しの時間ではそう簡単には顔ぶれが変わらない「まとも」な企業が残るでしょう。
ここから後は個別の企業分析になりますが、まずは上位20社くらい見て、その中からポートフォリオの重しになるような会社を数社選びます。
あとは暇を見つけて、スクリーニングで残った企業の中から、気に入った株を買ってもいいかもしれません。