2017/12/31

ビットコインの崩壊を考える

ビットコインですが、これはよくよく考えたら日本が世界の中心と言う、かなり珍しい投資対象ではないかと思います。

株はNYダウが下がった→日経が下がる、ということはあっても基本逆はない訳で、これはつまり米国が株のボスで、その他は舎弟という関係なんでしょうか。日本市場なんか最近は上海が下がったら一緒に下がったりして、本当に寂しい限りです。

為替についても基本はドルの都合が大きいです。例えば日本と米国が同時に同じだけ(利回りベースで)金融緩和したら、まずドル安になるんじゃないでしょうか。

商品については石油と金がメジャーですが石油は最近はシェール革命で米国も存在感が大きいですし、金も備蓄量は米国が8000トンでぶっちぎり1位です。ちなみに2位はドイツで3000トン、3位がIMFの2800トンです。日本は9位の700トンです。

債券については言うまでもない事ですが、米国債こそ正義でしょう。その他軍事力もぶっちぎりで米国が1位ですし、金と暴力を抑えて、まさに世界は米国無双。

そんな中、ビットコインは取引通貨の1位はJPYですし、もっと言えばビットフライヤーがその中でトップですから、そこに口座を持ってリアルタイムに情報がとれる日本人であることは、かなり優位な環境であり、こりゃならやらなきゃソンかと。



ところでこの新しい投資対象、食べてお腹が膨れるわけじゃないし、ゴールドのような工業的な利用価値もないし、今のところ便利に決済手段としても使えず、金利がつくわけでもない。

今はただ一部のコミュニティでは価値が認められていて、かつその価値が過大に評価されている絵画のようなものかと思います。
将来的に決済手段として確立すればダイヤモンドやゴールドのようなコモディティに近くなるかもしれません。

しかしながら今はバブルと思えるほどの高値ですので、古今東西のバブル崩壊のきっかけを調べています。

歴史に学べば、それは売り手の一定数が「あれっ?もしかして買手いなくね?」と不安に思えば、それだけで崩壊Goみたいです。

チューリップの時はペストが流行して人々が外出を控えた結果、取引所が閑散として売り手に不安が広がったのがきっかけ、という説もあるし、日本の土地バブルは総量規制から崩れだしました。

ビットコインがバブルだとするとまだ先は有る可能性は高いですが、上げで儲けるのは自分にはもう無理と思うので、下げの片道だけでも少し遊んでみようかとチャートを見て研究しています。

私はいろいろあって、基本的に価値の担保が希薄なものへの投資はチャートしか見ませんが、歴史に学んでこれから起きる事象が売り手の不安を呼ぶインパクトがあるかどうかを考えていきたいと思っています。


2017/11/27

資産1億円以上の富裕層になる倍率

日本で金融資産1億円以上の、いわゆる富裕層の割合は1~2%だそうです。

そして日本の金融資産の保有割合は高齢者層に偏っているので、その富裕層のうち若年層の割合は相当低いでしょう。すると30代・40代で富裕層なのは、ざっくり言って数百人に1人くらいじゃないでしょうか。

さらに相続などを除く、自分だけの力で富裕層になった人はもっともっと少ないはず。

それにしても数百倍とはなかなか狭き門。
ぱちんこ屋に行って1回転で大当たりを引く「お座りスタート」くらいの確率でしょうか。いやなかなか厳しい。ていうか普通は無理でしょう。

株クラスタにいると億り人なんて普通にゴロゴロいそうな気がしてきますが、冷静に考えると世間でそうそうお目にかかれるものではありません。しかし私は倍率でビビることなんてないと思うんです。

たとえば受験。今は定員割れで苦しんでる大学も多いようですが、私の世代ではまだ人が結構多く、有名大学の人気のある学部は15倍くらいの倍率でした。

数字だけ見るとこれは狭き門ですけど、ここでこう考えるんです。
15人のうち、半分の7人は記念受験でロクに勉強もしてない奴だからいないのと同じ。

残り8人のうち4人くらいは、試験会場の緊張感と事前に見た倍率にビビり、どうせ「ぐにゃぁああ」となってるに決まってる。結果、自分に負けて実力を発揮できずに自滅。

さあ残り4人になりました。こいつらは本当の敵です。

しかし勝負は時の運なんです。このうち2人は今日はツイてない
今日はたまたま苦手な問題ばかり出題されて不合格。残念!

こう考えると、あら不思議、15倍が実質2倍になったじゃないですか。これならなんとかなりそうでしょ?

こう考え、私は普通に落ちました。



結婚もまったく同じです。
女優の吉永小百合さんが結婚した時、世の男性は地団駄踏んで悔しがったそうです。

さすがに私の世代の話じゃないのでリアルタイムでは知りませんけど、結婚相手がジャガイモのような顔の43歳、15歳年上のバツイチリーマンだったからだそうです。

あんなのが吉永小百合と結婚できるんなら、俺でもできたかも、という感じでしょうね。
あまりにも美人すぎて、数々の戦士たちが自滅していった光景が目に浮かびます。



就職も同じ。

人気企業になると数百倍の倍率がありますが、受験と同じスキームで実質10倍くらいまで下がります。

ただ10倍だとまだ結構キツイので、何かもう1段階カマさないと突破できません。ポイントは面接側の立場に立って考えることです。あいつらどうせリーマンなんですよ。

リーマンはボスに説明するときに分かりやすい理由が必要です。決して「自分は彼がいいと思う」なんていう主観的な意見は言えないんです。

すると、何か相手がボスに説明しやすいネタを用意してやればいいんです。そのネタを嫌われないように面接官にインストールできたらかなり有望でしょう。あとは相性ですね。

まあ私は就職は「理念の一致」が一番だと思うので、倍率数百倍の人気企業に入るのがいいとは思ってませんが。


このように一見高倍率の勝負に参加するときは、私は他人と同じ土俵に上がるのが一番嫌です。違う軸で攻めていけば競争者はいない訳ですから、あとはその軸の価値をいかに相手に伝えるか、が最もフォーカスすべき課題かと思います。

投資で富裕層になる時も、考え方は同じでしょう。
今はまだ指数買って放っておけばお金が儲かりますが、そのうち日本の主婦が米株のインデックス投資とか言い出したら私は即、投資から足を洗います。

だから私は金融庁の投資家教育とか、余計なこと言わんといて!と内心思っています。

2017/11/14

自分に向いてる投資本は人それぞれ

昨日の話の続きですが、じゃあ危険だけど投資にチャレンジしてみよう、と思ったとします。
すると問題になるのは教科書選びです。

クルマの運転の教本の内容はまあ正しいですが、巷で売ってる投資本は嘘だらけなのです。いや正確に言うと自分にとって正しい投資本以外は嘘本、という所でしょうか。

世間を見ていると成功している投資家というのは不思議とその人に合ったスタイルでないと勝てないようなのです。

売りが得意な人は買いではどうも負けますし、チャート命のスイング投資家に長期投資をやれと言っても余計なお世話なので、そういう人達にバフェットとかインデックス投資の本を薦めても無意味というものです。

これは投資手法の優劣というよりは、当人の性格が多分に影響するのではないかと思っています。

すると全くの初心者が自分にあった投資本を探そうとしても、そもそも自分がどういう投資スタイルが合っているか分からないので、全く五里霧中ということになります。
それでも投資道に突き進むなら、ほとんど全てのスタイルを試してみる必要があります。

こんな状態から入る訳ですから、自分に向いたスタイルを見つけ、さらに安定して利益まで出せるまでになった投資家は、相当なドMの変態と言えるんじゃないでしょうか。

私の場合はモチベーションでなんとかこの困難を乗り越えましたけど、かなり犠牲も払った気もします。

今でもふと「これで良かったのか?フツーに酒飲んで、同僚とグチっていた方が楽しかったのかもな」と思うことがあります。


まとめると、初心者だから教科書が欲しいのに、正しい教科書を選ぶのには相当な知識が必要というのが投資における最大の関門です。

これから投資を始める方は、自分に合っている投資本は人によって違うので、まずは広く浅く気楽にトライしてみるのをお薦めします。そういう意味ではビットコインの短期投資とかでも全然OKだと思います。

ただし、試しにやる時はごく少額でやってみる事だけはどうか守ってください。

2017/11/13

投資は危険物


投資はある意味、危険物です。クルマのようなものだと思います。

クルマはうまく使えば早く目的地に着きますが、予備知識なしに運転すれば事故ります。
そのためクルマの運転には免許が必要ですが、自己資金の運用には必要ありません。

それで予備知識なしで投資して致命的なダメージを被るチャレンジャーが続出するので、身近でそういうのを見た人は「投資=危険」という固い信念が出来上がります。

結果的に世の中はクルマという便利なモノがあるのに、頑として自分では運転しない人だらけのような事になるわけです。

でも、それだけならタクシーやバスを利用すれば文明によるベネフィットにはあやかれます。
しかし日本においては投資におけるタクシーやバスにあたる「投資信託」は、ユーザーが受け取るベネフィットとほぼ同等の手数料を要求してくるので、ユーザー側にあまりメリットが無いのです。

そのため一旦は投資に興味を持った人でも大体この辺までの経験すると「やっぱり投資はやめよう」となってしまうのではないでしょうか。

インデックス投資家はそこを乗り越えて、手数料<ベネフィットとなるバスを見つけた人でしょうか。

個別株投資家はもっとマニアックで、改造車を作って自分でレースに出て喜んでいるようなクルマオタクですかね。

文明の利器を頑なに拒んで歩くもよし、ぶらりバスの旅を楽しんでもよし、改造車で事故ってもよし、です。

2017/11/12

二階建て

株の世界で2階建てと言えば、ある株を担保にしてさらに信用取引で同株を買う事です。これは元の株の値動きの何倍もの損益になるので、一般には危険とされます。

同様に世の中には様々な2階建てがあります。例えばある会社に勤めながら自社の持ち株会に入った場合、会社の業績が悪くなればボーナスも下がって資産も減る訳で2倍損します。

株式投資をしながら、それをネタにしたブログやHPでネット収入を得るのも2階建てでしょう。株が下がったら大損しますしアクセスなんて簡単に1/10位になって、収入なんて吹っ飛びます。

なので安全を重視するなら、そういう逆境が来ても耐えられる確実なキャッシュフローが期待できる収入源が必要です。労働収入・配当収入・不動産収入はまあまあの収入源だと思います。


でもそういう風に考えるのは少しジジくさい。

例えば道を歩けばクルマにひかれるかもしれないと言って、生まれてから死ぬまで家に閉じこもっている人はいないでしょう。

リスクなんて減らすことは出来てもゼロには出来ないんです。それならうまく付き合うしかありません。

だから2階でも3階建てでもなんでもやって、稼げるときにバッと稼いで流れが悪くなったら冬眠したらいいんじゃないでしょうか。

2017/11/11

54年後の事を考えたが無駄かもしれない

2016年のある日、僕は憂うつな気分になった。キッチンの電球が切れたのだ。
キッチンの電球交換には脚立が必要なんだ。こんな面倒なことはない。

そこで将来に渡りこの手間をなるべく減らすべく、少々値が張るがLED電球を買う事にした。

早速、僕はPCを開いてアマゾンにアクセス。まあ近所の量販店よりは安い。だが僕はすぐにはポチらない。

そう、今はヨドバシドットコムの方が安いのだ。
送料無料時代にアマゾンに洗脳され、そのワイドモートに取り込まれた輩はそのままプライム会員になってるだろうが、そんなまんまとアマゾンの思う壺に嵌るようじゃ投資家失格だ。

僕は残念ながらそんなアホじゃない。アマゾンで大体の相場をチェックした後、迷う事なくヨドバシをチェック、ポチった。

翌日、商品が早速届いた。ヤマトの問題があってからアマゾンの翌日無料配送はプライムのみになったが、ヨドバシは今でも基本サービスだ。
多くの国民がこの事実をしったらどうなるだろう?

そもそもアマゾンは物販では利益を出していなかったはずだ。にも関わらず株価が高いのは、この巨大なトランザクションにチョイとマネタイズしてやれば、すぐにでも莫大な利益となることを市場が知っているからか?(2023/05/28追記:Amazonの利益はAWSです)

しかし、課金した瞬間に客がヨドバシに大移動したらどうなるか。出るはずだった利益は絵に描いた餅になりはしないか?

そんな事がふと頭をよぎったが、どちらにせよ僕のようなグレートな投資家がアマゾンの株主になる事は生涯ないだろうから、無駄なことは考えないことにしよう(2023/5/28追記:3年後に一時買いました)。

さて届いた電球を手に取る。僕は商品の取説は読む方だ。この商品の寿命は4万時間だそうだ。
4万時間…。一日中キッチンの照明をつけることなど無かろう。せいぜい使って一日2時間か。
するとこの電球の寿命は2万日以上。つまり54年だ。54年後か…どう考えても僕の余命より長い。

「この電球が切れるときにはもう俺はこの世にいないんだな」と思うと、僕の寥々な心はたちまち暗澹たるものとなった。

僕は何かを成し遂げただろうか?そんな事を考えながら電球をはめ込み、ガタつきをチェックした後、僕は脚立をしまった。







それからたったの一年後、その電球はきれた。原因は基板不良。パナソニックで全数交換だそうだ。


4万時間どころかエジソンの電球より持たねーじゃねーか!!


くだらん事考えて損したわ。

そして俺はまだ生きている。俺は電球に勝ったんだ!

2017/11/09

クソ株界の超新星・GEは買いか?見送りか?

米株個人投資家の間でホットな銘柄・GE。自分も保有するこの株が、直近ダダ下がりしてクソ株化してしまった。今では減配とかダウ平均から除外とかいう話まで出ている始末。

GEの不調は9月ごろから何となく感じていたが、仕事にうつつを抜かしているうちに損切り機会を逸してしまった。それでどうしたもんかと悩んでいたところに、タイムリーにもZAIオンラインにて米国株投資家の間で有名人?の広瀬氏による詳細記事の寄稿を発見。ありがたい。

さっそく確認すると意外にもポジティブな内容。GEの復活は意外と早いだろうというものだった。
広瀬氏ほどの人が言うことなら取りあえず数字に関しては丸呑みしても大丈夫だろうし、見解もまあ客観的だと思うので普段なら安心してホールドを決め込むか、買い増しに出動する場面だが…実は今回はちょっと引いた。

私は記事中の「凡ミス」というワードに只ならぬ違和感を感じザワザワしてしまったのだ。

私の基本スタイルは急落した株を拾うことだが、同じ急落でも垂涎ものもあれば、臭すぎて距離を置きたくなる場合もある。

私にとって良い急落とは、ズバリ外部要因のとばっちりを受けて下がってる場合だ。
例えば不景気で不可抗力的に業績悪化して下がってる場合がそう。
また、会社には何の落ち度もないが大株主の都合による需給要因で下がってる場合などは最高。アリババを購入した時がそうだった。

一方、臭い場合とは内部要因で下がってる場合で、事業が陳腐化してきてるのに有効な対策が打ててないとか、経営効率がなんか下がってきたとか、そう言う系だ。

今回のGEはもちろん臭い方。特に広瀬氏の記事中の「凡ミス」というワードが私にとってクサすぎる。

というのは時価総額が50億円程度のマザーズ銘柄ならともかく、数兆円クラスの巨大企業で本来は凡ミスなどは起こらないものなのだ。

そこそこ大きな企業で働いた経験のあるビジネスパーソンなら分かるかと思うが、巨大な組織で1事業部門の長となる人物は基本的にはデキる奴だ。そりゃ社内ではいろいろディスられてはいるだろうが基本的にはあまりミスしない、打率の高い人物。

さらにその部門長を支える優秀なスタッフもおり、万一ボスがミスりそうになっても被害が出る前に的確な情報提供と提案を行なってカバーする。

組織が機能してる会社とはそういうもので、そもそも「凡ミス」というのは起こらない。そうでなければ会社なんて10年も持たない。

良い会社でも未来のことは誰にも分からないので事業で失敗することはあるけど、必死に考えた末の失敗は「凡ミス」とは性質が違うものだろう。

それに引き換え今回のGEはどうか。これは失敗に対するフェイルセーフ機能が弱まってるのではないか。こういう場合は東芝の如く次から次へと悪いニュースが出てきやすい

もっとも「凡ミス」とは広瀬氏の個人的な見解であるので、当事者からしたら実際は事情が違うかもしれない。

ただこれだけ外部環境が良い中で経営指標が悪くなっている訳だし、やっぱり「凡ミス」という見解はそう見当外れでもないだろう。


2017/10/14

【ちゃぶ台返し】株の利回りは7%【本当?】

企業が価値を創造するにはROIC(投下資本に対してどれだけ利益を出したかという率)がWACC(株主資本コスト率と有利子負債資本コスト率の加重平均)を上回る必要があります。

例えば1億円の投下資本で1年間に3000万円の利益を出す良いビジネスをしても、その投下資本の調達コストが3000万だったりしたら投資家は配当などの利回りはあるものの、その企業はそれ以上の価値を創造していないので株価は鳴かず飛ばずという結果になります。

つまり企業経営では利益率を改善してROICを上げることと同じくらい、WACCの資本コストを下げることも重要です。

そのWACCですが一般的には株主資本コストの方が高いです。
ということはですよ?この低金利のご時世、もし借り入れが出来るのであれば、目いっぱい有利子負債にした方がファイナンス的には企業価値は増大する事になります。

仮にROICが10%、株主資本コストが7%、有利子負債コストが3%で、有利子負債比率が50%であれば、WACCは5%となり(実際には税効果があるのでもっともっと下がる)、ROIC-WACCの5%が価値創造分となります。

この条件で、有利子負債を死ぬほど増やして比率を99%にしたらWACCは3%未満になり、ROIC-WACCのスプレッドがさらに広がって価値創造分が増大します。

エンタープライズDCFでは企業価値を“非事業用資産+事業価値”として見積もりますが、実際に計算すると企業価値のほとんどは事業価値が占めます。

事業価値は将来キャッシュフローの割引現在価値の総和なので、WACCが下がることで将来キャッシュフローの割引率が下がって割引現在価値がものすごく大きくなり、結果企業価値にとって大きな増加インパクトになります。

でも、これっておかしくないですか?
割引率はその企業に対するリスク認識ですが、借金を増やすほど企業のリスクは下がるものでしょうか?いやいや感覚的には受け入れがたい話です。これは単なる数字遊びではないかと。

まさにその点にフォーカスしたMM理論という「企業の資本構成をいじっても企業価値は変わらない」という理論があります。

これはあまり支持されていないのですが、私は感覚的になんかおかしいな、というのは結構な確率で正しいと思うので、個人的にはこの理論はアリだと思っています。

で、実はここ数年ずっとこの「なんかおかしいな・・・」という違和感が頭にありました。それを気づかせてくれたのがバフェットの「100年後にはダウは100万ドルになっている」という先日のニュース記事です。
私はこれを電車の中でツイッターで知って、以下のように考えました。

100年後に100万ドルということは、今2万ドルちょいだから100年で40倍ちょいか。すると、2→4→8→16→32→64で、100年で5回くらい2倍になるという事か。
100年で5回2倍になるなら、20年で2倍。すると、72÷20で利回り3.6%。

あれ?株式って7%とみんな言ってませんでしたっけ?

ということはつまり、バフェットは今後100年の成長率は過去の100年より半分になると言っている事に他なりません。

ここで最近モヤモヤしていた違和感が湧いてきまいた。

リーマンショック以後のニューノーマルでこれほど低金利が続いていて、企業はWACCを楽に下げることが出来、楽勝で企業価値を増大できるヌルイ環境が続いています。しかし、そんなに甘やかしすぎて、誰も文句を言わないのでしょうか。いや、そんなはずはない、やっぱ「なんかおかしい」。

そこで、もしかすると今後の100年では、株主資本コストが下がるのではないかと。そして、その下がった分は企業があまり儲けないことで、結果的に投資家以外に再配分される。

例えば過去数十年はROIC7%、WACC5%だった企業が、今後はROIC5%、WACC3%となるような感じです。投資家の期待利回りは以前より下がった株主資本コスト分になるので、株は今までより儲からなくなるのではないか。

私は資本主義の急所は持続不可能な格差拡大にあると思っていますが、これの解決策は税による再配分よりも、そもそも投資家の期待する利回りが下がれば、その格差拡大のスピードは大きく減退するわけで、こちらの方が私は有りうると思います。

もちろんそうなれば株だけでなく不動産その他もすべて期待利回りは下がるでしょう。

どういう経過を経てそういう新しいコンセンサスができるのかはわかりません。ひとつのシナリオとしては、このままダウが4万ドルくらいまで大した調整もなく上昇し、その後市場平均PERが30倍以上という時期が20年くらい続く。

すると「これでいいのではないか」という論が出て来て、ある時を境に誰もその状態を割高とは思わなくなる、というストーリーです。

投資家が期待する株式の利回りが今の半分の3.5%程度になることで、投資家が諦めた半分は、商品価格の低下や、労働者への賃金上昇などで価値が移転するのではないか。

株式の長期投資戦略は過去の株式の期待利回りが7%という事を拠り所としていますので、これが崩れると全てが崩壊します。

例えばインデックス投資で60歳でリタイアする計画が、実際には120歳くらいになってしまうかもしれず、大変です。まあ、そもそもインデックスに投資するだけで誰でも金だけ転がして暮らせるようになれる、なんてヌルイ話もまた私は「なにかおかしい、、」と思うのです。

そんな何も頭で考えて無い人が、格差社会の支配側になれるとは到底思わない。
バフェットの100年後に100万ドルの話は、そんなもろもろのモヤモヤの点が線でつながったような気がしました。

そう考えると、PERの調整が起きる次の2倍のダウ4万ドルまでは早そうなので、この最後のチャンスに乗ってポジションを増やしてもいいかもしれない、と思い始めました。


2017/09/24

【結論】タワマンに住んでみた結果

一年間タワマンに住んでみて、だいたい考えが固まってきました。
自分は将来タワマンには住まないことにしました!

理由はいろいろありますが、まず心理的なもので中高層階は災害時に怖いし、中低層階は自分の頭上に100mもコンクリートの塊があると思うと気分が悪いからです。
1年も住んでそこ?って感じですが、そうです、そこですw

次に経済的な理由ですが、タワマン以外でもタワマン同等の便利さを持つマンションがもっと安くであるからです。

結局、私がタワマンで便利と思ったベスト3は

3位「駐車場」

2位「駅直結」

1位「ゴミ捨て」

でした。

「駐車場」は、冷暖房の効いた所で呼び出して屋根のある場所で乗降できるのが便利なのですがタワマンでなくてもそういう物件はあります。

「駅直結」は濡れずにさまざまな商業施設に行けるのが重宝するのですが、実際行くのはスーパーとセブンがほとんどでした。
とすると、スーパー隣接マンションや、1Fにコンビニがあるマンションなどでも同様のメリットがあります。
それにコンビニは大抵のコンシェルジュよりもハイグレードなサービス施設です。

「ゴミ捨て」はタワマンでは各階の冷暖房効いた内廊下内で出来るので、雪の日も雨の日も暑い日も、楽勝で15秒ぐらいで捨てに行けます。
これ特に魚を焼いた日とか、すぐにゴミとバイバイしたいときに最高でした。
でもこれも玄関の前に放置しておけば管理人が持って行ってくれるサービスのついたマンションもありますし、なにもタワマンにこだわる必要もない。


良いタワマンは以上の条件を備えてはいるのですが、逆に言えば駅から少々離れた低層マンションでも条件に合うものを探して安く買えばいいのです。

眺望についてはよくメリットに挙げられるのですが、私はそれに何千万も払うなら、ヒルトンやベイコートクラブのような大衆的なリゾート会員権を買うか、いろいろな高層ホテルのクラブフロアに出かけた方がコスパが高いと思います。


あと、タワマンならではのデメリットもキツイです。
その筆頭が修繕工事でしょう。不動産は基本的に一点ものですが、タワマンはそれに輪をかけて一棟ごとに「作品」とも言うべきもので、テンプレの修繕工事はありません。こんなの30年後どうなるんでしょうか。

さらに住民の属性の幅が広すぎて、これじゃあ意見の収拾がつかないでしょう。中国人、投資家、老人、怪しい中年など、一般のマンション以上に揉めそうです。

管理費一つとっても、高額でも手厚いサービスにより資産価値を維持したい高層階住民と、コスト優先の低層階住民でのバトルがあったと、以前内覧したハイグレード物件の管理人から聞きました。
戸数も多いからなおさらです。これはもう関連法規の拡充を願うばかりです。

そして、住んで感じた意外なデメリットとしては「快適すぎる」という点。
もはや価値観の根本的なdisりになるのですが、こんな暑くも寒くもなく雨でも傘もいらないところで暮らしていると、人間まずボケます

私なんか1年住んでただけで、「俺本当に生きてんの?」という気がしてきました。これはヤバい。絶対ヤバい。人間、冬は寒くて夏は暑いのが当たり前なんです。

なお、よく「タワマンはエレベーターが来ない」という話を聞きますが、私の住んでいる物件ではそんなことは全くありません。大抵は10秒くらい、長くても30秒以内には来るので、イライラしたことは一度もありません。

そんなこんなで、まあまあ面白い1年でしたがタワマンはもう満腹なので、最近3~4千万くらいのテキトーな普通の低層マンションを買いまして、竣工する再来年に引っ越す予定です。


ということで、タワマンの住み心地をレポートするこのシリーズは終了です。



2017/09/20

【タワマン】パーティールーム

タワマンに限らず総戸数400戸もあるマンションならパーティールームという共有施設があると思います。スカイラウンジという名前の場合もあります。

私は2、3のパーティールームしか見たことがありませんが、まあどこも大体同じで、10数人程は入れそうなスペースにちょっとオシャレなテーブルにソファ、キッチンがあってウェーイ!できるという感じです。

が、これ私は利用アイデアが浮かびません。来客なんて多くても2~3人でしょうし、それなら自宅に上げてしまいます。

以前かなりハイグレードなタワマンの内覧に行った時に管理人さんに聞いた話ですが、パーティールームを使うのはいつも同じ人だったそうです。

そんでその人が何をやっていたのかと言うと、不特定多数の男女を集めて出会いパーティーのようなものを開催していたそうです。それも有料で。

今の時代にタワマンでパリピがウェーイ!か(;'∀')
ホリエモンの全盛期じゃあるまいし、お前ら20年前に生きてんなwと思いましたが、勿論そんなのが許されるはずもなく、当然ながら間もなく当の御仁は使用禁止とあいなったそうです。

だいたいそんな輩にしか利用価値がないのがパーティールームじゃないでしょうか。奥様方のお集まりはライブラリ(図書室)を借り切ってやっているようですし。

タワマンの住民の属性は本当に多彩で、品のよさそうな老夫婦、挨拶してもまず返ってこないシカト美人、わりとマナーのいい中国人、何してるかよく分からない中年(私と、ライブラリでいつも見かける同類とみられる約2名)という感じで、まあ一つの街の如くいろいろな人々がおります。

でもそのどの属性の方もパーティールームを有効活用するようなイメージが浮かびませんし、実際予約もあんまり入ってないようです。

この共有施設はいらないんじゃないでしょうか


2017/09/17

株は猿か犬のように買え

株を買ったとき、自分は誰から買ったのか意識することありますか?私はあんまりありません。

普段のお買いものでは売り手買い手は通常は1対1です。しかし株では何かを買う時に、売り手側には複数の思惑が入り乱れているはずです。

仮に今日ある銘柄を1000株買ったら、相対したのは500株はプロのファンド、300株は短期トレーダー、200株は現金が急に必要になったインデックス投資家かもしれないのです。
こんなので勝とうとしたら、普通のお買いものより難しいに決まってます。だって全員勝とうとしてるんだもの。


さらに為替はもっと難しい。

株はほぼ全員が儲けようと思って取引してるだけマシで、旅行者や貿易決済で為替取引する人は儲けようなんて考えないで取引しているでしょう。

こういう儲ける気がない人達の行動は、心が汚れた腹黒い人にはまず予想できません。
犬のように純真な心による取引の前には腹を真っ黒にしている山師や秀才は、大抵はやられます。特に大きく張った時ほどやられます。

これに対抗するには、もはや自分も心を綺麗にするしかないのではないか、と私は思っています。

結局、株なんてプラスサムの価値創造分程度しか最初から利益を期待せずに、優良企業をアホールドするのが一番手間に対する効果が高いんじゃないでしょうか。


追記: 普段は思惑が入り乱れていますが、これが揃うときがあって、それは暴落時です。売り手のほぼ全員が「つらい、とにかく今のつらさから解放されたい」と思っている時です。こうなると少し簡単になりますので、私は暴落が大好きです




2017/09/16

投資家がへそ曲がりになる理由

最近あるマンションのモデルルームに行き、価格表を見せてもらって驚きました。1フロアごとの価格差がでかい!その差なんと100万。

過去に見てきたマンションでは1フロアUP=30万UPくらいで、これが普通だと思っていましたので、一体どういう事だ??と大変困惑。

よ~く見ると、1F~5Fくらいまでは1フロアごとに100万高くなっていき、それ以上は段々と普通の価格差になっています。

んん~・・なんじゃこりゃぁ?
しばし呆然とし、そうか!と一つ仮説を思いつきました。

たぶん営業側としては、広告等で(3LDK75平米○○○○万円~!)というのはなるべく安く打ちたい。しかし一方で周囲の物件も高騰してるし、なるべく1棟での儲けは最大化したい、というジレンマの結果ではないか。

つまり1F~5Fで早めにベースアップしてしまえば、最低価格は低く抑えつつ、それ以上の階は矛盾なく高価格を付けることが出来、1棟全体としての販売総額は大きくなります。こういう戦略じゃないでしょうか。

営業トークとしても電柱や周囲の物件の屋根を抜けると高くなるというのは説得しやすいハズ。客が過去の相場を知らなければですが。

販売はとりあえず客をモデルルームにまで引っ張ってくるのが肝なんでしょう。ネットでも離脱前の最初のPV数は最も大事な指標ですよね。それと同じです。
モデルルームに来させる事さえ出来れば、あとは技で麻痺させて(笑)ハンコつかせるのが営業の仕事です。

クルマも同じで、トヨタ商法なんかモロそのやり口です。ベースのモデルは安いんですけど、普通に要る装備を足していくとあっという間にオプション代50万円くらいの見積もりを持ってこられますw

50万なんて普段ならみんなビビる額ですが、車の価格だとベースが百万単位なので、ディーラーで頭が茹で上がってる客は感覚が麻痺して判子ついちゃうw。車載地デジなんて10万くらいしますもんね。冷静に考えたら今時iPad miniくらいのテレビに10万も払うかっつーの。いらんわ。



さて話を戻します。

もしさっきのマンション仮説が正しいとすると、高層階の住民が低層階の住民に大幅に補助してる構図になります。客同士で購入費を補助しあうという、なんか昔の携帯の販売方法みたいな匂いを感じますが、いかがでしょうか。

また一般にマンションでは広い部屋の坪単価が高くして狭い部屋の分を載せています。要は「持ってる奴からしこたま取れ」ということですから、一番コスパが悪いのは同じマンションで最も広いプランの最上階、ということになります。

こういう値付け今に始まったことではないですが、最近はその振り幅が以前より大きくなったように感じています


松本大の吉野家のうな丼の話も面白かったし、株をやっていると敵の魂胆というか、世の中の仕組みの深読みを息を吸うようやるクセがつきます。ようするに疑ってばっかり。

そして、これが株をやると性格がねじ曲がっていく要因の一つなのです(笑)つまりたぶん、松本大もきっと僕らの仲間、似た者同士の大へそ曲がりに間違いありませんw


2017/09/03

ソフトバンクの孫さん

多くの投資家が持つソフトバンクの孫さんのイメージは「クレイジー」でしょう。

なんせ起業してからの歴史は、入ってきた金は一瞬で使うわ、使って金がなくなると今度は借りてきて一瞬で使うわの繰り返しです。LBO(レバレッジドバイアウト:買収先の事業を担保にして借入れた資金で買収する。いわば出世払い)も行っています。

つまりどこでコケても何ら不思議でなく、これまで潰れずに来ているのが奇跡なくらいなので「次こそは破産するんじゃないか」「もういい加減やめてくれ!」とビクビクしているのが投資家の本音じゃないでしょうか。

それが株価にも織り込まれて、これまでも孫さんが何か大型買収を発表するたびに株は暴落してきましたし、普段の株価も今の利益水準と成長率からすると安いレベルで推移しています。

これはつまり孫プレミアムを市場がマイナス評価していると考えられ、これはこれでフェアバリューと思います。

と、これまで私もそう考えていたのですが、最近少々見方が変わってきました。



孫さんのやることは実行時は理解不能なのですが、数年後にタネ明かしがあって、それを聞くと「なるほどそうだよな、そりゃ俺でもそうするわな」と思うことばかりなんです。

そうなると孫さんはクレイジーどころか、全くもって堅実かつ合理的な男なのではないか、とさえ思えてきました。

例えば初期に買収した展示会です。

次の時代がインターネットで社会の全てが大きく変わると確信を持っていれば、じゃあその時代をけん引するベンチャーはどこだという話になります。

するとそういうベンチャーが開発しているサービスを初リリースする展示会を買収してしまえば、ライバルよりも数日早く情報を入手できることになります。
それらの超新星たる企業に出資するためには、展示会の買収はなるほど合理的です。
孫さんは展示会の買収を「羅針盤を手に入れた」と言っていました。

そして、孫さんはいつも出資される企業側も驚くほどの条件を提示して出資を行います。そんな値段を出していいのか、というくらいです。

しかしこれも考えれば当然です。だってせっかく世間より少しだけ早く情報を得るために展示会まで買収したのに、グズグズして出資できなかったら意味がありません。

一気に話をすすめるには、出資される側でさえビビるような条件を出す必要があるじゃないですか。

と言う感じで、後知恵バイアス的には全くもって当然の行為と言えますが、数年後の世の中について完全にイメージしきってなければ到底できない所業です。

こうして発掘したのがあのヤフーでした。その後ITバブルでヤフー株は1株1億円を超え、孫さんはビルゲイツよりもお金持ちになりました。(ただし数日間だけ。その後バブル崩壊で株価大暴落して詐欺師呼ばわりされた)



そしてソフトバンク最大の大勝負といえば1兆7000億円でのボーダフォン買収でしょう。

当時のボーダフォンは一言で言えば負け犬で、シェアも技術も低く、利益もロクに出ておらず、まったく魅力のない会社でした。

こんなお荷物みたいなクズ企業を1兆7000億円も出して買うなんて、孫さんは気が狂ったのではないか、今度こそ終わりだ、と世間の人は思ったものです。(私もそう思いました。)
それも前代未聞の1兆円オーバーのLBOですから、これがどれだけ無謀な買収だったかが伺えます。


しかし、これには裏があったことを数年後に知りました。

あの時期、孫さんはスティーブ・ジョブスに会いに行き「次の時代のモバイルは手のひらでインターネットを自在に扱えるものでなくてはならない」と言ったそうです。

するとジョブスはニヤリと笑って「マサ、じゃあ早く免許を取れよ」と答えたそうです。

もちろんジョブスは企業秘密である開発中のiPhoneの詳細は話さなかったでしょう。

しかし孫さんはここで確信があったはずです。当時電車の中でニンテンドーDSに興じていた人々全員が、数年後には「全く新しいモバイル機器」に持ち変えている姿と、その「新しいモバイル機器」を独占販売できる見込みです。
そうだとすればボーダフォンの買収も頷けます。

ただ、ここには一つ大きな不安要素があります。いくらiPhoneの独占販売の見込みがあるとは言え、相手はアメリカ人です。契約前であれば「そんな約束してないよ」と後から言われたら終わりです。

この計画を確実に実行するには、ドコモやKDDIが後から話に来ても絶対についてこられないような、驚異的な条件をジョブスに提示する必要があったはずです。

そこでこの時、おそらく信じられないような価格と数量の条件を提示して契約に至ったのではないでしょうか。

そしてiPhoneの発売後、ソフトバンクは当時世界で大ヒットして誰もが欲しがっていたiPhoneを、なんと日本ではタダで配るという暴挙に出ました。

これも今となっては分かります。ブランドもサービスも最悪だったボーダフォンを一気に回復させるには、圧倒的な条件をユーザーに提示する必要があります。
儲けは後回しでとりあえずユーザーのカバンにiPhoneを突っ込む必要があったのです。

金のことは後からおいおい通信料で回収すればいいのです。そうしないとAppleと契約した数量を捌けませんし、グズグズしていたら会社は本当に潰れてしまいす。その間にボーダフォンのガタガタな通信品質も直さなきゃいけないし、時間がないのです。

ユーザーにとっては最も欲しいものがタダなんですから、そりゃあソフトバンクに乗り換えますよ。もちろん私もやりました。こうして現在のソフトバンクの姿があります。
これは頭の中で数年後の世界をイメージしきってなければ出来ない勝負ですが、逆に心底確信していれば全てが合理的と言えます。



今、相変わらずソフトバンクは狂ったように出資をしていて、中には私には良くわからないものもあります。
これは当然で、もし私が分かったら孫さんレベルで優秀ということになってしまうので、私にわかるはずもありません。

しかし多分、それらすべては何か大きなビジョンと勝算があるはずだと私は睨んでいます。
そして孫さんの情報革命をするんだ、という基本ビジョンは30年前から変わっていません。

次こそは大失敗するかもしれないし、それは分かりませんが、私は数年後のタネ明かしと、それで世の中がどう変わっているのかを見るのをまた楽しみにしています。



それと最初に、市場は孫プレミアムをマイナス評価していると書きました。

ということは、もし、もしですよ?市場の気が変わって孫プレミアムをプラスに評価しだしたら、それだけで株価は倍くらいになってもおかしくありません。

最近、ソフトバンクは(あれだけ派手にやっていれば当然ですが)ブルームバーグなどで取り上げられることが多くなり、将来的には海外で知名度が上がってくると、あり得るやもしれません。

そしてその時、業績自体も倍になっていたとすると、さらに株価は倍、都合4倍です。4倍でも時価総額はたった40兆円ですから、まだまだどうってことありません。
さらにこうなってくると勢いがついてきますので、おまけでもう一丁倍になって、テンバガー近い夢も見れそうです。

ここまでくると時価総額80兆円で、さすがにこれは無いだろうと思うのですが、孫さん自身は目標300兆円だとか言ってて笑えます。やっぱクレイジーだ。

そしてソフトバンクと言えば財務レバレッジが異常に高い会社というイメージでしたが、今やこれもだいぶ落ち着いてきています。
今でもドコモやKDDIに比べれば高いですがグローバル基準で見ればそれほどでもありません。もはやVZやTと同レベルです。

ただ、そんなふうに考えている投資信託も多いらしく、すでにそういう所はソフトバンクをかなり持っています。

そういう投資信託自体を買っている人は相場が弱気になればすぐ売りますので需給が相当悪化して、その上にトレーダーが乗っかってきますから、これは相当下がりそうですが、そうなればアホになって「うぇーい!」と言いながら買増ししたいと思っています。早くうぇーい買いしたいです。

2017/08/26

【タワマン】あんどん部屋


タワーマンションに実際に住んでみた感じをレポートするこのシリーズ。
書くのに全く時間がかからない割には結構読まれているので、また投稿します。

「あんどん部屋」とは窓が無い部屋のことをいいます。もともとは遊女屋などで、行灯や布団を収納していた薄暗い部屋のことだそうです。

最近のタワマンは内廊下であることが多いため、制約上どうしても あんどん部屋 を含む間取りが出てきてしまいます。

一戸建てが永らくメインだった日本人にとっては、窓無し部屋というのは風通しや部屋の明るさの面から敬遠されることが多いと思います。

私も昔はそう思っていたのですが、実際に住んでみるとタワマンと あんどん部屋 の相性は結構良い事に気づきました。

そもそも、タワマンは交通至便な立地に立つことが多いので周囲には騒音が多いです。
こんなとき家の中で静かなのは窓がない あんどん部屋 しかありません。

特に騒音が苦手な人は、夜ぐっすり眠るために あんどん部屋 はむしろ絶対必要でしょう。

また窓が無い部屋は集中するにも向いています。書斎にしたり、映画を見るAVルームとしてなかなか居心地がいいです。

というわけで、タワマンでは北向きが人気だったり、一般の住宅の選択基準とちがう流儀があるので、購入を検討している方は あんどん部屋のプランも選択肢から外さないほうがいいと思います。

2017/08/13

建値を忘れる一つの方法

「建値を忘れよ」とは昔の相場格言です。
自分が買った値段なんてミスター・マーケットは全く考慮せずに値段を付けてくるのですから、そんな事を気にしている暇があれば、さっさと売るか買うかでも考えた方がよっぽどマシということです。

この格言は現代のプロスペクト理論の主要な部分と同じだと思いますが、そんな理論を知る由もない昔の人が、とっくにそのキモをたった6文字でシンプルに表現し終わってるのは面白いと思いました。

しかしそれを聞いても、人間はそうそう実行できるものではありません。
これの対策としてQ先生が以前に何度も推奨していた、これまたシンプル極まりない方法が使えると思います。

それは「株が2倍になったら半分売って、残りはタダ株にして忘れしまいなさい」というものです。

そんなご無体な、と思いますが、確かに元をとってしまえば残りが仮に0になったとしても損はありませんので、保有する精神的コストは劇的に下がります。
ウォーレン・バフェットも株は1に損しないこと、2に1を守る事と言っていましたし、タダ株にすればこれも守れます。

ですが私のポートフォリオには簡単に2倍になるような銘柄はあまりなく、現実に2倍になったのはアリババくらいなので、さすがに今のポートフォリオを半分売って現金にするようなことは考えていません。

しかしながら、そもそも今のポジション量はリーマンショック以降に利確した範囲内レベルに抑えているので、ポートフォリオ全体がQ先生のいうタダ株と言えなくもない。


するとです、最近は本当に建て値を忘れてしまうんです。


つい先日買ったSOとNGGも、ガチでもう幾らで買ったのか今日思い出せませんでしたw
それで今日この記事を書いてみました。

タダ株にすると株を保有していることさえも忘れてしまえるというQ先生の教えは、どうやら本当のようです。

今は相場が好調ですから、たっぷり利の乗っている人はこの殿様モードに入れるチャンスともいえますので、いちどそんな視点でポートフォリオを整理してみるのもいいかもしれません。

2017/08/09

タワマンでペット戦争勃発

最近、私が住んでいるタワマンの管理組合議事録を見るのが楽しみです。

ことの始まりは、とある高層階の住人が2匹目のペットを飼い始めたらしいのです。

しかしマンションの管理規約でペットは1匹のみという規則がありますので、これが本当なら住人側の規約違反となります。

管理組合によると、この住人は2匹目を飼っていることが明白なため規約を守るよう再三にわたって警告したそうです。

一方、住人側はそんなものは居ない、の一点張り。

管理組合は防犯カメラなどを確認しているはずであり、まあ住人側が吹かしてるのだとは思うのですが、お互い金もスキルもある者同士なので、あっという間に弁護士や裁判所が登場する戦争状態にw

この試合経過が毎号の議事録でアップデートされており、あたかも連続テレビ小説のようで大変面白く読ませていただいています。

なまじ金もスキルもあると、無駄な意地とプライドで余計なエネルギーを使ってしまうものですね。


2017/07/16

タワマンのコンシェルジュ

タワマンの住み心地をレポートするこのテーマ。今回はコンシェルジュサービスについてです。

タワマンに限らず最近はある程度の規模のマンションなら大抵はホテルのようなフロントがあって様々なサービスが提供されています。

代表的なのは、クリーニングや宅急便の取次、コーヒーの提供、共有施設・機材の予約貸出、代行サービスの取次などです。

しかしながら実際に住んでみると、クリーニング以外どれもコンビニの方がクオリティが高いです。クリーニングも周辺より高いので利用しません。

それにコンシェルジュは大抵は夜はいませんので、今頼みたい!というときに役に立ちません。また共有施設の予約はWebでもできるので、わざわざコンシェルジュに頼みに行かなくても出来ます。

唯一コンビニに勝てるのは近いという点だけですが、それも雨に濡れないで行けるところにコンビニがあれば用はありません。

また、コンビニの中ではセブンが最もコンシェルジュに近いサービスが提供されているように思います。

という訳で、雨でも濡れないで行ける範囲にセブンがあるマンションがOK。コンシェルジュはいない方が管理費が安くなるので良いというのが結論です。

2017/07/09

思い出の懺悔銘柄:NTTドコモ

私は過去にNTTドコモの株を保有していました。
理由は単純で、財務が鉄壁で業績も安定しており配当も5%以上あったからです。

唯一の心配事と言えば海外でまた変な買収とかおっぱじめて、1兆円くらい損したりやしないか、ということくらいでした。

しかしながら当時のNTTドコモ株はそれほどの安定高配当株でありながら、「キングオブ糞株」と投資家から評され酷く叩き売られていました。

それもそのはず、なんせ私が当時見ていたチャートはこんな感じです。



 
10年間下がりっぱなし!。
まさにキングオブ糞株の称号にふさわしいチャートです。

少しマジレスすると、ここまで叩き売られていた原因は、決算の度に投資家をガッカリさせていたことにあります。

当時はソフトバンクがiPhoneで大きく契約数を伸ばし、auもiPhoneが無いながらも知恵を絞って何とか差し引き契約数プラスを維持していました。その両社の狩り場となっていたのがNTTドコモという構図だったのです。

そしてNTTドコモの経営陣は、この劣勢が長く続いていると言うのに、有効な対策をいつまでたっても打ち出せず、まさに決められない大企業のダメっぷりを露呈していました。
私には、変化を嫌う高齢の顧客が多いから何とか今の業績をキープできているだけのように見えていました。



そうは言っても配当金はちゃんとくれるのです。
それで保有していたのですが、そうこうしているうちにまた恐怖の決算の時期がやってきました。

私は「どうせ今回も悪い決算だろう」と少々ビビりながら決算日を迎えたのですが、蓋を開けたら、



なんと想像以上のクソ決算!



そして決算翌日、ただでさえ安かったNTTドコモ株にはさらに売りが殺到し、大幅安となってしまったのです。

私はちゃんと配当出てるし、そこまで売ることないじゃん、と頭にきて、当時1株10数万円(当時は分割前だったので1株が高かった)くらいだったNTTドコモ株を、なんと100株も大人買いしてしまったのです。

都合、この株だけで千数百万の巨大ポジションを取ったと記憶しています。
その根拠には、ここまで売られたら少しは戻すだろう、最悪戻らなくても配当は貰えるじゃん、という考えもありました。

すると私の予想通り、その後1~2週間でNTTドコモ株はスルスルと値を戻し、ポジションが大きかった私はすぐに数十万円くらいの含み益が出てきました。
やはり配当狙い投資家に拾われたんでしょうか?

すると人間とは欲深いもので、この含み益を失うのが怖くなります。
なんせ今までさんざんクソ決算で煮え湯を飲まされてきたのです。また次の決算で今の含み益が一瞬で含み損となる姿が脳裏に浮かびます。

そして私は、悪決算時に拾った1000万円以上のポジションを売って、利益を確定しました。

さらに株とは一度売ると勢いがつくもので、その流れに乘って全株売却してしまいました。売った後、せいせいしたのを覚えています。

その後のチャートは以下の通りです。



持っていたら配当と合わせて2000万円くらいは儲かっていたと思います。



このトレードで学んだのは、株は最後の最後は個別要因なんだな、ということです。

当時の私はマクロ経済を重視しており、日本の凋落は避けられないという強い考えを持っていて、どんな個別に買う理由があっても、それが日本市場に上場しているというだけでかなりのマイナスイメージを持ってました。

それでもNTTドコモの配当は鉄板に思えたので保有していたのですが、やはり日本株をこんなに買うことに迷いがありました。

でも、やっぱり株と言うものは、最後は個別の業績と財務がしっかりしていれば大丈夫なんです。

どんなクソな市場に上場していても、不景気で指数がドンドン下がっているような時でも、そういう株は逆行高を数年に渡って演じるものです。

私は今でも基本的にはマクロを重視して大きな流れに乗ることが大事だと考えていますが、当時はそれが考えの80%くらいだったのが、この一件で今はそういう考えは50%くらいまで下がっています。


2017/06/28

生産性と効率化

どんな企業でも内部では効率化の工夫が日々繰り返されており、生産性の向上を目指しています。
たった1人の個人事業主でも、従業員10万人の巨大企業でも、これは共通でしょう。

効率化とは具体的には今まで人手が掛かっていた作業を自動化したり、同じ結果を出すためにその作業自体を無くしてしまう工夫になります。

これを究極まで突き詰めると「何もしなくてもお金だけ入ってくる仕組みを作ればよい」ということになります。

私は十数年前にそう思って、そのひとつの解として配当金という手段を考えたのですが、世間にはそういう風に考える人は少ないようです。

私の周囲では相変わらず「今ある作業」をなんとかコンピュータを使って自動化しよう、ということに血眼になっています。なぜそっちなんでしょうか。
そしてまたそのシステムを保守するための仕事を増やしているという・・・。

まあ全員が全員、私のように考えてしまったらある意味世の中成り立たない部分もあるので、私としてはそれはそれでいいのですが、いつも不思議に思ってます。


2017/06/21

投資家教育

私は他人に投資はすすめません。

理由は「投資=ギャンブル」と思い込んでいる人に投資話をするだけで煙たがられるに決まっているし、そもそも儲かる話は自分だけ知っていた方がトクだと思うからです。
小判がザクザク埋まっている場所を他人に秘密にしておきたいのは人情でしょう。

でも例外があって、自分の子供にだけは教えたいと思っています。

しかしカエルの子はカエルといえども、無理に教えようとすればやはり他の人と同じように嫌がるでしょう。
人は自分で必要と思わない限り、絶対に正面から学ぼうとはしないものです。

なのでいまわの際にこのブログのURLだけ教えておいて、後は自分で必要だと思った時に勝手に読んでもらえればいいと思っています。

まあこのブログを最初から読まれたら「投資でプラスになる奴にナイスな奴はいない」と言う事に気づいて、やっぱやーめた、と思われるかもしれませんがw

それはそれでいいでしょう。普通そんなもんです。
世界中どこを見回しても、歴史上のどんな権力者でさえ自分の死後に子孫が思った通りになった例を見たことがありません。

特に財を残して死ぬと大抵はロクなことにはなりません。古くは子孫同士で殺し合いを始めたり、今なら「争続」になること請け合いです。
たとえ遺書を残しても「それは無効だ!」とか言いだす輩が出てくるものです。
それがカネの魔力というものです。

だからカネよりは事業を残した方がいいし、出来れば後世に役立つ人を残せば最高だと思います。

また、未来には資本主義自体が限界に達する可能性だってあります。

そんなこんなの不確実性を考えると、私が最も伝えたいのは「その時々のルールと状況を見て自分はどうするか、必死に考えてほしい」という事です。


2017/06/18

インデックス投資がもっと流行ってほしい理由

私は株式投資で下の二つは正しいと思っています。
  • インデックス投資
  • 人は株が上がると買いたくなり、下がると怖くなって売る
ひとつひとつは割と納得いく話だと思うのですが、この二つともが正しいとすると、実際に起こる事はこの二つの相乗効果になります。

それは優良株のボラティリティの上昇じゃないでしょうか。

というのも、今や機関も個人も取引量の半分くらいがインデックス絡みの売買と聞いていますが、そうすると相場過熱時は実力以上に優良株が買い上げられ、悲観になるとその逆になりやしないでしょうか。まさにニフティフィフティの再来。

そう考えると個別株投資家にとっては優良株が捨て値で買えるチャンスが増えますので、インデックス投資はもっと流行ってもらいたいものですね。

本当にこうなるかという点ですが、例えばインデックス投資ブログでは超大御所の梅屋敷商店街のランダムウォーカーさんという老舗ブログがありまして、私も一時期フォローしていました。そのブログで一度、ためになった記事がありました。

それはリーマンショック時の話で、それまで管理人と一緒になって「インデックス投資は最も賢い投資ですよね!」「私もほったらかし長期積立投資していきます!」と言っていた読者たち。

それが株が下がったとたん豹変し、うろ覚えですいませんが「詐欺師!」「死ね!」みたいな罵倒がワンサカ来たそうです。中には名前は違うのに同じIPアドレスだった人もいたそうです。
そして当時多くのインデックスブログが閉鎖または更新停止となりました。

リーマンショック以前の投資家がアホで、それ以降の投資家が急に賢くなるなんてことは万に一つもないので、単なるリセッションでさえ、また同じことが起こるだろうと私は見ています。

インデックスに限らずFXや外国株においても似たり寄ったりだと思うので、私はあまりコダワリは持たないようにしています。

私はBRKに負けたらBRKを買うし、インデックスに負けたらインデックス買うし、日本の労働規制が撤廃されたら日本株に戻るかもしれないし、要はお金がラクに効率よく儲かりそうな所にいたいと思っています。

日本に生まれただけで全人類中でかなりのイージーモードなのに、さらにベリーイージーモードがいいなんて、我ながらとんでもない奴だとは思いますけどね。


2017/06/15

父の思い出

今の時期、世間で父の日セールをやっていたのを見ていたら父の事を思い出したので今回は父について書こうと思います。
なんだかんだ言っても私が今の状況にあるのは父の影響が大きかったと思いますので。


私の父は他界して既に久しいです。

父はいわゆる典型的な昭和のサラリーマンでして、金持ちでもなく貧乏でもなく普通の父さんでした。

私が小さかった時はとにかく仕事ばかりしていて、夏休みもどこにも連れて行って貰えませんでした。そのため新学期が始まってから夏休みの思い出という作文のネタがなく苦労した覚えがあります。

父はだいたい毎朝7時くらいにチャリで出勤し帰宅は深夜でした。さらに昭和の時代は土曜も会社がありましたので、この調子で週6勤で働いていました。

そして土曜の夜は部下3人とともに仕事を持ち帰ってきて、母が全員に夕食をふるまった後、もうもうとタバコの煙の立ちこめる部屋のコタツで部下達と仕事を再開していました。

私はそれが始まるとタバコ臭いのでいつも逃げていましたが、父たちはそのまま朝まで仕事をしていたようです。

今からすると機密情報を持ち出しや、働き方がブラックそのものでツッコミどころ満載なのですが、当時の日系会社はどこもそんな感じで、会議がAM1:00から始まるなんて事もよくあることだったようです。(ソフトバンクの孫さんは今でもそんな感じらしいですが)

私はそんな光景を見続けて育ったので、中学生になるころにはすっかり中二病を拗らせてしまい、周りの生徒が将来サラリーマンになることを夢見ている中で、自分は「会社員なんてクズ」と斜に構えていたのでした。

そんな信念が既に出来上がっていたため、当然のように思春期には父との摩擦は絶えませんでした。

例えばこんな感じです。


父:お前!そんな遊んでばかりいたらいい会社に入れないだろう!

私:なんで会社なんて入らなあかんの?

父:大人になったら会社に入るもんだろう!

私:別に会社なんて入る気ねーし

(ここで父は部下の評価表を持ち出してきて)

父:会社に入ったらこんなふうに上司に評価されて給料が決まるんだよ!(バンバン!)

私:だから俺は人と同じことなんてしねえって言ってんだろ!なんでお父さんの話はいつも全部会社なの?

父:お前は社会を舐めている!お前のような甘さで飯が喰えると思ってんのか!!

私:人に使われてるだけの人間に何言われても聞く気ねーし。そんなこったからお父さんはその程度の人生で終わってんだよ

私:グモッ!!!(←殴られる音)



てな具合です。


こんな関係はその後も続き、私が就職するまで(←結局会社に入ってる)すれ違いは絶えませんでした。

というか就職時にもまだ私が入る会社について虚業だとか、もっと電機メーカーや電力会社とかに入らなくては駄目だ、などとブツブツ言っていました。

このような成長過程を経て私も社会に出たわけですが、仕事をして何年か経つと、あまり父と話す必要も時間も無くなり、過去にそういうイザコザがあった事さえ自然に忘れていました。

そんなある日、ふと気づきました。

なんか、いわゆる「美味しい仕事」が良く回ってくるのです。

なぜか・・・。

当時働いていた会社は年俸制で残業代は出ません。
しかし私は父のあの働き方を見て育ったので、終電まで会社にいるのは私にとって「普通」のことでした。
いやむしろ徹夜しなくて帰れるならそれは有難いことであり、私にとっては「早退」のような認識でした。

すると、上司という動物は、そういう社員には無形の報酬を与えたがるものなのです。どう考えても普通にこなせば歩合の良い報酬が貰える美味しい仕事が回ってくるようになりました。

もちろん上司は口に出してそんなことは言いません。言いませんが、どう考えてもそうでないと辻褄が合わない状態だったんです。

そして、それを普通にこなすだけで、お金だけでなく実績もついてきます。
気づいたら社会人数年目にしてそれなりの実績と貯金という資産が出来ていました。

この資産が、今の私の資産の雪だるまの芯になっています。

貯金は投資に向けましたし、実績という資産はそれにレバレッジを掛けてより上位の会社へ転職することでより金融資産が増えました。

ある程度の資産を作ろうと思ったら、最初は労働した方が圧倒的に早くお金は貯まるんです。1000万円くらいまでは、投資の勉強なんてするよりも働いた方が何倍も効率は良いでしょう。



ここまでで既にかなり父には影響を受けていると言えますが、まだ続きがあります。

私の就職後に父がどうなったかというと、子会社の取締役になりました。
しかしこれは父にとっては不本意な結果です。父は本社で出世してせめて部長になるのが夢でした。

それを糧にブラック労働を続け、課に割り振られた残業手当の上限枠もすべて部下に付け、自分は残業代ゼロで働いてきたのに、叶わなかったのです。

昭和の日本企業は優しくて、そういう社員には子会社の役員のポストを用意してくれたのですが、それが何を意味するのかは周知の事実でしたので父の落胆は相当なものだったと思います。

そして、18歳から数十年のブラック労働の間に父は体を何度も壊し、数度に及ぶ入院と手術でボロボロになっており、取締役になった後は以前のように働くことはできず、そのまま50代前半で早期定年退職を選択しました。

その頃になると父の言う事が一変してきました。

「会社なんて、どんなに尽くしても報いてくれないよ」
「どんなに忙しくても、絶対に夕食は7時に食べなさい。良いものを深夜にたべるより、悪いものでも7時に食べる方がいい」


というようなことです。

あんなに会社命だった父がこんなことを言うなんて!!と、父の変化に驚いたのは言うまでもありません。

この一件は私にとってかなり重いものでした。
私が会社なんて辛かったらバックレようとか思うようになったのは、こういう事が過去にあったからです。

おかげさまで、私はまだ一度も病気で腹を切った事もないですし、元気に生きています。

この難しい社会の中で私が資産と健康という2大要素をうまく操縦してきた背景には父の影響は無視できないと思っています。



随分長くなってしまいましたが最後に、父と衝突していた頃に最後によく言われた捨て台詞を思い出しました。
「親の言う事が正しかったとお前もそのうち分かるに決まっている」
というやつです。

断言しますが、今でも全く分かりません!

言う通りにしなくて本当に良かったと思ってますし、これからもそうです。

父が私の就職先に望んでいた電機メーカーや電力会社はどうなったでしょうか?電機メーカーは青息吐息ですし、電力会社は未曾有の大災害により将来が明るいとはお世辞にも言えない状況です。

そして極め付けは、父が人生の全てを捧げたと言っていい会社は、米国で原発事業の買収で失敗し、巨額の損失によりそれまでの社員の努力の結晶をすべて失って、今まさに倒れかけています。

今この状況を父が見たらどう思うでしょうか。悲しむでしょうか?

親と言うのはいつの時代も30年前の常識で話をしているのです。
その陳腐化した固定観念で話している親に自分の人生を決めてもらって身を滅ぼしても、その時親はもういません。だれも責任を取ってはくれません。

投資も人生も自己責任なんです。
結局私が父から学んだ最も重要なことは、自分で決めることの大切さだった言えるでしょう。今を生きるのに必要な感性は、絶対に現役である自分の方が正しいに決まっているんです。



P.S.そうは言っても、私の運用資産には父の命の代償ともいえる遺産も入っています。なので、私は資産額を公開していません。全部自分で稼いだ分ではないですから。今後も余程のことが無い限り、この分を株に突っ込むことは無いですが、余程の事が起きた時は私の裁量で突っ込もうと思っています。(2023/05/28追記:これはコロナショック時に現実のものになりました)

それで結果を出して、今度は私が「ほらね、親の言う事がいつも正しいわけじゃないだろ?」と捨てぜりふで父に自慢したいです。ただ、失敗したら墓の前で「やっぱり親の言う事が正解でした」と土下座です。

関連記事:私を株中毒にした母の思い出

2017/06/13

新聞記事の信ぴょう性が低いワケ

先日、某大手新聞社から取材を受けました。
とはいっても株の取材ではありません。

このブログはお金についての記事が多いのですが、基本的には駄ブログでして、いろいろなテーマがあります。今回はそっちの方に食いついて頂きました(笑)

最初は取材を受けるかどうか迷ったのですが、受けた理由は大手新聞社が記事の信ぴょう性をどうやって担保しているのかにちょっと興味があったからです。

いきなり結果から言うと、もはや新聞なんて読むならそのクラスタの人気ブログの1エントリを読んだ方がいいかも、ということが分かりました。

基本的に記者は問題提起できそうなテーマについてざっくり情報を集めて、ストーリーを練るようです。

その後、記者は普通はそのテーマについて当事者でないものですから、いわゆる「詳しい人」の話をたくさん聞きます。そして自分のストーリーに合うような話をしてもらうように誘導します。

これこそが記者の腕の見せ所のようです。つまりなんのことはない、株で言う確証バイアスの話と同じです。自分に都合のいい話を集めてるだけ。

そして、その「詳しい人」の本人確認ですが、これまたお粗末としか言いようがありませんでした。基本は電話番号さえGET出来ればOKという感じです。対面することもありません。

その「詳しい人」の言ってることが本当かどうかとか、そのテーマについて語る資格があるかという点は全くノーチェックでした。これじゃ2ちゃんを見て記事をかくのと同じじゃないですか。

まあ、複数の話を突き合わせて信ぴょう性を担保してるのかもしれませんが、それなら詳しい人本人が書いてるブログのほうがよっぽどマシというものです。

そのクラスタ第一人者のブロガーがブログで間違ったことを書けば、他の「詳しい人」が次々にツッコミを入れるでしょうし、それに関して反論すればさらに議論が深まります。
#まあネットはこういう議論をするには不向きなメディアですが。

おまけに、取材に協力してもなにもご褒美はありませんでした(笑)。
ブロガーだったら1記事かいたらアドセンスで幾ばくかの収入にはなるでしょうにw

結論として、新聞記事の信ぴょう性なんて意外に大したことないな、と思った次第です。
まあ皆さん、「(知ってた)」ですよね。

今の時代、「人の話をたくさん聞いてきた人」の話より、実際の経験者、中の人が発信する話のほうが何倍も価値があるんでしょうね。

そもそも新聞は聞いてきた話をうまくまとめたキュレーションサイトですから、基本的に今の時代に合っているはずもありません。

少なくとも紙の新聞は資源の無駄遣いだし、速報性ないし、オワコンだと思います。

2017/06/04

起業? OR 投資?


私は15年くらい前、今の日本で夢のある資産を築くには起業するか投資するかしかないと思いつきました。それで自分はどうするか暫くあーでもないこーでもないと悩んでいました。

まず起業したらどうかと考えてみました。しかしこれはなかなか難しい。
私には稲妻が走るような良いアイデアなんてないし、あってもうまくやる自信もありません。

そもそも仮にこれは!と思うアイデアがあったとしても、おそらく1万人くらいは同じことを考えていると、ある起業家から聞いたことがあります。

そしてその中で実行するのが100人にひとり。その中でうまくexitまで行くのがさらに100人にひとりだそうです。

しめて成功確率1万分の1。つまりアイデアなんていうのは成功の要因の1%くらいで、ほとんど泥臭い苦労こそが起業の成功には必要なのです。

私も当時、ケータイ(スマホじゃなくてケータイね)で広告モデルの無料ゲームサイトなんてどうかな?と考えていたことがありました。その後モバゲータウンとか出てきましたけど、どうせ私が仮にやったとしても、きっとDeNAにはなれなかったでしょう。(実際には行動さえも起こさなかった訳ですが。)

もちろん、やって成功した場合は数年で数千億円の資産もちです。しかし99%なるであろう失敗したケースのダメージは半端ないです。

サラリーマンが副業でせどりをやるようなチンケな覚悟ではお話になりませんから、やるなら会社は退職です。

そして1~2年は無収入どころか持ち出し生活の末、もがき苦しんだ揚句、諦めた後のことを想像すると、残されたものは無職で全てを失って老いた自分でした。

私は池袋あたりのパチンコ屋裏にある騒音まみれの築40年の1K木造アパートでひとり暮らす自分の姿を思い浮かべ、目頭が熱くなりました。これはキツイ。



一方、投資の場合はどうでしょうか。

とりあえず投資なら、会社を辞める必要はありません。

投資で増やすには時間がかかりますから、成功しても時間的に数億程の小金もちレベルどまりかもしれませんが、悠々と社畜からはおさらばできます。

そして仮に失敗しても、とりあえず飯は食えます。株でオケラになって40歳で貯蓄ゼロかもしれませんが、まあその程度です。だからどうだと言うのでしょうか。破滅するほどではありません。

私はこの二つの道を考えて、どう考えても投資の方がリスクあたりのリターンが良い、株的に言えばシャープレシオが高いと言う結論に達しました。
それでこれをやる事にしたのですが、15年前の当時の仲間たちのほとんどは起業の道を選びました。

その後彼らがどうなったのかは、私は知りません。



ところが、最近ひょんなことから、その中のひとりのその後を知ることになりました。

私がたまたま使おうと思ったサービスについて、運営会社が信用おけるかどうかHPをチェックしていたら、創業者の紹介ページになんとそいつの顔と名前が載っていたんです。

しかもその会社は今をときめく技術で日本でリーダー的な立場にあり、日本を代表する十数の名だたる企業から数十億の出資もとりつけて上場寸前。
おそらく現時点でも百億の企業価値は有しているとおもわれます。

なんとそいつは、1万人に1人の大ギャンブルに勝っていたんです!ついに成功者現る!

いやはや、完全に抜かれてしまいましたね。
しかしやりやがったなー。気分がスカッとする程すごいことです!

しかし!

まだ試合は終わっていません。
私にも再逆転のチャンスはまだありますし、私は私で精進していきます。

2017/05/03

欲のアクセルは年齢に応じて踏む

株に限らず人生において「欲」との付き合い方は中々奥深いものです。

欲について考える時、私は公案という中国のお坊さんが修行に使う「婆子焼庵」という話が好きです。(詳細は記事の最後をご覧ください)

公案に解答は与えられてないので私なりの解釈ですが「欲は人間の本質であり毒にも薬にもなるもので、人はこれを否定せずにうまく付き合っていくべきもの」と思っています。

例えば欲は向上心の燃料になります。何かを成し遂げるには強い動機が必要ですが、その源泉は欲だと思います。このような場合は欲が薬となりますす。

昨今では20代から何も買わない・どこにも行かないという無欲な話を聞きます。一見聖人のような良い話にも聞こえますが、もしそうなら何も達成しないまま貧相な老人になりそうです。

一方で欲が毒となるケースでは贅沢競争があります。
例えば10億円のクルーザーを買っても、後に知人が30億円のクルーザーを買ってしまったらむしろ虚しさしか残らないでしょう。

そういうのはどこまで行っても相対的なものでキリがありませんので、そんなレースにハマって年がら年中、目を血走らせてセカセカと金儲けするのはまっぴらです。

という訳で、若いうちは貪欲になって上を目指し何かを築いて、中年以降になったら無欲になって視線を下げて余裕を楽しむのがいいかなと思っています。



さてここで話の範囲を一気に限定して、欲と株の関係について考えてみます。



積立て投資や損切りルールなど、ほとんどすべての投資戦略は、いかに感情に振り回されないか、という点がフォーカスされています。つまり欲の制御です。

しかしどんなルールを作ろうとも、最終的にルール運用を停止する権限を人間が持っていてはダメでしょう。ほとんどの人は損したら「今回はいつもと違う」とその運用を停止してしまうからです。
つまり大抵は自分自身の欲を飼いならす修行の方がルール作りよりも優先されます。守れないルールはゴミなのです。

そもそも投資家は大抵はいつも損した気分になっています。買って下がったら損したと騒ぐし、売った後さらに上がったら損した気分になっているのが投資家です。

あの100万円を数年で100億円以上にしたBNF氏も「相場に入っていないときに上がると損した気分になってしまう。だから相場はやめられない。ほとんど病気みたいなもの」というような話をしていました

このように資産を増加させる効率を極限まで高めようとするのは、さっきの贅沢競争を彷彿させ、欲が毒になってしまっている状態かも、と思うのです。

そういう意味では暴落時に怖くなって全部売ってしまうのも、機会損失を恐れて今のような時に腹一杯までポジションを取ってしまうのも、結局は同じ穴のムジナのように思うので私は今のところは一定量は無リスク資産にして持っています。

投資はそんな儲かんなくても、損しなけりゃいいじゃない、ぐらいの余裕を持てる欲の出し具合がちょうどいい感じです。

欲のアクセルは自分の年齢に合った分量だけ踏むのが大事で、私も踏むときは今でも踏みますが、その判断のハードルは20歳の時よりはだいぶ上がっています。

 

===「婆子焼庵」公案  ===

公案とは中国のお坊さんが悟りを開くための研究課題で、たくさん種類がありますが、その中の一つの「婆子焼庵」という公案があります。

この公案を簡単に書くとこうです。

昔、ある信仰深い老婆が一人の僧のために庵を建て、若い娘を雇って身の回りの世話をさせ、修行をさせていました。

二十年も経ったある日「うちのお坊さんもだいぶ悟った頃だろう、一度試してみないといかん」と思い、娘にあることを耳打ちします。

娘は言われた通り、その日のお給仕が済むと後ろからお坊さんにしなだれかかり、
「ねぇ、こんなときはどうするの?」
と耳元で甘くささやきました。

しかしさすがは修行を積んだお坊さんです。
「冬の岩に立つ枯れ木ように、私の心はまったく熱くならない」
と、きっぱりと娘の誘惑を拒絶しました。

庵から戻った娘はすぐに顛末を婆さんに伝えました。すると婆さんはこのお坊さんを賞賛をすると思いきや「私はこんな俗物を二十年も養っていたのか!」と激怒し、即座に僧を叩き出した上「汚らわしい」と言って庵に火を放って焼いてしまいました。

これが婆子焼庵のお話です。
そしてこのお坊さんは一体どうすれば良かったのか?というのが公案です。


2017/04/23

相場で大損して死にたくなったら

誰でもお金を損すると落ち込みますが、株の場合は額が半端ないこともあり、中には死ぬ人もいます。

私調べで恐縮ですが1000万くらい損すると首をつる人が出始め、5000万~1億くらいがピークになり、3億円以上になると逆に痛くも痒くもなくなるそうです。

3億円でユートピアになるのは「もう働いても絶対ムリだもん!返せないモン!」と開き直れるからだそうです。

まあ普通に考えたら死ぬくらいならバックレればいいんですけど、日本人はとにかく周りに迷惑をかける事にこの上ない心痛を感じるらしく、自分が死ぬ方を選ぶ人もいます。外国だと「借金=踏み倒すもの」というのがコモンセンスの国もあるようですが。

そこで今日は自分が万一そんな目に遭った場合に備え、バックレの心構えを記しておこうと思います。
もうすぐ5月で鬱になりやすい時期ですし、ブラック企業で仕事が嫌で死にたくなってる人も参考にして頂けたら幸いです。



まず知識としてぜひ頭に入れておいて頂きたいことがあります。それは人は「死んだら負け」ということです。

例えば交通事故であなたが死んだとしますと、普通たった3000万程度の賠償金で手打ちになってしまいます。

以前に「交通事故で人をひき殺すくらいなら、自分がひかれて死んだ方がいい」と言う人がいました。自分の命の価値がたったの3000万で清算なんて私だったら到底納得いかないし、どう考えても死んだ方が損だと思いますが、現実はそれで手打ちです。



また、例えば、仕事が嫌で首を吊ったとしましょう。はっきり言って、あなたが死んでも何事も無かったかの如く社会は動いていくでしょう。一般人の価値なんてそんなもんです。

これは裏返して言えば、仮にあなたが何も社会に貢献せずに生きて、社会のお荷物になったとしても、社会に与える迷惑もたかが知れているということです。

なので死ぬくらいなら気兼ねなく社会にお世話になりましょう!



あ、そう言えばブラック企業とかで自殺するような人に向かって「そんなにイヤなら辞めればいいじゃん」と軽く言う人がいますが、それは違います。追い込まれた人は判断力がなくなってしまって「ハイ」としか言えなくなったまま、死を選んでいるんです。

そしてこれが大事な点なのですが、そういう極限状態で本当に恐いのは実は「何も怖くなくなること」にあります。この状態ではまるで近所のコンビニに行くくらいのノリで「ちょっと電車に飛び込んでみようか?」ということが出来てしまうんです。

だから、事前に「死んだら負け」という知識をインプットしておいて理性でブレーキをかけないと、ふっとした弾みで死んでしまいます。

この感覚をうまく表現するのは難しいですが、例えば車を運転していて、スピード感が無くなることはありませんか?
そんなに飛ばしているつもりはないのに、速度計を見ると120kmも出ていたとか。そしてそのスピードに対する恐怖心も無い時。

しかしその時、確かに車は物凄いスピードが出ているし、ちょっと壁にぶつかればそのままお陀仏なんです。

なのでそういう時は感性でなく、計器を信じて理性で行動を制しないといけません。


それに、とにかく日本人はみんなと同じことをするのが安心で、逆に誰もやったことが無いことをするこを極端に恐れますが、バックレなんてやった奴は沢山います。
こういう事を予め知っておけば、いざと言うときにやりやすいでしょう。


そして辛くなった時、すべてから逃げ出して気楽に過ごす日々を想像してみましょう。雨上がりの日の花と草の匂いとか、子供のころから何も変わっていないのに気づきます。

そして社畜どもが退散したあとのガラガラの定食屋に入って頂くランチのうまいことw。

どうですか、一丁あなたも体験しませんか?

2017/04/14

四季報の情報

日本人の個人投資家にとって言わずと知れたバイブル、四季報。
四季報には無駄な情報は一切載っていません。

私も日本株がメインだった頃は必読の書でしたが、株を初めて最初のころは四季報のすごさが分かっていませんでした。
しばらくしたのち、これがいかに究極に情報を濃縮したすごい秘伝の書かということが分かりました。

たったの半ページに芸術的なまでに厳選した掲載項目、単位面積当たりの情報粒度バランス、絶対必要な定性・定量情報、テクニカル&ファンダの必要かつ十分な指標と、まさに磨きまくった情報で埋め尽くされています。

それなのに当時の私は、見るところと言えば業績の履歴とコメントの部分ばかり。資本移動や株主構成、資産系の指標などは読み飛ばして株を買うこともありました。

しかし繰り返し断言します。四季報には無駄な情報は一切載ってません!

もしあなたが四季報に載っているすべての情報項目に同じだけの価値を感じていないなら、そのスルーしてる項目が株価に与える意味を重点的にググって調べる事をお勧めします。
そこが自分の株知識の弱い所だと言って差し支えないと思います。

そこをクリアーしたら、あとは四季報をパラパラ見ているだけで、調べる価値のある会社とそうでない会社が仕訳できると思います。

男女が交際する時は、お互い1時間くらいで相手の顔とスタイルと言っていることで、付き合う価値があるかどうかをバーっと判断すると思います。株で言えばここまでが四季報の役目です。

そうして興味を持った会社に対して、あとは有報を読んだりエクセルでガリガリDCFするなりして深くお付き合いして、それで納得いったら一応最新ニュースをチェックして、チャート的な大安吉日にめでたくご成婚(株購入)となる運びです。

四季報は詳しく調べる会社を見つけるのに最も効率の良い本だと思います。

2017/04/12

中学生でも株で1億円!?テンバガー株

最近の記事で株価が10倍になるテンバガー株に触れたので、ここで一度テンバガーについて考えをまとめておこうと思います。今回は短期間(1~2年)で10倍になる株の話です。

テンバガーの王道は、まず最初はダメ株クソ株と過小評価されていた株にある日突如として目が覚めるような業績向上期待が集まり、バリュエーション調整が起きることから始まります。

うだつの上がらない株が成長株として認識されてバリュエーションが調整されると、適正PERが変化します。

すなわち普通の株はPERは15倍がいいとこですが、成長株なら30倍でも普通なので、業績は何も変わらなくても、期待だけで株価はまず倍になります。

そしてその後実際に業績が倍になると、2x2で株価は当初の4倍になります。

ここまでくると人気株になりますから、上がるから買う、買うから上がる、と必要以上に買われてさらに2倍~3倍、つまりテンバガー達成です。



これを掘り当てる私のアイデアは、自分の得意分野と株の知識の両方使って、初めて捕まえられるというものです。
ポアンカレ予想を解いた人のように、奇跡とは2つの分野が偶然にまじりあって起こるのです。

基本的に市場が気づく前に買わないといけないので、株オタクが毎日見てるような所に情報は落ちてません。

このブログを見に来るような株オタクな読者でも、株以外のオタクな分野というのがあると思いますので、そうしたジャンルでは一般の市場関係者よりも自分のほうがはるかに情報が早いはずです。

その中でこれはすごいと思うものを見つけたらチャンスです。初心者向け株本で、自分が好きな商品を作っている会社を買いなさい、とかいう話が載っていますが、それです。

しかしこれだけでは大儲けは出来ません。仮にそう思って先回りして株を買い付けたとしても途中で利確してしまい、ピークまでは持ちきれません。



ここからは少し株の知識が必要です。

その画期的な商品で、会社の利益がどの程度まで上がるのかを予想します。そしてこのくらいの営業利益だろう、というアタリを付けたら大体その十倍くらいの時価総額がターゲットになります。

あとはその時価総額を株数で割れば目標株価になりますので、最低限ここまでは我慢して持ち続けたいものです。実際には株価はオーバーシュートするのでそれ以上になると思います。

結構乱暴な目標株価の設定ですが、そもそもスタートが妄想の営業利益ですから誤差の範囲と言うものです。気にする必要はありません。

#ただ、ひとつだけ気を付けたいのは、ホールド中にちょっとでも前期比で成長率が鈍ったニュースリリースが出たら、それで一瞬で20%くらい株が下がったとしてもソッコーでブン投げて二度と近づかないことです。犯罪者みたいにノコノコ現場に戻ってくると捕まりますよw



最近だとミクシィとかガンホーとかの暴騰はスマホ中毒の中高生の方がプロの市場関係者を出し抜けた例かもしれません。

<参考:ミクシィのチャート>

<参考:ガンホーのチャート>

テンバガーは破壊力が半端なく、3回当てれば10万円が1億円になります。
株に年齢制限はなく中学生でも勉強して市場参加することは何も禁止されてませんので、さっさと1億円くらい儲けて有意義な20代を過ごしてください。

元中学生だったオッサンオバサンも次の暴落までテンバガーでも探しつつ、まったり過ごしましょう。ぼーっとしてなければ、他にもいろんな所にお金は落ちてるのに気づくものですよ。

関連記事:思い出の懺悔銘柄:2229カルビー
関連記事:思い出の懺悔銘柄:プロトコーポレーション

2017/04/11

配当株と無配株と税金

株には配当が出る株と出ない株があります。

しかし企業のフリーキャッシュフローは投資家に帰属するので、その会社が配当するしないに関係なく、投資家が得る価値は同じになります。

これを私の株の師匠が「配当とは自分の銀行口座から現金を引き出す行為」と表現してましたが、なるほど、まったくその通りです。

ただ、税のことも考慮すると配当はやや不利になります。

配当は税を強制的・定期的に払わされますが、無配の株は売るまでは支払いを引き延ばせます。
しっかり利益を出し続けている会社が無配ならば、株価は配当分をカバーする以上の速度で上昇していきます。

すると株をやっている限り損することはありますので、そういう時にたっぷり上がった無配株の一部を売って利益を相殺することが可能です。

その売る時に不景気や暴落で株価が下がってたらどうする!?という話もあるのですが、好業績の無配株は仮に途中で暴落とかがあっても、買値からすればまだ十分に高いことが多いんです。それに全部売る訳でもありません。

私は以前は高配当株は値下がりしにくいので、こちらの方がヤラレは少ないと思っていた時もありました。

しかし今は投資で生活する場合でも、ポートフォリオには高配当株にこだわらずBRKのような良い会社なら無配株も保有して、上がった株の一部を必要に応じて売却して現金化してもいいと思っています。

ただ資金量が少ない場合は一部売りできないし手数料の割合がバカにならないのでこの方法は使えません。

2017/04/10

思い出の懺悔銘柄:プロトコーポレーション

株の失敗を振り返るこのテーマ。
失敗には損する場合と儲け損なう場合があるのですが、今回は儲けそこなった話で4298プロトコーポレーションを取り上げたいと思います。

プロトは「カーと言えばグー」の中古車情報を取り扱う会社で、新幹線に乗っていると名古屋駅を出たすぐの所にでっかい看板があったので知っている方も多いんじゃないでしょうか。

私がプロトに興味を持ったのは十年くらい前だったと記憶しています。きっかけはスクリーニングでした。割と低PERでそこそこ安定して利益を出している会社を探していて見つけたのです。

当時の私はグレアムの本を読んで割安・安全域という点に結構こだわりがありました。プロトはそこまで割安ではなかったのですが、小粒ながらまぁいいセン行ってました。

プロトの仕事は当時コンビニなどに置いてあった分厚い中古車情報誌を発行することでした。雑誌は低価格で販売し、中古車店からの広告料を取るというビジネスモデルです。
その昔フロムAというリクルートのアルバイト雑誌がありましたが、それと同じビジネスモデルと理解しました。


というわけで早速株を購入したのですが、結局1年ほど保有して売ってしまいました。


理由は私が成長株と中国株へと興味が移ったことと、配当は出るものの当時の持ち株数では絶対額もたかが知れた額だったことですが、ぶっちゃけ言うととにかく退屈なつまんない株だったからです(笑)

ところが私が売った後、プロトは優良銘柄として投資雑誌などで度々取り上げられ、なんと株価は数倍~10倍近くになったのです!テンバガーですよテンバガー。まるで別れた元カノが芸能人になっちゃった時のような悲しみw。

<参考:プロトのチャート>

なによりイタかったのが、このプロトを投資雑誌で紹介してたのが、私も株の勉強に読んだ本「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」の著者の山口陽平氏だったことです。

著者の本を見て著者より先に見つけて買ったのに儲けそこなう事案の発生( ;∀;)

もっとも、プロトが上がったのは私が注目した割安さが見直されたのではなく、紙媒体だった中古車情報誌をネットでポータルサイト化していく戦略が評価されたからのようです。

IT化が成功すればコストが下がりますし、集客したアクセスで別のビジネスにもつながる期待もあったのではないでしょうか。



というわけで私が悔しがるのは筋違いなんですが、この時一つ思いついたのは、狙ってテンバガーを目指す場合の買い方のアイデアです。

テンバガー株とは目が覚めるような業績向上が必須条件ですが、一般に赤字の小型株などはとてもおっかなくて買えません。

割安株の株価は何もなければ下方硬直性があり、そこに成長性が加わると大きなアップサイドリスク(株の世界のリスクとは不確実性のことです)がつきます

ということは、割安な株の中で自分がオリジナルな成長ストーリーを持てるような株を見つけたら、損する可能性は限定しつつ、利益は無限大のオプションが目の前にあるようなものです。
こういう株なら買ってしばらく辛抱強く持っててもいいんじゃないでしょうか。

株で大儲けするには暴落時にガッサリさらう以外にも、通常時にテンバガーを掘り当ててもいいのです。次の暴落まで長そうだし読者の方もヒマつぶしにテンバガー探しなどはいかがでしょうか。

P.S.同じような経緯で、3302帝国繊維も私の懺悔銘柄です。。。

<参考:帝国繊維のチャート> 

#このテーマに関連する記事は思い出の懺悔銘柄 で検索してください。

2017/04/03

30年後も通用する事業

株式で長期運用する際に保有株の事業が継続するかどうかは重要なチェック項目です。
しかし未来のことは分かりませんので、私はヒントとして30年前のことを思い出して今と比較してみることがあります。

今から30年前の1987年はどんな世の中だったでしょうか。

時代はバブル絶頂の2年前で、街ではコギャル(死語)がポケベル(死語)のメッセージをキツツキみたいに電話ボックス(死語)で連打してました。達人にもなるとすごい早さでビビりまくりでした。

そういえば町じゅうの公衆電話(死語)には電話帳(死語)と言われた分厚い雑誌が置いてあり、数万人分の個人名と住所、電話番号が載っていました。
もちろん女性のデータもばっちり載っており、今のフェミニストが見たら発狂するかもしれません。

翻って今はどうでしょうか。コギャルはJKとなって健在ですが、ポケベルも電話ボックスも電話帳もスマホの中に入って全部無くなってしまいました。

一方、まったく変わらない景色もあります。例えばマクドナルドでハンバーガーとポテトを食べながらコーラを飲む姿は変化ありませんし、ディズニーランドも盛況で変わりません。

他にも思い出すといろいろ懐かしいですが、当時を知らない人の場合はどうするかといいますと、その時代の映画などを見てみてはどうでしょうか。

バック・トゥ・ザ・フューチャーなどちょうどその時代に当たりますので、鑑賞して過去にタイムトラベルしてみると面白い。

そして映画の中にあるものを今と見比べるのです。するとペプシなど、ローテクなものはあまり変化ありませんが、テクノロジー関係は大きく事情が違うことが分かります。
現実が映画を追い越しているものもあれば、いまだ実現していないものもあります。

このようにハイテク関係の事業というのは非常に将来予測が難しく、衣食住に関するベーシックな製品はあまり変化ありません。

という訳で、株を買うなら消費やエネルギー、公共セクターなどが安心と言えるのですが・・・ここで終わらず、もう少し思考を続けます。

例えば、そんな強烈に変化する事業環境の中にあるハイテク企業において、数十年もサバイブして利益を出し続けているIBMのような会社もあるのです。ある意味こちらの方がすごいとも言えます。

そういう会社は時代に対応するDNAを持っている可能性が高く、しかもローテクよりも利益率が高いので、見つけ次第しっかり拾ってウォッチリストに入れるようにしています。


P.S.歌詞に「ポケベルが鳴らなくて」とか「ダイヤル回して」とか入ってる歌を今聞くと失笑ものですね。

2017/04/02

タワマンの近所付き合い

タワマンの住み心地をレポートするこのシリーズ。永らく中断してましたが、結構見られているようなので継続します。

さてタワマンの近所付き合いですが、ほんと、無いです。
引越し前は入居後に上下左右くらいは挨拶に行こうかと思っていましたが、なんていうか、そういう雰囲気じゃないんです。偶然会ったときは挨拶くらいはしますが・・・。

ホテルに泊まった時、わざわざ隣上下の部屋に挨拶に行かないですよね?そんな感じです。

そんな希薄なコミュニティをサポートするためか、居住者専用のネット掲示板があるらしいのですが、ああいうのはどうせ炎上するでしょうし、どうでしょうね。

どうせ釣るオッサンと釣られたオバサンの罵り合いになってそう・・・と思いつつ、今回の記事を書くために試しに覗いてみたところ、なんと全く書き込みがありませんでした。住民完全スルー(笑)

という訳で、タワマンでは本当に近所付き合いは希薄です。

これでは災害時などには困るでしょう。避難訓練もないですし。
というか、本当は法令で避難訓練が義務付けられているようで、一度↓のお知らせが入っていました。

当マンションには非常に多くの居住者がおり、一斉に訓練されますと混乱が予想されるため本通知を持って各自で訓練されることで避難訓練と代えさせて頂きます

訓練とは災害時にその「住民が一度に避難して大混乱」に備えるためにするものだと思うのですが。。。

それともタワマンでの災害は各部屋ごとに順番に時間をずらして起きるのでしょうか(笑)

これでは実際の災害時には死人が出るやもしれませんので、私はせいぜい死なないように災害イメトレでもしておきたいと思います。

2017/03/23

変化する勇気


ウォーレンバフェットがアップルと航空株を買い増したと聞いて、過去の自分の発言をあっさり反故にできるのはやっぱりすごいなと思いました。

人には認知的不協和という感情があります。自分に不都合な真実に触れてしまった場合、人は気分が悪くなります。

たとえば投資で数ある理論のうちの一つである「インデックス投資は長期では個別株投資よりも圧倒的に有利である」という説しか知らない、または固く信じている人がいたとします。

その人が長期の個別株投資でインデックスを上回っているバフェットの実績を見たり、日本株の30年チャートを見たりしたら気分が悪くなったあげく、それは偶然だと一蹴するでしょう。こういうのも認知的不協和の例です。

認知的不協和は、これまで認知してる対象にのめりこんで来たほど強くなるでしょうし、長年言ってきて、ましてやそれで成功体験まで積んでしまっては後に自分の意見を変えるのは至難の業でしょう。

それを御年86歳でさくっとやってのけるバフェットの柔軟性は見習いたい点です。


2017/03/14

確証バイアス

投資において気を付けないといけない心のバイアスはいくつかありますが、その一つに人は常に自分に都合のいい情報ばかり集めては一人で安心してしまう「確証バイアス」があります。
特にインターネットは自分の考えを肯定する情報が常に見つかりますので、ある意味最悪な環境です。

私も投資は外国株中心のため、それ関係のニュースとかブログばかり見たくなります。
逆に銀行預金とか日本株の話なんかはスルーしがちですが、そんな時は我に返って、そういう話を意識して見るようにしています。

もっとも見たところで共感することは少ないのですが、私なんかが共感するしないに関係なく、そういう人の言う通りのことが過去に起きていたことは事実です。

例えば、投資家界隈や政府は日本人は貯蓄から投資へとか啓蒙してますし、私も基本そう思いますけど、リーマンショック時のwinnerは、ほぼ全額を円預金してた日本の高齢者でした。

また昨今は外国株が流行っていますが、アベノミクス以降、世界中で最もパフォーマンスが高かったのは日本株でした。(このような事実から目をそらしたくなる感情を認知的不協和といいますが、それはまた別の記事にしたいと思います。)



あと、人にはこういうバイアスがある、と考えてたら一つ思いつきました。

相場が上がりだすと世間には楽観的な情報が溢れかえり投資家はそんな情報シャワーを潜在的に受け続けます。

そうした投資家の脳内でひとたび「騰がるかも!?」とスイッチが入ってしまうと、その時それを確かめる情報は無数に見つかることになります。

するとそのアイデアは確信に変わって実行され、おまけに自身までその類の情報発信者に回ってしまいます。
結果、相場はポジティブフィードバックして拡散しやすくなります。

このような相場の悲観・楽観の偏りを示すブルベア指数も既にあって、「このくらいなら天井」「ここらまでくると底値」とかいう水準もあるそうですが、この指標、天井のタイミングは怪しそうですけど、底値はソコソコ当たりそうだと思ってます。

天井圏は売って儲かった人は調子に乗ってまたすぐ参戦してくるので意外に長持ちしそうですが、底値圏で損した人は満身創痍で弾がない上にご傷心で、そこで打ち止めになるからです。

ここまでキャッシュを温存できたら儲けるのは簡単ですが、そもそもここまで温存できる人は投資なんかしない人なので、ここでも買わないのは投資のジレンマです。

つまり普通の投資家は変なところで手を出して大損するし、一般人はそもそも株なんかに近づかないので、結局どちらにしても儲からないことになりやしないでしょうか。

こんなことも日本の「株は儲からない」という通説の根拠のひとつな気がしてきました。


2017/03/05

大風呂敷

先日ネットで「イーロンマスクのゴール設定がヤバすぎる」という記事が話題になっていました。なんとイーロンは火星に文明を作るのを最終目標としているそうです。
大風呂敷といえばソフトバンクの孫社長ですが上には上がいたかと(笑)

イーロンマスクと言えばテスラで電気自動車を普及させようとか、宇宙旅行を一般化しようとか、人類の偉業を成し遂げつつある人ですけど、なるほどゴール設定がこれなら、彼にとっては今はまだまだ達成率1%くらいなんでしょうか。

いや、むしろそこまでのゴール設定をしているからこそ、いま既にここまで出来ているとも言えるやもしれません。



! いいこと思いついた



仮に人は目標の1%しか実現できないとすると、目標を100倍にすればいいんじゃないでしょうか!?

例えば書籍やブログで「株で1億円」というのキーワードをよく見ますけど、ここはケチケチせず、どーんと「株で100億」にしませんかw

だって人間、1億貯めようなんて考えると「いつかは会社で役員に!」とかショボイこと思いつくかもしれませんけど、100億だと、もうそんなこと考えない。そんな次元で生きてないw。

100億だと起業するか投資するしかないから、考え方のフレーム自体が変わってくる。その思考法で行動していけば、仮に目標の1%しか達成できなくても、1億くらいなら達成できるじゃないですか。



ということで私も目標を再設定して、今日からこのブログでは株で1兆円を目指すことにします(笑)

早速これまでの実績から計算してみたら180歳くらいには達成できそう(^^)。死んでるか。

でもまあなんとかなるんじゃね?
私、これまで出来そうと思ったことは大抵出来てきたんです。この過去記事のコメントを頂いてから9年。コメントくれた方はもう見てくれてないと思いますが、意外に早くたどりつくこと出来ました。

2017/01/08

「高く買って安く売る」の実際

株で儲ける方法は誰でも知ってるとおり「安く買って高く売る」です。

でも今の株価が安いのか高いのかの判断はなかなか難しいので、実際に株が下がって世間がワーワー言いだした「異常事態」で買って、今みたいに上がるという人と下がるという人が両方いる「普通の状態」になれば売ればいいわけです。

そうは言っても世間がワーワー言ってる時は大抵は上がる見通しが全く無い雰囲気で、底も見えない状況ですので普通の感覚では中々買いづらいものがあります。

そこをなんとか勇気を出して買っても、そういう時は買ったそばからみるみる資産が溶けていきます。
私のようなちょっと頭のおかしい人はそれを見て「あ、買い時として合っているということかな?」と安心するんですけど、まともな神経の人なら1週間も耐えられず売ってしまうと思います。

なんていうか証券口座で自分の全資産の半分の含み損とか見ると、この含み損と年単位で付き合うのか、など考えだして酷い時は嘔吐したりします。
その結果、人は損切りという行動に出るのですが、それは「この場所から逃げ出したい」「楽になりたい」という気持ちからなんじゃないかと思います。

つまり株式投資では「安く買って高く売る」つもりで逆の「高く買って安く売った」という結果になる人が多いそうですが、実際は「高く買って安く売った」というよりも「安いと思って買ったけど、びっくりするほど下がってもっと安く売った」という方が正確なんじゃないかと思っています。(最初から高いのをわかって買った人は、傷が浅いうちに機械的に損切りできると思います)

私は長く株と付き合っていて下がった時にそれほど恐怖を感じずに買えるようになったので、安い時はそんなビビらずに買って大丈夫ですよと言いたいです。
が、そうは言っても実際こんなどこの誰が書いているか分からないブログの1記事を拠り所にして自分の全財産を投入できる人なんていやしないですし結局は自分で経験を積まないと大きなポジションは持ちきれません。

なので本気で株をやろうと思うなら、少しでも早めに大損の経験をしておいた方がいいと思います。

20代なら100万円でも大金でしょうから、そこで50万くらい損したら相当痛いはずです。そしてその後の株価の推移を追って大きな経験値を得られたら、たったの50万の損であれを学べたならバカ安だったと10年後には思えるはずです。
サラリーマンで退職金貰ってから投資を始めたら同じ経験値を買うのに2000万はかかるんじゃないでしょうか。



まあデイトレで1年で1億円達成した人とか、株始めてから負けたことない、とかいう特殊な才能をお持ちの人には当てはまらない話ですけどね。


2017/01/04

タワマンの図書室が結構いいかも

共有施設のひとつにライブラリ(図書室)があるのに先日気づき、ちょっと覗いてみました。結構よかったです。

開館時間は6:00~23:00と長時間ですし空いていて静かです。無料WiFiもありますし、机にはコンセントもあってPCを持ち込めばちょっとした仕事や勉強に最適です。

なによりいいのが、エレベータで自宅からロビーまで降りれば到着という究極の職住近接です。

それなら自宅でやればよくね?という話もありますが、私は環境を少し変えないとダラダラしてしまって作業が進まないのです。

また、自宅に書斎を確保しようとすると最低でも3LDKは必要ですが、図書室でやると割り切れば2LDKでもいいわけで、住宅購入資金が1,000万円くらい安くなります。

他の方法としては仕事用に事務所を借りるのもアリですが、毎月数万円もかかるし行くのも面倒です。

もっとも取引先がある場合は図書室では無理ですので、その場合はシェアオフィスを借りるか自宅を事務所にするしかないでしょう。

シェアオフィスは横浜ランドマークタワーとか渋谷マークシティなど、オサレな所にあり、登記もその住所でできて賃料も数万円なので結構かっこいいかもしれません。
名より実を取るなら自宅のローンを経費に充てられるという自宅オフィスの一択でしょう。

私のように個人で配当や譲渡益の管理、その他調査をする程度なら図書室で十分です。疲れたら雑誌も置いてあり気晴らしにもなります。

図書室は使わない人は徹底的に使わない施設だと思いますが、私は結構価値を感じました。


2017/01/03

ツキのマネージメント

ツキというものは掴みどころのないものですが私は最も大事だと思っています。現実的な話、ツイてるやつには何をしても勝ったためしがありません。

そんな大事なツキですが、私は次のようにマネージメントしています。

大体、ツキが本格的に落ちてくる前には思わず舌打ちしたくなるような小さな不都合が起き始めます。急いだのに電車がちょうどがいっちゃった、とかおつりが足りないのに帰ってから気づいた!とかいう事です。

こういうサインを見過ごして大きな判断や賭けに出たりすると大抵ドツボにはまります。最悪にツイてない時に作ったドハマリは回復に数か月かかったり、最悪は修復不能になりますので、これだけは避けたいです。

では私がツキが落ち目だと感じたらどうするかと申しますと、やり慣れた、やれば必ず進むような簡単な作業をひたすらこなします。英単語を覚えるとかジムで筋トレするとかです。新しい事は絶対に始めないようにしています。
あるプロ野球選手がスランプの時にはひたすら走り込みや素振りをしたそうですが、まさにそういう感じです。


逆にツキまくっている時も注意が必要で、ここで調子にのると一瞬でツキが落ちます。

ツキを長持ちさせるには、ツイてる時ほど「どうしたら周囲の気分が良くなるか」だけを考えて行動します。こうするとツキが長持ちするだけでなく、ツキの押し目も浅くて済みます。

逆にブイブイ言わせていた若い起業家とか、ツイてる時に言ったことが災いとなって、落ち目になった時にドツボにはまったりしてました。世間は水に落ちた犬を打つのが大好きなんです。
その他は、ツイてる時は新しい事を始めるには絶好のタイミングです。

なお、重大な投資判断や買い物はツイてもツイてなくも無い、普通の時にするのが程よい緊張感で出来ていいのですが、株は自分のツキとは無関係に判断が必要なチャンスが来たりするのが辛い所です。

以上はまったく根拠のない話でしたが、私はこれでケガや病気をしていないので多分うまく行ってるんだと思います。