2023/12/23

「好きを仕事に」ではなく「得意を仕事に」


今回も著書の補足記事です。

投資ブログを書いている私が言うのもなんですが、私は投資にかける時間はソコソコにして浮いた時間で苦にならない仕事をしたほうがいいのではないか、という意見を持っています。

なぜならトマ・ピケティの r>g は働くより投資の方が資本の成長率は高いことを示していますが、この不等式は大小関係を示しているだけで r が必ずプラスになるとは言っていません。例えば -1%>-3% でも式は成り立つので世の中から働く人がいなくなったら投資家も儲からなくなりますから、楽しくできる仕事があれば働くほうがよいと言えます。

しかし、そんな私でも求人情報などで見る「好きを仕事に!」なんてキャッチコピーについてはそんな仕事あるのかい? と思います。

いや、確かにそんな事例もゼロではないと思いますが、そんな仕事に巡り合える運のよい人は1000人に一人いるかどうかで、大抵の人は月曜日になるのが気が重くなりながら、なんとか自分を鼓舞して頑張っている、と言ったところじゃないでしょうか。

そもそも好きなことがおカネになることは稀ですし、「好きを仕事に!」なんていう理想を求めて続け、合わなかったらすぐ辞めて次へ・・・なんてことをやっていたら、全くスキルもキャリアも身につかず気が付いたら40歳になり、にっちもさっちも行かなくなるのが目に見えています。

百歩譲って、仮にそんな天職を見つけたとしても、時代と共に会社も仕事も立場も変わっていく中で、やりたい仕事をするために発生するやりたくない仕事が多くなってしまい、気が付いたら結局もとに戻っていたりします。

世の中のまともな人は大抵そういうことが分かっているので、多少気が乗らなくてもガマンして今の仕事を続けているのだと思います。

ということで、やはり全ての人にとって楽しい仕事なんかあるはずはないのですが、これの代わりに私は好きな仕事を探すのではなくて、得意な仕事を探してはどうですか、と思います。

得意な仕事とは、人は苦労しているけれどなぜか自分には昔から簡単な事、人は嫌がるがなぜか自分はそれほど嫌では無い、そんな仕事を会社内外(社内優先)で見つけたらチャンスです。おそらくそれはあなたに向いている得意な仕事のはずです。

「好きではないが得意なこと」は探せば結構あるものです。それに別に好きでもないので、周りのその仕事が好きでない人の気持ちもある程度分かるため周りともうまくやっていきやすいです。

そんな仕事を見つけたらダイビングキャッチでGETしましょう! 投資で成功するためにはタネ銭をつくる長い時間が必要ですが、給料だけで仕事を選んでその長い時間を苦しい時間で埋めてしまうと後々後悔しかねません。両方バランスよくやるのが人生のライフハックじゃないでしょうか。

なので著書でも働くことを事あるごとに勧めましたが、好きな仕事を探しましょうとは一度も書いていません。書いてあったら誤植です(笑)

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2023/12/17

外国株投資の円高問題の解決策


先日外貨預金についてXでポストしたところ非常に大きな反響があり、数多くの賛否両論の反応を頂きました。

反応の内訳を見ると、信用度の高そうなアカウントに限れば選択肢の一つとして頭の片隅に置いておくという、どちらかというと賛のスタンスが多かったようですが、全体の単純数としては今、外貨預金は悪手ではないか、という否の意見が多かったです。
否定的な理由は大きく分けると①手数料の問題、②税金の問題、③為替差損の問題、の3つでした。

このうち①はSBI証券内のドルを住信SBIに出す場合は為替手数料も出金手数料もゼロなので特に問題になりません。②は小市民の私たちにとってはルールに沿って粛々とするしかないので諦めるしかありません。
そこで、今回は特に③について深堀りしていきたいと思います。

さて円高傾向の今、外貨預金は為替差損になり悪手ではないか、という意見ですが預金に限らず外貨建投資をする場合、円高になると円ベースで計算した資産は目減りします(円安は逆)。

そのためオルカンやS&P500インデックス投資等の外国株投資も含め、ここを気にする人は非常に多いです。確かに最終的に使うのが円ならば気にするのは当然と言えるでしょう。

しかしこれについて「お金儲けの神様」こと故・邱永漢先生(以下Q先生)が生前、
「株はその国の通貨で見て上がっているかどうかで判断してください」
と喝破されていました。
※勿論、その国のインフレ率以上は増やさないといけないとは思います

この話は今でもQ先生のサイトの読者からのQ&Aの何処かにあると思いますが、あまりにもブログが大量なのでどこに書いてあるかはどうしても見つけられませんでした。GPTさんに聞いても「Q先生の考え方からそう言う可能性はあると思うけど何処に書かれているかは分かりません」と言われてしまいました。
しかし私はそのQ先生の回答が忘れられず、今でもそのように考えて投資をしています。

ただ、実は私もなぜQ先生がこう言ったのか、その真意は知りません。Q先生はその考えに至ったロジックまで説明してくれないこともよくありましたので、理由は自分で考えざるをえないからです。

そこでQ先生のブログをひたすら読み続けて脳内でモデル化した北原GPTで申し訳ありませんが、その理由は「為替の損益まで頭を悩ませて銘柄を選ぶとシンプルに業績とビジネスの将来性を見る選択眼が曇るから」だと思っています。

例えば株はAmazonやNVIDIAのように、成長株は何百倍、何千倍にもなることがあります。それに比べると為替損益などは取るに足らないものなわけで、そんな(どうでもよい)為替損益を気にかけて、タイミングがどうたら言っている間にそのような株を買う機会を逸してしまえば大損害を被ってしまいます。

これをQ先生の口調を真似して書けば「為替なんてそんな小さな事よりしっかりその仕事がこれから陽の当たる仕事になるかどうかを見てください。そんなことを気にしているからダメなんです」といったところでしょうか。

なんか虎の威を借る狐みたいでQ先生ファンからお叱りが来そうですが、もしQ先生の中国企業訪問団に参加されたことがある人で、この辺の話を聞いたことがある方がいましたらぜひコメントください。

話は戻って、まあ前述の通りQ先生はいちいち解説してはくれませんから、この理由が正しいかどうかまでは分かりません。だから私も円高傾向の時に外国資産への投資をためらう人の気持ちは分からないでもない。

しかし私はこれまでも投資について散々勉強し、考え続け、時には損したりしてきて、最終的にバフェットやQ先生の言った通りの考えになった、という経験を沢山してきました。そして実際に財を成すことが出来ました。結局は私がやったことは賢者の真似をしただけだったので今では最初っから聞いておけば良かったと思っています。

そうならばまずは賢者のいう通りにやって、賢者がなぜそう言うのかはその後に勉強すれば良いのではないでしょうか。勉強は何年もかかるのでその間の時間が勿体ないからです。インデックス投資なんて、まさにそのやり方が向いている投資です。

自分の主義と違うからと言って、経験も実績もある先駆者がいう事に拒絶反応を示すより、私だったらなぜ賢者がそう言っているのか考えます。自分のどこと見ている所が違うのかと考えます。
私は15年前、それに気づいてこの記事でコメント頂いた方に褒められたことがありますが、それから12年後、本当にその方の言う通りになりました。

この江戸の隠居さんという方は、その後何回かコメントを寄せてくれた後すっかり姿が見えなくなってしまったのですが、書いてある内容から相当の資産家であると予想できます。そのような人が、あれほどまでに予言を断定的に言って、しかもそれが当たるということは、考え方というものが資産形成のKPIの最上位だということだったのではないでしょうか。

もっとも、誰が賢者かは絶対に見誤らないでくださいね。

ということで外貨建の投資をする場合、為替は気にせずに投資される事をお勧めします。そして円は円で一定の割合で持っておけば良いのです。

それにおそらくですが、超長期では円は弱くなっていくと予想しています。為替は結局は国力に比例するものですので、あなたの髪が白くなる頃には今のレートで交換しても為替損益で損どころか益に働くんじゃないでしょうか。

2023/12/15

投資の儲けは「ずるい」のか?


拙著で「家族など近しい人に資産額を公開するかどうか」についてコラムで書きました。結論は書籍のほうへ譲るとして、ここでは書籍では諸般の事情で入れ辛かった部分を補足として書きたいと思います。

私が思うにこの問題の根幹は、普通の人が持っている「投資での儲けはずるい儲けなのだから、それはあぶく銭である」という認識ではないかということです。

なぜ投資の儲けは「ずるい」と思われるのか。

それは、普通の人にとっても働いてお金を貯めることは大変だ、ということは自身も労働をした経験から深く同意できるが、それ以外でできたお金は働いた訳ではないのだから、楽に出来たあぶく銭である、という論法になっているのではないか、ということです。

なお、それならその「ずるい」方法は誰にでも開放されているので、あなたもやればいいのに、といっても絶対にしないのもご存知のとおりです。

つまり普通の人にとっては投資で得たお金は、前澤さんのお金配りでもらったお金や、ギャンブルや宝くじで当てたお金、相続で転がり込んできたお金と同列であって、「働いて得たお金とは種類(色)が違う」ということなのでしょう。いわゆるお金のメンタルアカウンティングです。

さらにその投資でできたお金が過去の出来事だったりすると、なおさらその認識に拍車がかかることになります。

まるで10年前に車にひかれそうになって危ないところだった、といった昔話程度で
「へーそうなんだ、運がよかったね」
「でも死ななくてよかったじゃん」
で終わりです。

投資で言えばリーマンショックで死にそうになりながらも1億儲けた、という事実があっても
「運がよかっただけだよね」
「で、とりあえず今そのお金残ってるんでしょ。じゃあ奢って」
となります。

とにかくこういう信念を固く持っている人に資産額をしられてしまうと

「私に奢ってくれて&貸してくれて「当然」であって、それをしないのは「ケチ」だ。だってあぶく銭だもの」
という反応が返ってきます。こうなるとあなたの評価は奢ってゼロ、奢らなけばマイナスとなり、どちらに転んでもプラスには1ミリもならないのです。なので、こういう人は絶対に資産額を知られてはいけない相手と言えるでしょう。

ところがまずいことに世の中には結構な割合でこういう人はいるように感じます。だって「投資はギャンブル」「額に汗して働く」というフレーズにあるように、そもそも日本では子供のころからこういう教育を受けていますからね。あながち本人のせいとも言えません。

それとは逆に今この記事を読んでいるような方は投資の経験があるでしょうから、投資の利益とはそんな簡単なものではないことは重々ご承知の事と思います。

それは長期に渡って節約を重ね、さまざまな誘惑に耐えて作った種銭を市場に晒し、リスクに対する恐怖を乗り越え、精神をすり減らし、修羅場を超えて手に入れた尊いお金である、と誰に教わるでもなく自身で気付いて理解していることと思います。

しかし残念ながらそんな認識は株クラの中だけでしか通用しないことを理解しておくべきでしょう。

私は書籍でこの世間の誤解を少しでも解きたいと、リーマンショックやコロナショック時に実際に投資家がどれだけの葛藤とリスクを負っていたかというエピソードを、これまでの本より丁寧に書いたつもりです。
なので、もしこれを読んで頂ければそういったところを少しは理解頂けると思うのですが、残念ながらそもそも普通の人には興味を持って読んでもらえない確率のほうが高いかもしれません。

そういうところに興味がないからお金が貯まらないのか、ある程度のお金が貯まらないから興味がわかないのか、卵と鶏の関係?なのかもしれませんが、この点は歯がゆいですね。

ただFIREが可能になる程度の資産を作った暁にはこの世間一般の認識を受け入れ、少し自分のことを俯瞰して周りがどう見ているのかを理解したうえで行動する必要があると思います。

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2023/12/09

数万字の文章を完成させる方法

今般、書籍を出版するという貴重な経験が出来たので、私の場合の文の書き方をシェアしたいと思います。

これが正しいという訳ではないですが、ひとまずこれで数万字の文章を完成させることは出来たので、長い文を書く際には参考になるかと思います。

それではいってみましょう。

思いついたらすぐメモ

散歩中でも食事中でも、なにかフワッと思いついたらすぐにスマホにメモします。iPhoneで音声メモを取るのも良いでしょう。

目次から書く

メモを参考に書きたい内容をテーマごとに箇条書きで書いていきます。これは他人が見ても意味不明の短文の羅列になると思いますが、書く人にとってはそれがトリガーになって内容を思い出せるようなレベルの物になります。

詳細を書く

テーマごとにPCの前に座ってガッツリ書く時は午前中に書くようにします。夜に書いたものなぜか大抵は自己ボツになります(笑) なんででしょうね。

書く時は調子の良い時に、記憶だけに基づいて裏を取らずに一気に書きます。ここでいちいち調べていると書きたいことがすっかり頭から飛んでしまいます。この一番集中してる時に嫁さんに邪魔されるのは正直つらい。。。

打ち込むのが面倒なときはiPhoneのメモで音声入力を利用します。あっという間に大量の文字が生産されますが結構変換ミスなどが入るので、一区切りついたら忘れないうちに修正しておきます。
後から直そうとすると喋った本人が見ても何を言っているのか分かりません(笑) プログラミングの世界で言われる「1ヶ月前に自分が書いたコードは既に他人のコード」という格言(?)と同じです。

書いてから2、3日はふとしたはずみに追記修正点などを思いつく事が多いのですぐ公開せずに少し放置熟成しましょう。

校正する

裏を取る必要がある部分については、ここでググるなりして調査していきます。根拠になる証拠は専用のフォルダにまとめて保存しておきましょう。たまにこの段階で自分の思い込みだったことが発覚し、テーマごとボツになることもあります(涙)

Wordを利用すると単純な誤字や打ち間違いは赤線が付くので機械的に直していきます。

テーマごとに移動や入れ替えも行い構成を直します。

表記の揺れを発見したときは置換機能で単語ごとに作業を完了させます。途中で作業を止めるとそのまま発見されにくくなり危険です。

(ブログ等ではここまでしなくても良いかと思いますが)ミスは全部音読すると見つけやすくなります。

削る

無駄や冗長な部分を見つけ次第、徹底的に削ります。

必然性のない過激な表現は丸めます。


以上、それほど長くないブログ記事を書くのにも同じように使えるかと思います。

実際、簡略的にですがこの記事も同じように書いています。見出し部分が最初のメモで、その中の詳細を肉付けしていっています。


2023/12/02

2024年の投資戦略


来年の相場予想

そろそろ2024年の投資戦略を決めるために来年の相場を予想しました。

毎年この時期にこの作業をしているのですが、その理由は去年も述べたとおり年一回その時の状況を全て含んだ基準点を作っておくと、後から何か起きてもそこからの差分を考えるだけで済むので楽だからです。

こうしておくと今後どんどん状況が変わっていく中で、ここが変わったからここの考えを変えてこうしよう、といった具合にスグに行動できるのです。

というわけで本題に移りたいと思います。

まず結論から言うと、たぶん景気後退は来る。そしてそれはたぶん来年だと思うけれど、もしかしたら再来年までずれ込むかもしれない。はっきりした時期はわからないが来るものは来るので、その「少し」前にキャッシュは株に投入したい、ということです。

その理由は次のようなものです。

大局的予想

まずもうみんな忘れてるかもしれないですが長短金利が逆転してからだいぶ経っています。金利が逆転するとその後しばらくして高い確率で不況に陥ることが知られています。
忘れた頃が特に危ない。それはそろそろではないかということ。


(超短期金利差のグラフ 出典:FRED)

最近は軟着陸の可能性が高まってはいますが、残念ながら過去の歴史からはこれが実現できたケースは極めて稀と言えます。むしろもしそれが出来たらパウエル議長はポール・ボルカーやアラン・グリーンスパンと並ぶ歴代最高のFRB議長と評価されることになるんじゃないでしょうか。
とすると、保守的に予想するなら今回もやはり不況がくる前提にしたほうがよいと思います。

そして最近FRBはインフレ退治のための利上げを打ち止めにしたようですが、それはさらなる引き締めがなくなっただけで相変わらず金利は高水準に変わりありません。これはボディーブローのように景気の下げ圧力として効いてきます。

この予想が現時点での来年の大局観的な流れですが、来年の相場を見て前提となるこの流れが変わらなさそうなら以下の細部の予想のもと投資戦略を練りたいと思います。

細部の予想

その細部の予想とは、今回、FRBは弱い景気指標が出てきても簡単には金利を下げないのではないかという事です。

そもそも今の市場参加者が期待しているように景気の軟着陸が成功したり、現在の株高が継続するなら利下げどころかFRBにとっては利上げ要因になるくらいです。
しかし私はその逆、不況になりそうでもしぶとく高金利を続けるのではないかと思っています。

私がそう思うのは、1970年代の米国におけるスタグフレーションの際、FRBは拙速に利下げを行い金利操作をしくじった歴史があるからです。

その当時、高インフレと戦っていたFRBはインフレが一旦収まりそうになった段階で政治の圧力に負け金融緩和に舵を切りました。これが大失敗で物価上昇は瞬時に火柱のように再燃しFRBはこの後始末に大変苦労しました。そしてこのドタバタをポール・ボルカーが終わらせるまで、FRBの威厳は著しく失墜しました。

(データ出典:FRED)

グラフの一番右を見ると、今回のインフレ局面でもFRBは当初インフレは一時的、と長くアナウンスしコロナからの景気回復のため金融緩和を優先した結果、途中からインフレが暴走して引き締めが後手に回ったことが見て取れます。

これはパウエル議長自身、痛恨のミスだと思っているはずで出口でしくじってまた過去のFRBのように威厳を失ってしまうことだけは避けたいのではないかと思います。
具体的に上のグラフで言えば、相当に長い時間オレンジのラインが青を上回るレベルをキープするのではと予想します。

すると、ちょっとやそっと景気の弱さを示す指標が出たとしても、少し(4%程度まで?)はやるかもしれませんが、大幅にはそう容易くは緩和してくれないのではないでしょうか。
現在CME FEDウォッチを見ると来年半ばくらいに緩和に舵をきるのではというのが市場のコンセンサスのようですが私はこれはやや見通しが甘いと感じます。

いや、確かに最終的には助けてはくれるとは思いますが、それは景気悪化指標が出始めて株が沈没し、海に投げ出された投資家がFRBが助けてくれるはずとチラチラFRBの方を見ている時は起こりません。

それを見た市場参加者が「アレっ!?助けてくれないの?!」と青くなり、さらに最初の二、三人が実際に溺死しギャー!!😨とみんながパニックになりだしたタイミングでやっとそういう話が出始めるのではないでしょうか。
そして実際にFRBからの助け船が来るのは、100人中20-30人が溺死した頃だと予想しています。

実際の投資行動

すると、実際の投資行動としては、できるだけMMF等のキャッシュ同等物で引っ張って5%近い金利をエンジョイしながら、皆が溺れだしてパニックになり、利下げが始まる直前のここだ!というタイミングで投入、というのがベストシナリオと考えます。

そして実際に景気悪化が誰の目にも明らかになるのは、さらにそれから暫くしてからでしょう。

従って金利低下の前に株の大底がくると予想しており、そのタイミングもかなりシビアになりそうと思うので、余った資金はキャッシュにて待機しようと思っています。

もっともその場合でも下げ幅としては大したことはなく、最悪でもせいぜいS&P500で4000レベルではないかと見ています。
これは現在それほど市場に投資家の慢心が溜まってないように感じるのと、相場の足踏みももう2年ほど続いており、その間の経済成長を考えるとある程度のファンダメンタルズの下支えはあると思っています。

なので、2023年の秋ごろに4200レベルでフルポジにした場合は、そのままホールドで全く問題ないと思います。

さらに言えばここまで述べてきたことは所詮お遊び範囲のキャッシュでするべきもので、7割がたの資金は既になんらかのアセットに投資されていなくてはならないと思います。

私の場合はどこからどう見てもこれはバブルでしょう、という時でやっとキャッシュ率を50%にする程度なので、そこからすると今の株価レベルは超長期ではフルポジにしてもなんら問題ないレベルかと思います。

また、下げ始めると例によって「今回は違う」論が出始めると思いますし、ハマス・イスラエルの戦闘後の展開など最近はアメリカの弱体化を示す出来事も散見され始めているので、その時は「アメリカの時代ももう終わり」「従ってアメリカ株ももう終わり」というような論調も流れる事と思いますが、巨大な船はそう簡単に進路は変わりませんので1-2年でそういった方向に全振りするのは間違える確率が高いでしょう。