2017/06/28

生産性と効率化

どんな企業でも内部では効率化の工夫が日々繰り返されており、生産性の向上を目指しています。
たった1人の個人事業主でも、従業員10万人の巨大企業でも、これは共通でしょう。

効率化とは具体的には今まで人手が掛かっていた作業を自動化したり、同じ結果を出すためにその作業自体を無くしてしまう工夫になります。

これを究極まで突き詰めると「何もしなくてもお金だけ入ってくる仕組みを作ればよい」ということになります。

私は十数年前にそう思って、そのひとつの解として配当金という手段を考えたのですが、世間にはそういう風に考える人は少ないようです。

私の周囲では相変わらず「今ある作業」をなんとかコンピュータを使って自動化しよう、ということに血眼になっています。なぜそっちなんでしょうか。
そしてまたそのシステムを保守するための仕事を増やしているという・・・。

まあ全員が全員、私のように考えてしまったらある意味世の中成り立たない部分もあるので、私としてはそれはそれでいいのですが、いつも不思議に思ってます。


2017/06/21

投資家教育

私は他人に投資はすすめません。

理由は「投資=ギャンブル」と思い込んでいる人に投資話をするだけで煙たがられるに決まっているし、そもそも儲かる話は自分だけ知っていた方がトクだと思うからです。
小判がザクザク埋まっている場所を他人に秘密にしておきたいのは人情でしょう。

でも例外があって、自分の子供にだけは教えたいと思っています。

しかしカエルの子はカエルといえども、無理に教えようとすればやはり他の人と同じように嫌がるでしょう。
人は自分で必要と思わない限り、絶対に正面から学ぼうとはしないものです。

なのでいまわの際にこのブログのURLだけ教えておいて、後は自分で必要だと思った時に勝手に読んでもらえればいいと思っています。

まあこのブログを最初から読まれたら「投資でプラスになる奴にナイスな奴はいない」と言う事に気づいて、やっぱやーめた、と思われるかもしれませんがw

それはそれでいいでしょう。普通そんなもんです。
世界中どこを見回しても、歴史上のどんな権力者でさえ自分の死後に子孫が思った通りになった例を見たことがありません。

特に財を残して死ぬと大抵はロクなことにはなりません。古くは子孫同士で殺し合いを始めたり、今なら「争続」になること請け合いです。
たとえ遺書を残しても「それは無効だ!」とか言いだす輩が出てくるものです。
それがカネの魔力というものです。

だからカネよりは事業を残した方がいいし、出来れば後世に役立つ人を残せば最高だと思います。

また、未来には資本主義自体が限界に達する可能性だってあります。

そんなこんなの不確実性を考えると、私が最も伝えたいのは「その時々のルールと状況を見て自分はどうするか、必死に考えてほしい」という事です。


2017/06/18

インデックス投資がもっと流行ってほしい理由

私は株式投資で下の二つは正しいと思っています。
  • インデックス投資
  • 人は株が上がると買いたくなり、下がると怖くなって売る
ひとつひとつは割と納得いく話だと思うのですが、この二つともが正しいとすると、実際に起こる事はこの二つの相乗効果になります。

それは優良株のボラティリティの上昇じゃないでしょうか。

というのも、今や機関も個人も取引量の半分くらいがインデックス絡みの売買と聞いていますが、そうすると相場過熱時は実力以上に優良株が買い上げられ、悲観になるとその逆になりやしないでしょうか。まさにニフティフィフティの再来。

そう考えると個別株投資家にとっては優良株が捨て値で買えるチャンスが増えますので、インデックス投資はもっと流行ってもらいたいものですね。

本当にこうなるかという点ですが、例えばインデックス投資ブログでは超大御所の梅屋敷商店街のランダムウォーカーさんという老舗ブログがありまして、私も一時期フォローしていました。そのブログで一度、ためになった記事がありました。

それはリーマンショック時の話で、それまで管理人と一緒になって「インデックス投資は最も賢い投資ですよね!」「私もほったらかし長期積立投資していきます!」と言っていた読者たち。

それが株が下がったとたん豹変し、うろ覚えですいませんが「詐欺師!」「死ね!」みたいな罵倒がワンサカ来たそうです。中には名前は違うのに同じIPアドレスだった人もいたそうです。
そして当時多くのインデックスブログが閉鎖または更新停止となりました。

リーマンショック以前の投資家がアホで、それ以降の投資家が急に賢くなるなんてことは万に一つもないので、単なるリセッションでさえ、また同じことが起こるだろうと私は見ています。

インデックスに限らずFXや外国株においても似たり寄ったりだと思うので、私はあまりコダワリは持たないようにしています。

私はBRKに負けたらBRKを買うし、インデックスに負けたらインデックス買うし、日本の労働規制が撤廃されたら日本株に戻るかもしれないし、要はお金がラクに効率よく儲かりそうな所にいたいと思っています。

日本に生まれただけで全人類中でかなりのイージーモードなのに、さらにベリーイージーモードがいいなんて、我ながらとんでもない奴だとは思いますけどね。


2017/06/15

父の思い出

今の時期、世間で父の日セールをやっていたのを見ていたら父の事を思い出したので今回は父について書こうと思います。
なんだかんだ言っても私が今の状況にあるのは父の影響が大きかったと思いますので。


私の父は他界して既に久しいです。

父はいわゆる典型的な昭和のサラリーマンでして、金持ちでもなく貧乏でもなく普通の父さんでした。

私が小さかった時はとにかく仕事ばかりしていて、夏休みもどこにも連れて行って貰えませんでした。そのため新学期が始まってから夏休みの思い出という作文のネタがなく苦労した覚えがあります。

父はだいたい毎朝7時くらいにチャリで出勤し帰宅は深夜でした。さらに昭和の時代は土曜も会社がありましたので、この調子で週6勤で働いていました。

そして土曜の夜は部下3人とともに仕事を持ち帰ってきて、母が全員に夕食をふるまった後、もうもうとタバコの煙の立ちこめる部屋のコタツで部下達と仕事を再開していました。

私はそれが始まるとタバコ臭いのでいつも逃げていましたが、父たちはそのまま朝まで仕事をしていたようです。

今からすると機密情報を持ち出しや、働き方がブラックそのものでツッコミどころ満載なのですが、当時の日系会社はどこもそんな感じで、会議がAM1:00から始まるなんて事もよくあることだったようです。(ソフトバンクの孫さんは今でもそんな感じらしいですが)

私はそんな光景を見続けて育ったので、中学生になるころにはすっかり中二病を拗らせてしまい、周りの生徒が将来サラリーマンになることを夢見ている中で、自分は「会社員なんてクズ」と斜に構えていたのでした。

そんな信念が既に出来上がっていたため、当然のように思春期には父との摩擦は絶えませんでした。

例えばこんな感じです。


父:お前!そんな遊んでばかりいたらいい会社に入れないだろう!

私:なんで会社なんて入らなあかんの?

父:大人になったら会社に入るもんだろう!

私:別に会社なんて入る気ねーし

(ここで父は部下の評価表を持ち出してきて)

父:会社に入ったらこんなふうに上司に評価されて給料が決まるんだよ!(バンバン!)

私:だから俺は人と同じことなんてしねえって言ってんだろ!なんでお父さんの話はいつも全部会社なの?

父:お前は社会を舐めている!お前のような甘さで飯が喰えると思ってんのか!!

私:人に使われてるだけの人間に何言われても聞く気ねーし。そんなこったからお父さんはその程度の人生で終わってんだよ

私:グモッ!!!(←殴られる音)



てな具合です。


こんな関係はその後も続き、私が就職するまで(←結局会社に入ってる)すれ違いは絶えませんでした。

というか就職時にもまだ私が入る会社について虚業だとか、もっと電機メーカーや電力会社とかに入らなくては駄目だ、などとブツブツ言っていました。

このような成長過程を経て私も社会に出たわけですが、仕事をして何年か経つと、あまり父と話す必要も時間も無くなり、過去にそういうイザコザがあった事さえ自然に忘れていました。

そんなある日、ふと気づきました。

なんか、いわゆる「美味しい仕事」が良く回ってくるのです。

なぜか・・・。

当時働いていた会社は年俸制で残業代は出ません。
しかし私は父のあの働き方を見て育ったので、終電まで会社にいるのは私にとって「普通」のことでした。
いやむしろ徹夜しなくて帰れるならそれは有難いことであり、私にとっては「早退」のような認識でした。

すると、上司という動物は、そういう社員には無形の報酬を与えたがるものなのです。どう考えても普通にこなせば歩合の良い報酬が貰える美味しい仕事が回ってくるようになりました。

もちろん上司は口に出してそんなことは言いません。言いませんが、どう考えてもそうでないと辻褄が合わない状態だったんです。

そして、それを普通にこなすだけで、お金だけでなく実績もついてきます。
気づいたら社会人数年目にしてそれなりの実績と貯金という資産が出来ていました。

この資産が、今の私の資産の雪だるまの芯になっています。

貯金は投資に向けましたし、実績という資産はそれにレバレッジを掛けてより上位の会社へ転職することでより金融資産が増えました。

ある程度の資産を作ろうと思ったら、最初は労働した方が圧倒的に早くお金は貯まるんです。1000万円くらいまでは、投資の勉強なんてするよりも働いた方が何倍も効率は良いでしょう。



ここまでで既にかなり父には影響を受けていると言えますが、まだ続きがあります。

私の就職後に父がどうなったかというと、子会社の取締役になりました。
しかしこれは父にとっては不本意な結果です。父は本社で出世してせめて部長になるのが夢でした。

それを糧にブラック労働を続け、課に割り振られた残業手当の上限枠もすべて部下に付け、自分は残業代ゼロで働いてきたのに、叶わなかったのです。

昭和の日本企業は優しくて、そういう社員には子会社の役員のポストを用意してくれたのですが、それが何を意味するのかは周知の事実でしたので父の落胆は相当なものだったと思います。

そして、18歳から数十年のブラック労働の間に父は体を何度も壊し、数度に及ぶ入院と手術でボロボロになっており、取締役になった後は以前のように働くことはできず、そのまま50代前半で早期定年退職を選択しました。

その頃になると父の言う事が一変してきました。

「会社なんて、どんなに尽くしても報いてくれないよ」
「どんなに忙しくても、絶対に夕食は7時に食べなさい。良いものを深夜にたべるより、悪いものでも7時に食べる方がいい」


というようなことです。

あんなに会社命だった父がこんなことを言うなんて!!と、父の変化に驚いたのは言うまでもありません。

この一件は私にとってかなり重いものでした。
私が会社なんて辛かったらバックレようとか思うようになったのは、こういう事が過去にあったからです。

おかげさまで、私はまだ一度も病気で腹を切った事もないですし、元気に生きています。

この難しい社会の中で私が資産と健康という2大要素をうまく操縦してきた背景には父の影響は無視できないと思っています。



随分長くなってしまいましたが最後に、父と衝突していた頃に最後によく言われた捨て台詞を思い出しました。
「親の言う事が正しかったとお前もそのうち分かるに決まっている」
というやつです。

断言しますが、今でも全く分かりません!

言う通りにしなくて本当に良かったと思ってますし、これからもそうです。

父が私の就職先に望んでいた電機メーカーや電力会社はどうなったでしょうか?電機メーカーは青息吐息ですし、電力会社は未曾有の大災害により将来が明るいとはお世辞にも言えない状況です。

そして極め付けは、父が人生の全てを捧げたと言っていい会社は、米国で原発事業の買収で失敗し、巨額の損失によりそれまでの社員の努力の結晶をすべて失って、今まさに倒れかけています。

今この状況を父が見たらどう思うでしょうか。悲しむでしょうか?

親と言うのはいつの時代も30年前の常識で話をしているのです。
その陳腐化した固定観念で話している親に自分の人生を決めてもらって身を滅ぼしても、その時親はもういません。だれも責任を取ってはくれません。

投資も人生も自己責任なんです。
結局私が父から学んだ最も重要なことは、自分で決めることの大切さだった言えるでしょう。今を生きるのに必要な感性は、絶対に現役である自分の方が正しいに決まっているんです。



P.S.そうは言っても、私の運用資産には父の命の代償ともいえる遺産も入っています。なので、私は資産額を公開していません。全部自分で稼いだ分ではないですから。今後も余程のことが無い限り、この分を株に突っ込むことは無いですが、余程の事が起きた時は私の裁量で突っ込もうと思っています。(2023/05/28追記:これはコロナショック時に現実のものになりました)

それで結果を出して、今度は私が「ほらね、親の言う事がいつも正しいわけじゃないだろ?」と捨てぜりふで父に自慢したいです。ただ、失敗したら墓の前で「やっぱり親の言う事が正解でした」と土下座です。

関連記事:私を株中毒にした母の思い出

2017/06/13

新聞記事の信ぴょう性が低いワケ

先日、某大手新聞社から取材を受けました。
とはいっても株の取材ではありません。

このブログはお金についての記事が多いのですが、基本的には駄ブログでして、いろいろなテーマがあります。今回はそっちの方に食いついて頂きました(笑)

最初は取材を受けるかどうか迷ったのですが、受けた理由は大手新聞社が記事の信ぴょう性をどうやって担保しているのかにちょっと興味があったからです。

いきなり結果から言うと、もはや新聞なんて読むならそのクラスタの人気ブログの1エントリを読んだ方がいいかも、ということが分かりました。

基本的に記者は問題提起できそうなテーマについてざっくり情報を集めて、ストーリーを練るようです。

その後、記者は普通はそのテーマについて当事者でないものですから、いわゆる「詳しい人」の話をたくさん聞きます。そして自分のストーリーに合うような話をしてもらうように誘導します。

これこそが記者の腕の見せ所のようです。つまりなんのことはない、株で言う確証バイアスの話と同じです。自分に都合のいい話を集めてるだけ。

そして、その「詳しい人」の本人確認ですが、これまたお粗末としか言いようがありませんでした。基本は電話番号さえGET出来ればOKという感じです。対面することもありません。

その「詳しい人」の言ってることが本当かどうかとか、そのテーマについて語る資格があるかという点は全くノーチェックでした。これじゃ2ちゃんを見て記事をかくのと同じじゃないですか。

まあ、複数の話を突き合わせて信ぴょう性を担保してるのかもしれませんが、それなら詳しい人本人が書いてるブログのほうがよっぽどマシというものです。

そのクラスタ第一人者のブロガーがブログで間違ったことを書けば、他の「詳しい人」が次々にツッコミを入れるでしょうし、それに関して反論すればさらに議論が深まります。
#まあネットはこういう議論をするには不向きなメディアですが。

おまけに、取材に協力してもなにもご褒美はありませんでした(笑)。
ブロガーだったら1記事かいたらアドセンスで幾ばくかの収入にはなるでしょうにw

結論として、新聞記事の信ぴょう性なんて意外に大したことないな、と思った次第です。
まあ皆さん、「(知ってた)」ですよね。

今の時代、「人の話をたくさん聞いてきた人」の話より、実際の経験者、中の人が発信する話のほうが何倍も価値があるんでしょうね。

そもそも新聞は聞いてきた話をうまくまとめたキュレーションサイトですから、基本的に今の時代に合っているはずもありません。

少なくとも紙の新聞は資源の無駄遣いだし、速報性ないし、オワコンだと思います。

2017/06/04

起業? OR 投資?


私は15年くらい前、今の日本で夢のある資産を築くには起業するか投資するかしかないと思いつきました。それで自分はどうするか暫くあーでもないこーでもないと悩んでいました。

まず起業したらどうかと考えてみました。しかしこれはなかなか難しい。
私には稲妻が走るような良いアイデアなんてないし、あってもうまくやる自信もありません。

そもそも仮にこれは!と思うアイデアがあったとしても、おそらく1万人くらいは同じことを考えていると、ある起業家から聞いたことがあります。

そしてその中で実行するのが100人にひとり。その中でうまくexitまで行くのがさらに100人にひとりだそうです。

しめて成功確率1万分の1。つまりアイデアなんていうのは成功の要因の1%くらいで、ほとんど泥臭い苦労こそが起業の成功には必要なのです。

私も当時、ケータイ(スマホじゃなくてケータイね)で広告モデルの無料ゲームサイトなんてどうかな?と考えていたことがありました。その後モバゲータウンとか出てきましたけど、どうせ私が仮にやったとしても、きっとDeNAにはなれなかったでしょう。(実際には行動さえも起こさなかった訳ですが。)

もちろん、やって成功した場合は数年で数千億円の資産もちです。しかし99%なるであろう失敗したケースのダメージは半端ないです。

サラリーマンが副業でせどりをやるようなチンケな覚悟ではお話になりませんから、やるなら会社は退職です。

そして1~2年は無収入どころか持ち出し生活の末、もがき苦しんだ揚句、諦めた後のことを想像すると、残されたものは無職で全てを失って老いた自分でした。

私は池袋あたりのパチンコ屋裏にある騒音まみれの築40年の1K木造アパートでひとり暮らす自分の姿を思い浮かべ、目頭が熱くなりました。これはキツイ。



一方、投資の場合はどうでしょうか。

とりあえず投資なら、会社を辞める必要はありません。

投資で増やすには時間がかかりますから、成功しても時間的に数億程の小金もちレベルどまりかもしれませんが、悠々と社畜からはおさらばできます。

そして仮に失敗しても、とりあえず飯は食えます。株でオケラになって40歳で貯蓄ゼロかもしれませんが、まあその程度です。だからどうだと言うのでしょうか。破滅するほどではありません。

私はこの二つの道を考えて、どう考えても投資の方がリスクあたりのリターンが良い、株的に言えばシャープレシオが高いと言う結論に達しました。
それでこれをやる事にしたのですが、15年前の当時の仲間たちのほとんどは起業の道を選びました。

その後彼らがどうなったのかは、私は知りません。



ところが、最近ひょんなことから、その中のひとりのその後を知ることになりました。

私がたまたま使おうと思ったサービスについて、運営会社が信用おけるかどうかHPをチェックしていたら、創業者の紹介ページになんとそいつの顔と名前が載っていたんです。

しかもその会社は今をときめく技術で日本でリーダー的な立場にあり、日本を代表する十数の名だたる企業から数十億の出資もとりつけて上場寸前。
おそらく現時点でも百億の企業価値は有しているとおもわれます。

なんとそいつは、1万人に1人の大ギャンブルに勝っていたんです!ついに成功者現る!

いやはや、完全に抜かれてしまいましたね。
しかしやりやがったなー。気分がスカッとする程すごいことです!

しかし!

まだ試合は終わっていません。
私にも再逆転のチャンスはまだありますし、私は私で精進していきます。