今日はお金に対する今の私の見方についてクダを巻きたいと思います
経済学では通貨は「価値の尺度」「価値の保存」「交換の手段」という三つの機能を持っていることになっていますが、私はこのうち「価値の保存」は嘘っぱちだと思っています。私はお金は腐ると思っています。
なぜか。
お金とは社会的、個人的な面の両面から腐っていくからです。
社会的に腐るとは、ズバリ「インフレ」です。こちらは大多数の人が同意して頂けるんじゃんないでしょうか。
問題は「個人的に腐る」の方です。こちらの方が確実に、しかも破壊的に価値を毀損するからです。
例えば15歳の男子が1万円を手に入れたらどうでしょう。大喜びでパズドラの魔法石が何個買えるとか、ワクワク考えるでしょう。
20歳の男子が1万円を手に入れたらどうですか。このお金でどこに彼女とデートに行こうとか、期待と股間を膨らませるかもしれません。
翻ってもうすぐ死にそうな爺さんが1万円を手に入れたらどうでしょう。1万?いらんわっ!!!と思うんじゃないでしょうか。
つまり、お金はそれを受け取る人の年齢で大きく価値が異なります。
お金とは若ければ若いほど価値があり、死ぬ時に腐って実質的に価値がゼロになるのです。
つまり、お金とはなるべく若いうちに使ってしまうに越したことはないのです。
しかし、しかしですよ。
お金とは、水風船のような面もあるのです。
水風船って針でちょっと突っついただけで、パーンと破裂してしまいますよね。あれと同じです。
お金はいったん使い始めるとタガが外れて、あっという間にスッカラカンになるまで使ってしまうという恐ろしい一面もあります。
何百億の年俸をもらったアメリカのプロスポーツ選手が引退後に破産したとか、宝くじで数十億当たった人が数年で破産したとかいう話はよく聞きます。
長野県で年金を23億円横領して、銀座できれいさっぱり使い切ったオッサンもいました。
従って、お金を使うときには本当に使う価値があるかどうかを吟味して穴が爆発的に広がらないように使わないと、いくらあっても生活に困るレベルまですぐに落ちてしまうものです。
1秒でも若いうちに使わなくてはいけないのに、使う前に価値を十分吟味する・・・お金は稼ぐより使う方が難しいというのは富豪がよく言うセリフですが、納得です。
以前Q先生も「お金は稼いで半製品、使って完成品」「でも1代で完成品に出来なくて、親子2代で完成品にしている家族をよく見かける」とよくおっしゃっていたのを思い出します。
それでは使い切れないほど稼いでしまったら、一体何に使えばいいのでしょう?「世界一お金を使うのがうまい」と言われたロックフェラー2世のように使えれば文句なしですが、それには時間もパワーも才能も必要です。
これは実際にそうなった賢人が何に使ったかが参考になります。
ビルゲイツ、バフェット、ザッカーバーグは何に使ったでしょうか。全員「寄付」です。
お金は稼ぐのが得意な人は稼いで、使うのが得意な人に使ってもらう。これが答えでしょう。
そう考えると、せいぜい数億円以上のお金は持っていても意味がないことになります。どうせ寄付しちゃうんですから。子供になんか相続したらロクな人間になりませんしね。
FIREを達成した管理人による思考の備忘録。著書『投資で「3億円FIRE」したぼくがすすめるたった2つのこと』
2016/01/23
借金してまで株は買いません
フラッシュクラッシュという現象が最近時折みられるようになってきました。瞬間的に大暴落し、すぐに元値付近まで戻る現象です。
私の記憶では2010年5月6日の暴落が、この単語を聞いた最初だったと思います。
直近では去年の夏のチャイナショックで、ダウが一瞬だけ1000ドル以上下がってすぐに戻りました。
フラッシュクラッシュは超高速自動取引とインデックスを代表するETFなどが原因と聞いていますが、私たちにとって重要なのは一瞬だけでも保有資産が大幅下落する瞬間が「ある」ということです。
これが何を意味するかと言うと、信用取引や先物などのレバレッジ取引、何らかのノックインがある仕組債、ロスカットを設定していたポジションを持っていた投資家は、一瞬で生首になるということです。
平穏な夜にヤフーニュースに「フラッシュクラッシュ」という単語が出たから何気なく口座をみてみたら、何千万円もあった残高がマイナスになっている・・・!?えっえっ?ということが実際に起きるかもしれないのです。
この悪夢を避けるには損切が不要な投資方法しかありません。
私の記憶では2010年5月6日の暴落が、この単語を聞いた最初だったと思います。
直近では去年の夏のチャイナショックで、ダウが一瞬だけ1000ドル以上下がってすぐに戻りました。
フラッシュクラッシュは超高速自動取引とインデックスを代表するETFなどが原因と聞いていますが、私たちにとって重要なのは一瞬だけでも保有資産が大幅下落する瞬間が「ある」ということです。
これが何を意味するかと言うと、信用取引や先物などのレバレッジ取引、何らかのノックインがある仕組債、ロスカットを設定していたポジションを持っていた投資家は、一瞬で生首になるということです。
平穏な夜にヤフーニュースに「フラッシュクラッシュ」という単語が出たから何気なく口座をみてみたら、何千万円もあった残高がマイナスになっている・・・!?えっえっ?ということが実際に起きるかもしれないのです。
この悪夢を避けるには損切が不要な投資方法しかありません。
私が信用取引など、レバレッジを掛けた借金によるポジションを絶対に立てないのはこのためです。
市場は何事もなかったように昨日と同じ株価をつけているのに、自分の口座は空っぽになっているなんて、狐につままれたような話じゃないですか。
市場は何事もなかったように昨日と同じ株価をつけているのに、自分の口座は空っぽになっているなんて、狐につままれたような話じゃないですか。
http://investment-life-blog.blogspot.com/2016/01/blog-post_23.html?m=0借金してまで株は買いません
2016/01/09
ダブルスタンダード
株の世界は生き馬の目を抜く世界だと言われますが、そりゃそうでしょう。
労働の結晶である、現ナマのお金を直接やりとりする勝負なのですから、濃さが違いますよね。
だからいろいろな規制はあるものの、みんなその中で日々ギリギリの真剣勝負をしているのです。
そんな世界ですから、大抵の市場参加者は「モラルって何?」というスタンスで、規制の範囲内なら金のためなら何でも仕掛けてきます。(しかしながら実際に長期的にお金を儲けているのはモラルのある少数派だったりしますが。)
それを徹底してやるのが村上ファンドや海外勢のアクティビスト投資家などです。
私は規制内でやる限り「ご自由に」と思いますが、そういう投資家に対して大多数の日本国民は大きな嫌悪感を抱くようです。
マスコミの影響もあるでしょう。例えばアクティビストがどこかを敵対的買収しようとすると、あたかも乗っ取り屋のようなイメージで報道され、大抵は嫌われ者にされてしまいます。
でも本来、企業は株を買ってほしくて上場しているはずですので、ちょっとおかしな話です。だってこの話を三行でまとめると
企業:「上場したのでわが社の株を買ってください」
村上:「ほな買います」
企業:「お前は買うな!」
という感じなわけで、もはやコントと言えなくもないですもんね。
このような敵対的買収に対する拒絶感はアメリカの方が少ないようです。
しかしながら、アメリカもたまには日本のようなやり方で買収を妨害することもあります。
でもそこは一つ筋が通っていて、どうでもいい会社に関しては市場のルールに任せるけれど、国家に対して不利益となるなら認めないという点です。
例えば、もし誰かがLMTやNOCのような軍需企業を買収しようとしても、いくら金を積んでも多分ダメでしょう。
要するにダブルスタンダードな訳ですが、まあ株は大人の世界なので、そういうのもゲームの一要素と考えてプレイすれば、むしろ面白いというものです。
翻って日本はどうでしょう。
2007年にブルドックソース事件というのがありました。米国の投資ファンド、スティール・パートナーズがブルドックソース(2804)を買収しようとした事件です。
このブルドックソース、事業は安定しているのに剰余金を配当も投資もせず不必要にため込んでおり、結果、ROEが万年低くなるクズ経営を行っておりました。
ところが、すったもんだで裁判までやった挙句、ほぼ「ハゲタカは帰れ!」という判決が出て買収は失敗したのです。
日本にとって時価総額100億円くらいのソース会社は国家の運命を左右する重要企業なんですかね(笑)
いや、確かに、もしオタフクソースが買収されて味が変わったら、一部の関西人にとっては生死にかかわる重大な事態と言えるかもしれないですけどねぇ(笑)。ブルドックはどうでしょう?
そしてこれを見た他のクズ上場会社の経営者はホッと胸を撫で下ろしたことでしょう。なんせ裁判所のお墨付きを頂いたんですからね。これからも安心して今まで通りのクズ経営を続けることが出来ます。
こうして市場は襟を正す機会を逸して、だんだんと全体がクズ化していくのでした。
まあ投資家としては、そんなキモい国からは黙って資金を引きあげるのみです。
このグローバル化した現在で、幕末じゃあるまいし無理して自分の周りを変えるより、自分がまともなところに移動した方が早いですから。
P.S. その後のブルドッグソースの株価等は、ぜひ各自ご確認ください。
労働の結晶である、現ナマのお金を直接やりとりする勝負なのですから、濃さが違いますよね。
だからいろいろな規制はあるものの、みんなその中で日々ギリギリの真剣勝負をしているのです。
そんな世界ですから、大抵の市場参加者は「モラルって何?」というスタンスで、規制の範囲内なら金のためなら何でも仕掛けてきます。(しかしながら実際に長期的にお金を儲けているのはモラルのある少数派だったりしますが。)
それを徹底してやるのが村上ファンドや海外勢のアクティビスト投資家などです。
私は規制内でやる限り「ご自由に」と思いますが、そういう投資家に対して大多数の日本国民は大きな嫌悪感を抱くようです。
マスコミの影響もあるでしょう。例えばアクティビストがどこかを敵対的買収しようとすると、あたかも乗っ取り屋のようなイメージで報道され、大抵は嫌われ者にされてしまいます。
でも本来、企業は株を買ってほしくて上場しているはずですので、ちょっとおかしな話です。だってこの話を三行でまとめると
企業:「上場したのでわが社の株を買ってください」
村上:「ほな買います」
企業:「お前は買うな!」
という感じなわけで、もはやコントと言えなくもないですもんね。
このような敵対的買収に対する拒絶感はアメリカの方が少ないようです。
しかしながら、アメリカもたまには日本のようなやり方で買収を妨害することもあります。
でもそこは一つ筋が通っていて、どうでもいい会社に関しては市場のルールに任せるけれど、国家に対して不利益となるなら認めないという点です。
例えば、もし誰かがLMTやNOCのような軍需企業を買収しようとしても、いくら金を積んでも多分ダメでしょう。
要するにダブルスタンダードな訳ですが、まあ株は大人の世界なので、そういうのもゲームの一要素と考えてプレイすれば、むしろ面白いというものです。
翻って日本はどうでしょう。
2007年にブルドックソース事件というのがありました。米国の投資ファンド、スティール・パートナーズがブルドックソース(2804)を買収しようとした事件です。
このブルドックソース、事業は安定しているのに剰余金を配当も投資もせず不必要にため込んでおり、結果、ROEが万年低くなるクズ経営を行っておりました。
ところが、すったもんだで裁判までやった挙句、ほぼ「ハゲタカは帰れ!」という判決が出て買収は失敗したのです。
日本にとって時価総額100億円くらいのソース会社は国家の運命を左右する重要企業なんですかね(笑)
いや、確かに、もしオタフクソースが買収されて味が変わったら、一部の関西人にとっては生死にかかわる重大な事態と言えるかもしれないですけどねぇ(笑)。ブルドックはどうでしょう?
そしてこれを見た他のクズ上場会社の経営者はホッと胸を撫で下ろしたことでしょう。なんせ裁判所のお墨付きを頂いたんですからね。これからも安心して今まで通りのクズ経営を続けることが出来ます。
こうして市場は襟を正す機会を逸して、だんだんと全体がクズ化していくのでした。
まあ投資家としては、そんなキモい国からは黙って資金を引きあげるのみです。
このグローバル化した現在で、幕末じゃあるまいし無理して自分の周りを変えるより、自分がまともなところに移動した方が早いですから。
P.S. その後のブルドッグソースの株価等は、ぜひ各自ご確認ください。
http://investment-life-blog.blogspot.com/2016/01/blog-post.html?m=0ダブルスタンダード
登録:
投稿 (Atom)