唯一ちょっと群衆心理的に根拠ありそうと思うのは、最も単純な移動平均線のみであって、あとのゴチャゴチャした数式で出てくる様々な指標は全てゴミだと思っています。
その理由は、いつでも何らかの指標が先高・先安の両方のシグナルを出していますし、分析するスパンによっては同じ指標が逆のシグナルを出していたりするからです。
このため後付では価格変動の前に正しいサインを出していた指標はいくらでも見つかるのですが、判断時点でどの指標を採用すればいいか分からないのでは意味がありません。
そもそも考えてもみてください。テクニカル分析で必勝法が見つかるなら、どうして金融工学の粋を集めたアメリカの証券会社が100年たった今でも手数料で稼いでいるんですか。
テクニカルで勝てると思っている人は、ハーバード大卒の米投資銀行のクオンツに頭で勝てると思っているんでしょうか。
このように、投資においてテクニカル分析は不要というのが私の基本スタンスなのですが、そこで話を打ち切るわけにはいきません。なぜならチャートというのはどうも人を夢中にさせる何かがあるらしく、大ファンが多数いるのです。
すると何が起きるかと言うと、カルト宗教の集団自殺のようなことが起きるんです。
何も地球は滅んでいないのに「○月○日に地球は滅ぶ!」と信じている人が集団自殺してしまい、本当に死んでしまう事件がありました。
これと同様にチャートにおいても、ある節目をブレイクするとテクニカルの教科書に従ってその方向についていく人が多数いますので、本当に教科書通りに動くことが起こります。
じゃあなんだ、結局テクニカル分析は正しいんじゃないか、と思うかもしれませんが、チャート界には「ダマシ」という面白い言葉があるんです。
教科書通りに動かなくてあなたが大損した場合、「あれはダマシだった」の一言で終わりです。これが結構あるんですよね。
そんなことをサラっと言うテクニカルアナリストがいっぱいいますので、チャート分析のレポートなんていうものは「チャーティスト達はこの場面でどう考えているか?」という目線で見るものであって、決して内容を見るようなものではありません。
まあ、その際せいぜい押さえておくべきなのは、ほとんどのチャーティストが信じている「節目」と「ブレイク」くらいでしょう。
テクニカルは単にそう信じている人が多いからそう動く、というものですから信者の数が一番大事なのです。逆に言うと信者が分散している他の個々の細かい指標は全部スルーでOKです。
テクニカル分析とは「お札はみんなが価値があると信じているから価値がある」と同じようなものですね。
2022/12/13追記:
私はチャート分析は、買いたいと思っていた銘柄が下向きにブレイクしたときに使います。
こうするとチャーティスト達のおかげで本来ある価値以下のバーゲンセール状態がしばらく実現する場合が多いので、絶好の玉拾いチャンスになります。ごちそうさまです!
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