ひとまずこの仕事を続けることにはしたものの、このままでは埒が明かない。なんとか食い扶持があるうちに次の一手を考えなくてはならない。そこでまず、ぼくは世の中の金持ちが一体どうやってそうなったのかを調べてみることにした。
幸いなことにこの時期になるとすでにインターネット上に様々な情報が上がっており、ほんの10年前では一般人は絶対知り得ないような情報まで簡単に手に入れられることができるようになっていた。ぼくは毎晩毎晩、貪るようにそういった情報を集めた。するといくつかのパターンが見えてきた。
まず金持ちと言えば金持ちの家に生まれなくてはならないと思っていたが、実はそうでもないことがわかってきた。もちろんそういう人物もいるにはいるが、むしろそれは少数派で、桁違いの金持ちの経緯は大体以下の3種類に分けられる。
1つは類稀な才能を持っているパターン。スポーツや芸能など、その才能をいかんなく発揮し金持ちになるパターンだ。
2つ目は起業して成功するパターン。これが1番多い。
3つ目は投資で成功するパターン。しかしこれはおそらく1番少ない。ざっと調べた範囲では成功者の10分の1位ではないだろうか。もしかすると金持ちの家に生まれるよりも少ないかもしれない。
さて自分はどうするか。
データから考えると起業するのが1番いいのだが、ぼくにカリスマ性やリーダーシップがないのはすでに述べた。だからといってぼくはスポーツも漫才も出来ない。小学生の頃から才能でクラスのみんなから一目置かれたことなど1度もありゃしない。これはやらずともダメなのは明白だ。
すると消去法で投資をするしかなくなる。金持ちへの道としては1番狭き門だが、仕方ない。ぼくにはこれしか残されていないのだ。やむを得ない。
ということでぼくは投資をすることにした。
それからと言うもの、ぼくは投資の勉強を本格的に始め、頭の中では仕事はソコソコに投資でいっぱいになった。
【次回へ続く】
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