FXをする人にとって金利が上昇→その通貨は買い、という事は常識だと思うし、経済ニュースでもよくそうコメントされる。
でも本書P268の外国株投資における為替リスクの中で為替レートは長期的にインフレ格差で決定される、とある。インフレ率が高ければ通貨は売られるのは購買力平価で言っても正しそうだ。
でもこれはFX界の常識と異なる。一般にインフレの場合は中央銀行は金利を上げ、逆にデフレなら下げるため、著者の話では金利上昇→通貨売りという現象が起きるだろう。
自分は低金利通貨の方が最終的には買われると以前から思っていたので、本書の内容は自分の意見と同様で少しホッとした。
これは、こう考えるべきだろう。金利上昇→通貨高というのは仮需においては正しく、しかも為替市場においては仮需の勢力の方が強いので、FX界のように短期投資家にとっては正しいと言える。
実需筋にとっては、慢性的は高金利はインフレ体質の現れであり、長期的に通貨安が見込まれる。
整理すると通貨にとって金利上昇は仮需にプラスだが、トレンドにはマイナス影響があるという事になり、FX界の論も、著者の論もどちらも正しい。
したがって金利要因による為替の影響は、自分の投資スパンによって戦略に組み入れたい。
本書のように10年以上の長期を想定した場合は投資家はシンプルに企業の価値だけを評価して世界中の企業へ投資すれば良いことになる。
外国株への投資は、デフレ国なら株価は下がるが通貨は上がり、インフレ国ではその逆になるので、効果が相殺されるからだ。
もっとも、為替変動には本当に様々な要因があり、その中で金利要因は大きいものの、それだけで全てを語ることはできない。
それならば以前Q先生が言っていたように、外国株への投資はその国の通貨で増えているかどうかが重要なのであって、自国通貨に換算して一喜一憂しないほうがいいかもしれない。
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